〜 散策レポ 〜  山梨  05.8.1



毎年夏休みの時期は、採集者が溢れるくらい来ているだろうということで

出向く機会は少ない。

そのせいか、9月に入ってから行ってもすでにオオムラサキなどは

ほとんど姿を消すという状況となる。

去年からの目標、オオムラサキ・エゾゼミの画像を撮る。

アオカナブンも鮮明な画像で撮っておきたい。

会社の人も行ってみたいということなので、一緒に行ってみる事にした。



その方は一応(笑)女性なので、あまりハードな場所へは連れて行けない。

今回はクワガタ狙いというよりも、自然を楽しむ・リフレッシュ・いろいろな昆虫を

観察することを第一の目的に、とにかく楽しもうというノリでの出発となった。



夜はあまり遅くなれないということで、午前10時半にこちらを出発。

高速は多少車の流れが悪く、現着は12時半くらいになった。

とりあえず蝶を見たいというのが二人の一致した意見なので、

最初はスズメバチポイントに行ってみた。

ここは数年前に来た時はオオムラサキの宝庫だった。

この時期だったら間違いなくいるだろうということで期待して行ってみる。



まず最初に目に入ったのがアオカナブン。 いきなりいたかい。

しかし、頭上5・6mの高さで写真はキツい…

まだいるだろうということで歩き始めると…






さっそくお目にかかれた



やはりいた。 なかなか羽を開いてくれないけど、やっぱり綺麗だ!

ハチがちょっかい出したり何か刺激があると羽を開いてくれる。

しばらく見入ってしまった。





     



そして、このゾーンを少し歩いてみる事にする。

やはりここはオオムラサキの数が多いようだ。

羽がボロボロになっているものが多い。

もう少し早い時期に来た方が綺麗な蝶が見れるかな?






求愛行動



ずっと♀(左)を追いかけていた。

♀は堂々と待っている感じだけど、♂が何度となくアタックするもうまくいかず…

という感じだった。

この詰めの甘さ、まるで誰かさんを見ているようだ…



他に何かいるかなと、いろいろな樹木も観察してみる。

おっ、これは… よく図鑑で見ていたやつだ。






なんでピンボケなの…



トラフカミキリ。 小さいけどけっこう迫力がある。

最近では数が少なくなっているようだ。

似た種類はよく見るも、こいつは初めて見たような気がする。






ルリタテハ



いつもは素早く飛び回っているけど、じっくりと眺めてみるとけっこう綺麗な蝶だ。


さてさて、クワガタの姿はまだ見えない。

いつも見に行く木をちょっと見てみるか…






ゲッ、巣を作ってやがる…



さすがスズメバチポイント、ここはいつも樹液が出ていて大きい洞があって

スズメバチが多い場所… とうとう住処にしてしまったようだ。

秋にはどの位大きな巣になっていることか。

ってか、秋はピリピリしているのでもう怖くて近寄れないかな?


この場所で1時間ちょっと割いた。

オオムラサキも堪能したし、そろそろ別の場所に向かう事にした。

が、細い山道で工事をしていて通行止めになっている…

仕方なく怖い思いをしながらバックして回り道。

途中で気になる場所に寄ってみた。






本日のよく見る光景



オオムラサキがもう1匹にいたが、カメラを向けていたところに大きいスズメバチが

飛来して逃げてしまった。

しかしあのスズメバチの羽音はやっぱり怖いね…


そして次の目的地、毎回来る現在一番期待のポイントに到着。

ここで今日初のクワガタの姿を確認。

スジ♀だったので画像には収めなかった。

が、今日はこのポイントは虫が少ない。






アカスジキンカメムシ 角度によってはとても綺麗



ニイニイゼミは小さくてかわいいけど…



どうもこの辺りのセミはダニ付きが多い。

ウチの方で捕るセミはダニ付きの方が珍しいけど。

ミンミンゼミは必ずといっていいほど付いてるし…

なんでだろう? ダニ天国?



そして、もちろんここでも…






威風堂々 木の上で休息



今日は夜の散策はあまり考えていない。

なので、今まであまり行った事のない山の上の方に移動。

ミヤマクワガタが見れればいいなと。 あと、エゾゼミも探さなくてはっ!


