〜 散策レポ 〜  山梨  03.9.1



今年も何度かこの方面は訪れたが、オオクワガタを捕獲するどころか、姿すら見ることはなかった。

脚立も持参しないし、気合いの入り方が違うのはわかっている。

基本的にオオクワは捕れなくても、その過程を楽しめれば充分というのが正直な気持ち。

でもこの地域のクワガタの薄さ(数の少なさ)にはいつも失望している。


で、今年はもう行かないつもりだったが、休みで行く所もないしカミさんも 「一緒に行こうかな」

とのことなので、今回は自然を満喫する目的で出かけることになった。

これで本当に今年は最後だろう。

とりあえず、今日の目標は 『オオムラサキ・アオカナブン・エゾゼミの画像を撮る』 である。



9時半頃自宅を出る。

なんか肌寒く長袖を着て出動したが、事前に調べた山梨の最高気温は34℃の予想。

相模湖を越えた辺りから急激に気温が上昇。 よしよし、これなら今日は楽しめそうだ。

昔カミさんに作ったテープ 『お掃除しっかりやれヴァージョン(MC入り)』 を聴き、

気分は徐々に高まっていった。


12時前には最初のポイントに到着。

ここはミンミンが多く、カミさんに触らせてあげようと思い立ち寄った。

目の前にいるのは♀ばかり。

ここらへんのミンミンはどれも赤い小さな寄生虫がついている。

一応持っていくが…

「いや〜! 変なのがいっぱいついてて気持ち悪い!」 と、即座に却下された。


ちょっと行ったことのない場所へ入っていく。

しばらく行くと赤松地帯になったのだが、エゾゼミやチッチゼミが鳴いている。

近くで声はするのだが、全く見つけることができない。

特にチッチゼミはちっちゃいからなぁ…

抜け殻は発見できたが超ミニサイズ。 う〜ん、来年の課題だ。


次のポイントはいつも寄る所だが、いつかオオクワが捕れるのでは?と思っている場所。

今日の蒸し暑い気象条件から期待はしていたんだけど… さっぱりクワガタの姿がない。

そのかわりにこんなものが…






ん? 一体どうやって入ったの?



何故にイナゴが? ま、器用な奴っちゃということで(笑)

今日からここは 『イナゴポイント』 と命名!

  (この写真ヤラセでしょ?という問い合わせがありましたが、本当にこの状態でした。 産卵中?なのかな?)



今日は時間にけっこう余裕がある。 行きたい所を全部回ってみよう!

次のポイントはそんなにいい木はないが、一本だけ魅力のある木がある。

早速覗いてみると…






うぎゃ〜、こ・こわい…



上の写真を撮る前に一回り大きいハチもいたが、覗いた瞬間にこっちに飛んできて

どっかに行ってしまった。

直後、陰にいたコクワがこいつらに追い出され、一目散に逃げていく姿には思わず笑った。


移動の途中、気になる所があったので寄ってみる。 しかし…






こんなのしかいない… 足なげ〜



でも雰囲気はかなりいい。

いろいろ辺りを探索していると、見たくない嫌な光景が…






最悪… 何でこんな事しちゃうかなぁ…



こういうのを見るとガク然とする。

約1mくらい剥がされていた。 ちょっとひどすぎるんじゃない?

他の木もかなり削られたりしていたし、おそらくここは有名ポイントか、濃いポイントなんだろう。

ショックを引きずりながらも、気分転換に大きく移動することにした。


ガキは熟睡、カミさんも若干疲れ気味の表情を見せる。

しかし、そんなことは全く気にせず次のポイントへ。

先月ここにアオカナブンがけっこういたので、まだいてくれと願いつつ斜面を登ると一本目で…






いたっ、ノコ♂! けっこうでかい!
ちなみに左下はコクワ、右上は… あれっ? 今気付いた



狭い洞に無理やり顔を突っ込んでいる。

手の届く高さなので難なくゲット! 計測結果…






おおっ、66ミリ! が、しかし…



写真でもわかる通り、左アゴが欠けていて、前足・中足も一本ずつ動かずまともに歩けない。

ノコでこの大きさはお持ち帰りサイズだが、このままリリースすることにした。

しかしもったいないなぁ…


この上には何もいなく、反対側の急斜面に入っていくと…






なかなか賑やか 右の木の右下にはカブト



更に奥へと進んでいくと 『ブーン』 とすさまじい音。

大量のコガタスズメバチが木の根元の穴に巣を作っていた。

撮影してみたが、恐くてあまり近寄れずによくわからない写りだったのでボツとなる。

その巣の一本隣の木に…






おっ! ミヤマだぁ!



