愛媛県警が「否認被疑者は朝から晩まで取調室に出して調べよ(被疑者を弱らせる意味もある)」「被疑者を弱らせる。そのためには、調べ官は強靱な気力体力を
平素から養っておく必要がある」「被疑者の言うことが正しいのでないかという疑問を持ったり,調べが行き詰まると逃げたくなるが、その時に
取調室から出たら負けである」「粘りと執念を持って絶対に落とすという気迫が必要」「調べ官の絶対に落とすという自信と執念に満ちた気迫が必要である」
「取調中は被疑者から目を離すな」「取調は被疑者の目を見て調べよ。絶対に目を反らすな」「相手をのんでかかれ,のまれたら負けである」
などという内容の「被疑者取調マニュアル」を作成していることが明らかとなった。
愛媛県警、全職員に誓約書「ウィニー使いません」愛媛県警警部(42)の私用のパソコンから捜査資料がインターネットに流出した問題で、県警は10日
全職員約2700人にウィニーなどのファイル交換ソフトを使わないなどとする誓約書を書かせると発表した。警部は調べに「音楽や画像をダウンロードしたかった」
と話し、わいせつ画像を取り込んでいたことも認めた。県警は、内容次第で著作権法違反に当たる可能性があるとみて調べている。
誓約書は(1)公務に使うパソコンやフロッピーディスクなどを許可なく外部に持ち出さない(2)私物パソコンであってもファイル交換ソフトを入れない――の2項目。
調べでは、警部は2003年夏ごろウィニーをインストール。1997―05年4月に作成した個人情報を含む捜査資料などがウィニーを通じてインターネット上に流出した。
警部のパソコンには、情報を外部に流出させる恐れのある「アンティニー」と呼ばれるコンピューターウイルスが感染していた。
愛媛県警捜査1課の男性警部(42)の私有パソコンからファイル交換ソフト「ウィニー」を介して捜査情報などがインターネット上に流れた問題で
同県警が殺人事件の参考人に浮上した女性の車に、全地球測位システム(GPS)を使って位置情報を提供する大手警備会社の携帯端末を取り付けて
行動確認をしていたことを報告する文書が流出していたことが10日、明らかになった。女性には無断だったと見られる。県警は事実関係を明らかにしていないが
犯罪捜査に詳しい専門家から賛否両論の声が上がっている。この文書は「行動確認報告書」。1980年代に同県内で起きた殺人事件に関するもので、計4通あり
作成日はいずれも02年6月。5日付の報告書によると、県警の捜査員が午前9時ごろ、女性の自宅を訪問。車がなかったため
大手警備会社の位置情報提供サービスの携帯端末で、近くのスーパーの駐車場にあることを確認し、その後は捜査員が尾行した、と書かれている。
桶川ストーカー殺人事件は、1999年10月26日に埼玉県桶川市のJR高崎線桶川駅前で、女子大生が元交際相手とその兄が雇った男に殺害された事件である。
被害者が、これらのグループから監視・中傷・脅迫等のストーカー行為を受けていたことから、ストーカー殺人事件と呼ばれる。
この事件がきっかけとなって、「ストーカー規制法」が制定された。身の危険を感じていた被害者とその家族は、幾度となく埼玉県警上尾署に相談し
告訴状まで提出していたが、警察側はなんら捜査をせずにこれを放置。被害者に告訴の取り下げを要求するだけではなく、勝手に告訴状を改ざんしていたことまでが
発覚。改ざんに関わった署員が懲戒免職になり、後に有罪判決を受けた。また被害者女性の人格を攻撃するなどし、自らの捜査怠慢をひた隠しにしてきた。
遺族が埼玉県(埼玉県警)を相手に「国家賠償請求訴訟」を起こし、現在も係争中である。
栃木リンチ殺人事件は、1999年12月4日に栃木県で発覚した監禁、暴行、殺人事件である。その凶悪さもさることながら、被害者の両親から9回も
捜査依頼を受けながら事件を放置した栃木県警の無為無策ぶりが世論に衝撃を与え、桶川ストーカー殺人事件とともに国民の警察不信の一因となった事件である。
事件発覚後、栃木県警は世論および裁判所から厳しく批判された。栃木県警石橋警察署(現・下野警察署)に捜査を依頼するが、応対した担当官は
「お宅の息子さんが悪いんじゃないの」「仲間に金を分け与えて、面白おかしく遊んでるんだろう」「麻薬でもやってるんじゃないの」
