一番星(いちばんぼし)を 見るだびに
遠い昔が 蘇(よみがえ)る
おいらが五(いつ)つの 時だった
日暮れ間近の 夕暮れに
近所のおばさん おいらにくれた
味噌のオニギリ うまかった
独りぽっちで 夕暮れに
たべたおにぎり うまかった
一番星を 見るたびに
暑いあの日が 蘇る
おいらが六(むっ)つの 時だった
チリンチリンと 夕暮れに
残ったものだと おじさんくれた
アイスキャンデー うまかった
独りぽっちで 夕暮れの
アイスキャンデー うまかった
一番星を 見るたびに
いつか来た道 蘇る
おいらが十二(じゅうに)の 時だった
赤いリボンが 夕暮れに
明日は帰ると 手紙をくれた
華(はな)の都会が 憎(にく)かった
疎開(そかい)娘(むすめ)の 悲しみも
何にも分からず 泣いた
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