♀ながらも木についているミヤマは初めて見た。 この辺にもいるんだな…

来年は木につく大きい♂をとりたい!

ここはちょっと恐いので少し移動。 気になる木を見ていると…






はぁ? なんのセミ??



見た事ないぞ、こんなセミ! 気になる… ということで調査開始。

落っこちている木の棒を投げてみる。

当たった! しかし動じない… じゃあ長い棒で触ってみよう。

ヒラヒラ…ゆっくり地面に落ちた。 ???


柵があるのだが中に入って確認。

すると白いのは何かの菌のようで、その菌に食い尽くされたような感じだ。

止まっててそのまま食われちゃったの? よくわからない…


結局アオカナブンの写真も撮れず、残りはオオムラサキだ。

羽がボロボロなのが高い所を飛んではいたが。

数年前にたくさんオオムラサキがいたポイントへまたまた大きく移動した。



道に迷いながらもやっとこさ辿り着く。 時間は4時半。

まだいるかなぁと心配だったがやはり全く姿なし。

時期的に遅いかな? 前回来た時も少なかったし… 諦めて来年また来よう。


ここは通称スズメバチポイントと呼び、いつもかなりのハチがいる。

気をつけながら他に何かいるかなと探してみると…






まぁいろいろいること…



大きいコクワが数匹その他多数。

今日は昼からクワガタがいくつか見えたのでここまでは満足の結果である。

でも多いとは言えない数だが…

ま、何もいないと寂しいものがあるからよしとしておきましょう。


いい加減みんな腹が減ったので、焼き肉を食いに行く事に。

今日のカミさんは、これが一番の楽しみだったようだ(笑)







夜の部… 昼の感じから今日はいけるかなと、全く説得力のない自信があった。

知人のT君宅に寄ってカミさんとガキを下ろし、彼と二人で出動することになった。

今日回った数々のポイントのおさらい。

何かいるような気が… いや、いてほしかったってのが正解か。



まず、一番遠い所から行ってみる。

と、急に大粒の雨が降り出した。 多少の雨は逆に大歓迎!

これ以上強くならずに適当に止めばしめたもの。

時折ザーっとくるものの、いいお湿りになった。


ノコ66ミリのいた山に入るがさっぱり。

反対側に行くと、夜にもかかわらずスズメバチが活動している。

でも昼間ほど活発ではないので、充分気をつけながら見ていくと…






何これ? 見たことない…



大きさはカナブンくらい、ハナムグリの一種?

初めて見る昆虫だ。 図鑑でも見た記憶がないなぁ…

(後の調査の結果、『
アカマダラコガネ』 ということがわかった。 けっこう珍しいらしい)



ミヤマをちょっと期待したが、小さいコクワくらいしか見当たらずこの場を去った。

タイムリミットは11時過ぎくらいまで、効率的に回ることにした。



次にイナゴポイントへ。 しかし…






定番のこいつしかおらず…



ここではこれまでもカブトとスジクワのビッグサイズしか見たことがない。 薄いのかな?

ポイントになる穴がどの木もずいぶん上の方にある。

脚立を使っても届かないような位置なのでもしいるとしても気付かないのかなぁ…

雰囲気はいい場所なので、どっかにはいそうなんだけど。

そういえば昼間のイナゴはいなかった。 奴は一体何をやってたんだろう?



次は一本だけ気になるところ、まだスズメバチがいる。

しかし目の前にでかいのがいた!