「警察は事件にならないと動かないんだよ」などと両親に暴言を浴びせて、まったく取り合おうとはしなかった。
やがて、両親のもとに度々、金を無心する電話がかかるようになり、両親は息子の安全のために金を振り込み続けた。そのとき、銀行に金を下ろしに来た姿が
銀行の防犯ビデオに映っていた。ビデオに映っていた外見は明らかに異様であった。銀行関係者は「後ろに複数の男たちがついていました。
いつでもビデオを証拠として提出する用意があるので警察に相談してください」と両親に勧め両親は再び石橋警察署を訪れ、ビデオテープを証拠品として
銀行から取り寄せるよう依頼した。しかし、石橋署の署員は「裁判所の許可もないのにそんなことできない」と再びつっぱねた。
その際、両親の携帯電話に電話がかかってきた。父親は事態が逼迫していることを理解してもらおうと警察官に携帯を渡した。
しかし、その警察官は不用意にも「今どこにいる。早く帰って来いよ。石橋署の警察官だ」と名乗ってしまう。電話は切られ、「あ、切れちゃった」
とあっけらかんと言って、携帯電話を父親につき返したという。 これによって、警察の捜査が自分たちに迫っていると考え殺害を決意したとされている。
なお、栃木県警は2000年7月、両親の訴えを無視し続けた警察官らを懲戒処分にしたが、最も罰が重い者で「停職14日間」であった。
被害者の両親は栃木県警の捜査怠慢が息子を死に追いやったとして国家賠償法にもとづいて栃木県と加害者、その両親に損害賠償(1億5000万円)を
求める民事裁判を起こした。栃木県警は、一旦遺族に捜査ミスを認め謝罪していたにもかかわらず、裁判になると一転「かかってきた電話に出た際、警察だ
などと名乗ったことはなく、母親が騒いだために電話が切れた」「自ら捜索願を取り下げるよう連絡をしてきた」
「警察の対応は適切で、当時事件を予見することは出来なかった」と反論した。
2006年4月12日、宇都宮地方裁判所は「栃木県警の捜査怠慢と殺害の因果関係」を明確に認め、石橋署員の供述を「全く信用できない」として退けた。
犯人が暴行や脅迫などで被害者を取り込むことはままあることであり「いやしくも犯罪捜査に携わる者であれば当然わきまえておくべきである」
と栃木県警のウソと怠慢を厳しく非難、遺族の主張を全面的に認める判決を下した。捜査と殺害の因果関係を認めたこの判決は非常に画期的なものとなった。
担当だった警察官は今なお現役、警察幹部だった主犯の父親は栃木県警の警部補であり、退職後は警備会社に天下りをしている。
奈良県警田原本署の40代の男性巡査部長が、けがをした小学生の男児を搬送する救急車内で、付き添いの母親のスカートの中をデジタルカメラで
撮影していたことが11日、分かった。県警によると10日午後、自転車に乗っていた男児が側溝に落ち、けがをした。巡査部長は交通事故の可能性もあるとして
男児や母親と一緒に病院へ向かうため救急車に乗り、車内で約10枚撮影したという。巡査部長の挙動を不審に思った母親がカメラを取り上げて画像を確認
県警に抗議した。巡査部長は事実を認めているという。県警監察課は「調査をして厳正に対応する」と話している。
秋田県藤里町の町立藤里小学校1年米山豪憲(ごうけん)君(7)が殺害された事件で、能代署捜査本部は19日、地元の地理に詳しい者の
計画的な犯行の可能性が高いとみて、遺体発見現場などを実況見分した。豪憲君の日常をよく知る犯人像も浮上。一方、豪憲君の2軒隣に住み
4月に水死した同小4年畠山彩香ちゃん=当時9歳=の母・鈴香さん(33)がテレビ各局のインタビューに応じ、娘を事故死と断定した警察に対し
「あまりにずさん」などと憤った。彩香ちゃんと鈴香さんは2人暮らしだった。愛娘を失った悲しみは癒えない様子で、TBS「きょう発プラス」などの
インタビューに「しばらくの間はごはんも食べられない、眠れない、泣いたとしても涙も出ない、感情がなくなってしまったようになっていた」と胸中を明かした。
彩香ちゃんの死は事故とされたが、「彩香は水が嫌い。川に近づくとは思えない」といまだに不信感を抱いている。「あれだけぼこぼこした岩やえん堤
木の枝が覆いかぶさっている浅瀬を流されて、衣服にかぎ裂きひとつないのは、おかしいんじゃないかと警察に訴えても“ありえないことではないが