ひたすら山を登り時折パラっと雨が降るも、進むにつれて晴れてきて空気は

かなりヒンヤリとしてきた。

車で窓全開だと涼しいを通り越して寒いくらい…



適当に良さそうな場所に車を止めた。 ここはペンション地帯のようだ。

コナラ(ミズナラ?)の木はそこそこあるが樹液は出ていない。

とりあえずキックしてみる。

ボトっとTシャツに何かが張り付いた。 見てみると…


写真にも撮れず、見た瞬間振り払ってしまった。

カレハガ系のグレーの大きな毛虫…

木や葉っぱに付いてるのはよく見るけど、いきなりシャツに張り付かれると

さすがに引いてしまう。



気を取り直していろいろ見ていくと、ここはセミが多いみたい。

地面や木の根元付近から飛んでいく。

黒っぽく見えたけど、これってヒグラシかな?

はっきりと個体確認ができなかったけど、ツクツクボウシとはちょっと違うので

そうなのかもしれない。 飛び方もなんかゆったりだったかな…


で、抜け殻はエゾゼミとわかるものが多数ある。

松の木はそばにあるので細い木までよく見てみると…









うむむ、こんなところに…



頭上3mほどの所。 でも、エゾゼミはあまり飛ばないイメージ。

中学の時に捕まえたもの(コエゾかも)も、ソーっと手を伸ばすと飛ばずに

木を歩いて逃げようとしていた。

それに木を蹴ると落ちてくるって頭にインプットされている。

逃げてもしょうがないなと静かに木をたぐり寄せてみた。

飛ばない。 これはいける? 手を伸ばした。  ギギギ…






男の子でした



う〜ん、やっぱりいいね! なんとなく独特の気品が感じられる。

なんでだろ? 黄色がいいのかな?

羽先が少し曲がっていたのが残念だったけど、しばらく遊んでリリースした。

また今度手にとってみたい。



念願が叶い、ミヤマを探しているとフワフワと飛んでいる蝶がいた。

あれっ、これって…

どう見てもそうなんだけど… こんなところにいるの???














アサギマダラちゃんでしたよね?



有名な渡りの蝶で、台湾の方でマーキングしたものが日本で見つかるとか…

このマーキング観察がけっこう盛んになっているようだ。

何度も同じ所をフワフワ飛んでいるのでしばらく観察してみると、

白い玄関や壁に止まりたそうにしている。

ツルツルで止まれず何度も繰り返す。

止まってくれたら良い写真が撮れたのに…

仕方がないので、飛んでいる写真をもう一枚撮ってみた。






これが精一杯…



こう見るとこの蝶はマーキングされていないようだ。 うん、でも綺麗だな。

アサギマダラ、次に見れるのはいつになることか?

貴重な体験だったかもしれない。

(白いタオルをグルグル回すと近寄ってくるらしい。 白に興味を示すようで、玄関や壁に止まりたそうにしていた)



この辺り、少し先に樹液が出ている木もあり、夜に来ればミヤマは捕れそう。

けっこう木に傷をつけていることから、オオクワも捕れる環境かも。

いつかこの辺りは夜に来てみたい。



時刻は夕方になろうとしていた。

ちょっとだけ散策から離れて1ヶ所お花を見に連れて行こうと思った。

その途中、対向車にスズメがはねられる瞬間を目撃。

下車して手にとってみたけど全身骨折状態。

口をパクパクして… かわいそうに。

たまに道で鳥の死骸があるけど、こんなふうに体当たりしちゃうんだろうな。



気を取り直して車を発進する。

近くにフラワーパーク (だっけか?) という所がある。

今日は時間もないのでその周辺でちょっとだけ…






一面ひまわり



帰り道、2年前にネコの赤ちゃんがいたところへ寄ってみる。

見るところは道を挟んで両側あるけど、入っていったら親子連れの採集者が

来たので反対側は譲った。

ここでは9月にミヤマを見れたが今日はダメっぽい。

大きいスズメバチが2匹いたので遠くから裏に回って覗き込むもこんな状態。






賑やかでいいんだけどね〜



時間は午後6時近くになってきた。

ここまで朝コンビニで買ったおにぎりとパンしか食ってない。

ずっと運転で腰が痛いので、飯食ってちょこっと休憩して夜どうするかを決める。






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こちらのポイントを少しだけ回ろうとも思ったけど、帰りが下道なのと