でかっ! コクワ、ピンボケしちゃった・・・



計ってみると49ミリ、そんなもんか。

コクワの大きいのってときたまいるけど、大きくても線が細かったり

アゴだけやたら長かったりする。

これは幅もしっかりあっていい型だった。

コクワにしておくのがもったいない。



少し離れた木を見る。 すると裏側に…






こうでなくっちゃ! 仲良しなノコギリペア



らしい風景をやっと見られた。

中サイズなのでそのままスルー、子孫を残してまた楽しませてくれ!



時計は10時10分。 けっこう時間が余ったがこのまま帰るのはもったいない。

でもオオムラサキポイントに行くには時間が足りない。

悩んだあげく、そんなに期待はできないけど、もしかしたらってこともあるので、

帰りがけに通るミンミンポイントへ最後に寄る事にした。



二人で手分けして見て回る。

まず一本目は何もいない。 やっぱりな… 隣の木へ。

ライトを照らしたところにもしやの物体が… えっ、まさか?

ミヤマと思ったがここにはいないだろう、ということは…


と、一瞬のうちに脳裏を駆け巡る間にその物体は体を回転させて

近くの穴に戻ろうとする。

ヤバイ、と思ったと同時にとっさに手が出て下に払い落とした。

すぐさま確認…


















うっそ〜! 捕れちゃった…(40ミリ) 欠品だけど



天然オオクワ初ゲットの瞬間だった。

捕れる時ってのは案外あっけないもんだなぁ。

ちょっと体が壊れてるのが残念だが…

何かと喧嘩したか、採集者に棒で突付かれて破損したか?

羽が閉じない状態である。 もしかしたら放虫ものかもしれない。

でも自然の中で採集したのだから素直に喜ぶことにした。






この穴の画面下の辺りにいた!



この後も肩車してもらいこの穴を丹念に見たが、♂の姿はなかった。

帰る間際でこんな結果になって帰りたくなくなった。

今年はこれで最後と思ったが…

10月まではオオクワは捕れるだろう。

もう一回行っちゃおうかなぁ… 是非♂を捕ってみたい!



12時前にT君宅を出る。 しかし興奮状態はそのまま。

今日はミヤマ♀もいたし、いないのを覚悟でミヤマポイントを通って帰っちゃおう!

カミさんは何も言わないが、内心どう思ってるのかなぁ(汗)



インターを降りて早速山へ入るも、気温は肌寒く霧が出てる。

路面の感じからけっこう雨が降ったようだ。

とりあえずミヤマの濃いポイントと3匹捕った橋を重点的に、あとは流す程度にした。


濃いポイントに到着。

凄まじい蛾… 夏には見ないものも多く、やはり季節は確実に秋へって感じ。






こんな自販でジュースを買うのは勇気がいる?



時計も1時半を過ぎ、途中の外灯も程々にして橋へ向かう。 






こんなのもいた、でっかいコメツキムシ



橋に到着。 ここもおびただしい蛾の数。

ガキも寝たし、気分転換に歩こうとカミさんを誘ったが、

一度橋をゆっくり通り過ぎた時にしっかり見ていたらしく、

「あんなとこ、ブルルル…」 と拒絶された。

歩いてみると、よくもまぁこんなにいるもんだとある意味関心。

あのキモイ大王のヘビトンボがいないのが少々寂しい。

端まで行って何もいないので、反対側を見ながら戻ると…






線は細いが、そこそこ大きいアカアシ!(40ミリ)



ついでに裏っ側、しっかり赤い



なかなか大きいアカアシクワガタは久しぶりに見た。

もうちょい大きいと迫力があるんだけど。

というわけでリリース!

と思ったけど、もう一回行きそうだからとりあえずキープして持ち帰る事にした。



我が家に到着したのが午前3時過ぎ。

ずっと歩いて運転で疲れたが、個人的にはとても満足の一日であった。

カミさんに 「9月中にもう一回行こうか?」 って聞いたら 「いいよ!」 だって。

懲りていないようだ(笑)


ちなみに、地元のポイントへも一ヶ所寄ってたりなんかして。

ま、コクワとカブトだけだったけど…



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