事件より事故の方がお母さんも救われるでしょ”と言われた」4月9日の彩香ちゃん失跡時に作成した「知っていることがあれば何でも教えてください」
と記した顔写真入りのチラシは、今月に入ってからも近所に配るなどして情報を求めている。しかし、能代署からチラシに入れた同署の電話番号を
削除するよう指示されたという。「明るくて照れ屋。母子家庭だから、どこへ出掛けるにも2人一緒だった。なんで?って思いが強い」と声を震わせた。
そして「警察は事件、事故の両面から調べると言っていたが、私には何も教えてくれない」と不満をもらす。豪憲君が行方不明になった18日には
青白い顔で捜索に加わった。「警察がきちんと捜査をして、もうちょっと動いてくれたら、豪憲ちゃんは何事もなく今ごろ元気に遊んでいたかもしれないのに…」
疑念は募るばかりの様子だ。司法解剖の結果、豪憲君は首をひも状のもので絞められたことによる窒息死と判明した。捜査本部の調べでは
死亡推定時刻は17日午後4時ごろから午後6時ごろ。遺体発見現場には争った跡がないため、不明直後に殺害され車で運ばれたとの見方を強めている。
豪憲君は17日午後3時20分前後に、自宅近くの公園で友達と別れてから行方が分からなくなった。公園は表通りからやや奥まったところにあり
人通りも多くないことから、地元の地理に詳しい者の計画的な犯行の可能性が高いという。遺棄現場の脇の道路も、地元の住民以外はほとんど立ち入らない。
凶器はひも状のものとみられる。藤里小では彩香ちゃんが遺体で発見されてから、クラブ活動のない1〜3年生の集団下校を徹底していた。
だが、豪憲君が友達全員と別れ、自宅まで1人になる数分のすきをついた。連れ去られた17日は、1年生の授業が午後まである水曜日。
学校から20分前後で失跡現場の公園に着くことなど、豪憲君の日常を熟知する犯人像も浮かんでいる。遺体には首以外に目立った外傷や
暴行を受けたようなあとはなくそばに落ちていたランドセルからは複数の指紋が検出された。また、彩香ちゃんについても捜査本部は
「当時、犯罪につながるようなものは見つからなかったが新たな素材が見つかれば捜査する」としている。
佐賀県唐津市の小学5年生家原毅君(11)が連れ去られた後放置されたひき逃げ事件で、佐賀県警唐津署捜査員が、道交法違反(ひき逃げ)容疑などで
指名手配した土木作業員坂口三之治容疑者(53)を取り逃がしていたことが23日、分かった。20代の交通機動隊員が同容疑者を職務質問したが
応援を呼ぶために現場を離れたすきに逃げられていた。家原君の親族は「開いた口がふさがらない」と話している。
20代の交通機動隊員が、前部が破損した青いトラックを見つけたのは21日午後3時ごろ。近くでビニールハウスの撤去作業をしていた坂口容疑者に
「このトラックの運転手は誰」と尋ねると、同容疑者は「自分のではない」と答えた。車内に血痕のようなものも見えたため、携帯電話のカメラでトラックを撮影
ナンバーを控えた上で応援を呼ぼうと、白バイに乗っていったんその場を離れた。約1・2キロ離れた場所で仲間の隊員と落ち合って戻ると、すでに
坂口容疑者の姿はなかった。この間約10分だという。残っていた作業員は「トラックは坂口さんが運転していたやつよ。山の方へ歩いていったので
用でも足すのかと思った」それ以後坂口容疑者の消息は不明となっていた。
応援を呼ぶなら、警察無線や携帯電話を使うのが一般的。機動隊員が現場を離れたことについて、唐津署の山口俊夫副署長は
「隊員は県警本部からの応援で地理に不案内。現場はビニールハウスが林立していて分かりづらく、無線で応援を呼べなかった。(坂口容疑者を)
被疑者と断定できない時点では最善の方法」と弁明したが「結果論から言えば、ほかに方法があったかもしれない」と歯切れは悪い。家原君の親族は
「開いた口がふさがらない」と話している。坂口容疑者は20日午後5時すぎ、唐津市厳木町の県道三差路で、トラックを運転して自転車の家原君をはね
て連れ去り、北に約2キロ離れた林道に放置したとみられる。家原君は約8時間後に家族に発見されたが、頭の骨を折り、1カ月の入院が必要な重傷を負った。
和歌山県警は15日、20歳代の県警女性職員に性的暴行を加えようとしたとして、県警警部補で橋本署生活安全刑事課係長、家永幸和容疑者(36)