ミヤマポイント経由で帰ることもあり時間的に厳しくなりそうなので

8時過ぎにこちらを出発。

時間に余裕があるので、昔よく行っていた街灯に寄ってみるも結果が出ない。

気温は20度ちょっと。

いないこともない気温なのだが、体感的には涼しく感じる。

以前はいろんな虫が落ちていたけど、飛びが少ないのか先行者に捕られたか…






ヒメギス



現在ミヤマ探しは上野原くらいまでだが、数年前はいなければ某トンネルを

超えるとこまで行っていた。

それでもボウズの日も多かったけど、今思えばよくやるよ!と思う。

でも、いろんな光景も見てきた。

街灯の下でいつも子猫がいて、飛んできた蛾やセミをムシャムシャと。

セミの♀が好物だったようだ。

数年いたんだけどここ最近は姿が見えない。

大きくなってどこかで暮らしていればいいけど。

そこの街灯でようやく本日2匹目のクワ。 コクワ♀のため画像はナシ。

他にいたのはこんなやつくらい…






コカブト 君も灯下に来るのね…



寄り道が多く、画像を撮るほどでもない虫はけっこういるので、

観察する時間が長くなり時間がかかった。

お連れさんは半分就寝モード。

早めにミヤマルートに入って何ヶ所か見てみよう。



今日はいろいろと見ちゃうな。 野ウサギがはねられて死んでいた。

たまにピョンピョン跳ねてるのは目撃するけど、こういう姿では見たくない。

自然で生きていくのも大変なんだな。 さ、気を取り直して行くぞ〜!



まず1ヶ所目、今日はこいつらがやけに目に付く。 大量発生か?






ミヤマカミキリ 今日は腐るほどいる



途中の寄り道でもうすでにたくさん見ている。

ミヤマはミヤマでも君じゃないんだよな…

ここでは他にカブト♂とノコ♀を確認。

ノコ♀はお連れさんがお持ち帰りした。


そして、期待できるポイントへ。

またミヤマカミキリかと思ったらちょっと厚みが違う。

そばにいってみると…






クワカミキリ  カミキリの中でも君は好きな方だよ



けっこう大きいクワカミキリだった。

見た目はミヤマカミキリとあまり変わらないけど、なぜかこいつは許せるな。

なんでだろ? 数が多くないから?


ちょっと芝生のところまで入ってみると…

久々に見た! ってか、生きてるのを見たかったけど…










おまいさん、おつむは何処へ…?



死んでても凄く綺麗なんだけどね〜。

羽だけなのは数年前に見たけど、死骸でもここまで残ってるとお〜って思う。

お連れさんに見せてみたら持って帰るとのこと。


さて、もう12時過ぎてるじゃん… 帰宅予定時刻が(汗) 先に進もう。


サーっと目を凝らして見てはきたが、これはってのは何もいなく、

最後の橋にやってきた。

時間的なのか、予想に反して採集者が誰もいない。

もう捕って帰っちゃった? とりあえずラッキー。

端からゆっくりと見ていくと…






あれっ、ピンボケ? 本日クワガタ4種類目



ミヤマはミヤマなんだけど、君でもないんだよな。

そういえば今日はここまでクワガタの♂を見ていない。

次の街灯下で…

あっ、♂だ! ミヤマだ! 待っていたミヤマ君だっ!!















たしかに… 間違いではないのだけども正解でもない



こういうオチかい…

端っこまで見ていき、戻る途中で大きいモノが動いている。 もしや?






ヒゲナガカミキリの♀ ♀はそんなにヒゲは長くない



今日はカミキリ祭りだ!!

中サイズ以上のカミキリは、ミヤマ (これが大量) ・ヒゲナガ・クワ・ノコギリ・

ウスバ
(これは画像を撮ってもよかったけど) と赤字覚悟の大放出中といった感じ。

これにシロスジを見ていればほぼパーフェクトだったね。


山を下り、最後は多少可能性のあるコースへ回り道した。

カミキリも多いけどこちらはカブト祭り開催中。


ま、でも今日はいろいろと見れたし充実して楽しかった。

お連れさんも喜んでくれたし。

遅くなっちゃったのはゴメンナサイだけど、たまになのでお許しください…

お疲れさまでした。


山梨は想像していたよりも人がいなかったし、こういう目的ならこの時期に

行ってみても楽しめそうだ。

次回は…

オオクワだけってのはあまり興味がなくなっているので、いつ行くかじっくり考えたい。



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