少年、スペルビ・スクアーロは目の前の状況が信じられないでいた。目の前、もとい、現在自分が置かれている状況である。
「ちょ…っ!う゛、あ…」
彼が先程まで履いていたスラックスは、ベルトごと床の上、ここからでは手の届かない位置に放られて、下着は膝の辺りまで下ろされている。大変情けない格好であった。東西の剣豪を倒し歩いて、天才剣士との誉れも高いスクアーロだが、剣もスラックスと同じように、まるでおもちゃか何かのように床に放り出されて下着まで下げられた姿では、普段の鋭さは微塵も感じられない。
挙句、下着は自分で下ろしたのではなく、一人の女の手によって下ろされたのであり、今現在、その女は、スクアーロの腰の辺りに顔を埋めていた。正しく言うなれば、スクアーロはフェラチオされていた。眼下には、女の黒髪がある。太腿に当たるフェザーエクステが酷く擽ったくて、腰が震える。同じ学校の女子生徒と、一回だけセックスをしたことはあったが、こうやって性器を口に含まれる行為は初めてのスクアーロは、彼女の唇が丸い亀頭に触れ、舌で幹を濡らし、濡れた粘膜ですっぽりと全長を包み込まれただけで、もう達してしまいそうなくらいだった。
「ぁ…っん、ん゛…」
頬の裏側の粘膜に擦りつけられ、唾液の中で混ぜられる度に、脊髄をびりびりと強すぎる快感が駆け上がってくる。女は、スクアーロよりもかなり年上だ。赤い目と、ぽってり厚い唇、それに、頬や額、手に散らばって、首筋や広く開けられた胸元にも続いている傷痕が特徴的である。
「ザンザ…ッア゛…!」
ザンザスは、スクアーロの茎を咥えたままちらりと目線だけを上げて彼を見た。その拍子に口内の舌が動いて、張り詰めた裏筋を撫ぜる。それだけで腰どころか、膝が震えて、すぐさま吐き出しそうになる。彼女の口の中には、すでに彼の先走りが零れている筈だ。青臭い、とても美味しいとはいえない液体を自分の唾液と混ぜて、ザンザスは時々こくんと飲み込む。飲み込んでも、後から後から湧いて出てくるものだから、彼女の唇の端から唾液と、先走りとが混ざった体液が滴り落ちる。
「出したいなら出せばいい」
「喋…っひ、う゛ぅ…っ…!!」
言ってザンザスが器用にも唇の片端を上げて、笑みのようなものを形作った瞬間に、弾ける時を待ち望んでいた先端へ、固い歯の先が当たった。堪え切れる筈もなく、スクアーロは体を二つ折にするように前屈みになって吐精した。
温かく、濡れた口内に精液がとぷとぷと注がれ、スクアーロのものを咥えていたザンザスは、眉間に皺を寄せはするものの、それを飲み込んでくれる。膝に力が入らなくなって、スクアーロはそのまま背後のソファの上に座り込んだ。もう晩秋といって良い季節なのに、着こんだ制服の上着が暑いくらいだった。シャツの中にはきっと汗を掻いている。
「…可愛がってやる」
半ば放心状態で座り込んだスクアーロに、ザンザスは口づける。今の今まで自分の性器を咥えていた唇だ。予想通り、キスは酷い味がした。自分の精液の味だ。できれば一生知りたくはなかった。けれども、それを吐き出す前にザンザスの舌が口の中に入ってきて、スクアーロの舌を撫ぜる。肉厚なそれが甘く口内を辿る度、唾液も蜜のように変わっていく。口付けながら、ザンザスは今度は密やかに笑う。いつの間にか、スクアーロは自分からその甘い唇へと吸い付いているのだった。