同県岩出市桜台を強姦(ごうかん)未遂容疑で逮捕した。容疑を認めている。調べでは、家永容疑者は今月13日午前0時ごろ、県内の女性宅を訪ね
押し倒して体を触るなどし、性的暴行をしようとした疑い。12日午後6時半ごろ、勤務を終えて帰宅した後、歩いて近くの飲食店に出かけて酒を飲み
女性宅に行った。抵抗され、自宅に帰ったという。家永容疑者は95年10月に県警巡査となり、04年4月から橋本署に勤務、今年4月から現職。
2日午前9時10分ごろ、群馬県大間々町上神梅の国道122号で、パトカーに乗せられていた男が突然、大間々署の男性巡査部長(33)に隠し持っていた
刃物で切り付けた。このため、別の男性巡査部長(48)が男に向けて拳銃を発砲。男は左肩に2発の銃弾を受け、公務執行妨害と殺人未遂の疑いで
現行犯逮捕されたが、搬送先の病院で約3時間後に死亡した。切り付けられた巡査部長は顔などに2週間のけが。同署によると、死亡したのは栃木県足尾町中才
職業不詳今井実容疑者(31)調べでは、2日朝、群馬県東村(勢多郡)で住居侵入事件があり、通報で駆けつけた巡査部長2人が、現場近くにいた
今井容疑者に任意同行を求めた。パトカーの後部右側の座席に乗せて同署に向かう途中、今井容疑者が後部左側の座席にいた巡査部長に突然刃物で切り付けた。
運転していた巡査部長が車外に降り、後部ドアを開けて「撃つぞ」と2回警告したが、従わなかったため、肩に向け1発発砲。なおも抵抗したため
さらに1発を発砲したという。同署の斎藤秀樹次長は「現段階で判明している事実から判断して、適正な拳銃使用だと考えている」としている。
大間々町上神梅の国道122号で二日、住居侵入容疑で任意同行中に、パトカー内で暴れた栃木県足尾町中才、今井実容疑者(31)が大間々署の巡査部長の
拳銃発砲で死亡した問題から一週間。至近距離から二発撃つ必要があったのかどうか−。県警の見解をあらためて確認するとともに、複雑な遺族の胸の内を聞いた。
県警が行った記者への説明などで、とくに問題となったのは(1)威嚇射撃がなかった理由(2)二発連続して撃つ必要性−の二点だった。
大間々署は法的根拠として、警察官職務執行法と国家公安委員会規則「警察官等拳銃使用及び取扱規範」を挙げ、(1)については
「事態が急迫しており、規定にある威嚇射撃を要しない場合に当たる」と説明。(2)については「二発目の前にも警告したのに抵抗をやめなかったから」
と正当性を主張している。しかし、発砲当時、現場近くで農作業中だった無職男性(63)は取材に対し「パーン、パーンと連続で二回音がした」と説明。
警告から二発目の発砲までの時間が短かったことをうかがわせている。今井容疑者の同居の母(55)の話では、一報を受けたのは発砲から約四時間が経過した
午後一時すぎ。勤務先の栃木県内の病院で「息子さんが警察官を傷つけ、入院させた。本人も重傷だ」との連絡が県警からあったという。
「私が聞いた一時間前には亡くなっていたのに、なぜ教えてくれなかったのか」今井容疑者の長兄(34)も「仮に悪いことをしても、パトカーの中にいる人間に
二発撃つのは、やりすぎではないか。弟がどのように死んだのかも次の日の新聞で知った。署からの説明はなかった」と唇をかむ。
県警によると、この一週間、大間々署や県警本部には、全国から電話などで激励が相次いだという。同署の話では、寄せられた意見の九割以上が
「マスコミの取り上げ方が間違っている。圧力に負けず頑張れ」といった内容。警察の対応に批判的な意見はほとんどなかったという。これに対し
今井容疑者の勤務先の社長(55)と社員の女性(71)は「今でも信じられない。優しくて仕事のできる社員を失い大打撃だ。口数が少なく、働き者だったのに」
と今井容疑者を擁護。長兄は、母が大間々署で言われた一言が気にかかる。「『しょうがないよね、死んじゃったもんね、大丈夫だよね』と言われたというんです。
私には、『訴えないよね』と確認されていたように思える。母は遺体を早く引き取りたい一心で、『裏切らない』と答えたというのです」
母も兄も、今後、法的措置をとることは考えていない。だが、母は涙ながらに言う。「息子が傷つけた方には謝りたいし、(息子の)最期を知りたいとも思う。
でも、もう警察全体の話になってしまった。会わせてはもらえないでしょうね」