2006年12月07日(木)淘汰しろ

[ あすにも宮崎前知事…止まらぬ首長逮捕 ] ≪選挙資金に犯罪の根 巨額借金“汚れ仕事”見返り≫

首長の逮捕が止まらない。福島県、和歌山県、千葉県成田市…。北海道深川市長は6日夜に、宮崎県前知事は8日にも逮捕される公算が大きい。
官製談合、贈収賄という「首長の犯罪」は、いずれも莫大(ばくだい)なカネがかかる選挙が起点となっていた。巨額の借金。
“汚れ仕事”で業者から付け込まれたり…。「選挙にカネがかかる限り、首長の犯罪はなくならない」。選挙の実態を知る関係者たちは、悲観的な見方をしている。

「知事選となると、必要なカネは2億円を超える。都会の知事選はもっと必要じゃないか。強大な権力を手に入れる対価だから。知事職は衆院議員より
楽しいと思う」。安藤忠恕(ただひろ)前知事(65)が辞職に追い込まれた宮崎県。県議の1人はそう話した。福島県の場合、収賄罪で起訴された前知事
佐藤栄佐久被告(67)の実弟が選挙のたびに、業者から集めた金を県議や幹部にばらまいた。元支援者は「佐藤被告は権力に固執した。
そのためには選挙で圧勝しなければいけない。だからカネを必要とした」と話す。前回16年知事選は、共産が推薦する候補との一騎打ち。
圧勝しなければ佐藤被告の求心力が低下しかねない状況だった。結局、約70万票対約12万票で佐藤被告が5選を果たした。

和歌山県前知事、木村良樹容疑者(54)は、大阪府副知事からの転身。初出馬の12年当時、和歌山で知名度はなく、ゼロから地盤を築かなくてはならなかった。
資金調達を旧知のゴルフ場経営、井山義一容疑者(56)に頼った。「間もなく両者の関係はズブズブに」(和歌山県議)なり、井山容疑者は力を持って
業者の談合を仕切るようになった。前出納長の水谷聡明(さとあき)被告(60)は大阪地検の調べに「知事から『選挙で丸山組に大変お世話になったので
よろしく頼む』といわれた」と供述。官製談合は、選挙支援の見返りだったことを裏付けた。木村容疑者は再選を目指す際、国会議員らから個人推薦を
取り付けるよう県幹部に指示。また、親睦(しんぼく)団体については「知事公室で事務局的な役割を担い、会費を管理していた」と
6日の和歌山県議会で知事公室長が証言した。知事自らが公選法(公務員の地位利用)に違反する行為を主導したり、一方の県側も
知事の公私を区別しないルーズさで知事を支えていた実態が浮かび上がる。

辞職に追い込まれた宮崎の安藤前知事も事情は似ている。県幹部出身で2度目の挑戦で初当選。安藤前知事が当選後、5000万円を後援会元幹部に提供した際
運び役という“汚れ役”を務めたのが設計コンサルタント会社「ヤマト設計」(東京)の二本木由文容疑者(56)=競売入札妨害容疑で逮捕。
二本木容疑者はこれを“ネタ”に前知事に付け入り「天の声」を引き出したとみられており、知事選を起点に官製談合が形成されていた過程が捜査で判明してきた。
収賄容疑で逮捕された千葉県前成田市長、小林攻(おさむ)容疑者(64)も選挙で辛酸をなめた。4回目の挑戦で15年に初当選。ところが選挙資金
2300万円を返還しろと迫る訴訟をコンサルタント会社に起こされ、支払いの残り800万円の期限が昨年3月末に迫っていた。小林容疑者が業者から
1000万円のわいろを受領したのはこの時期だ。当時巨額のの借金を抱えていたという小林容疑者。選挙に次ぐ選挙。財産のほとんどを使い果たしていたようだ。

過去に知事選への出馬を検討したことがある国会議員の秘書は「党本部の支援だけでは到底足りない。ウチも資金不足で出馬を断念した。
役人出身など特に資産のない候補者は業者らにつけこまれやすいだろう。しかし、カネのかからない選挙は現実には不可能に近いことを考えると、首長の不祥事は
今後もなくならないのでは」と話している。

宮城県前知事浅野史郎さんの話 和歌山県に限らず一連の事件を考えると、やはり選挙が問題だったのは間違いない。選挙のありようは、その後の
県政のありようを決める。選挙は、「敵」よりも、終わった後の「味方」のほうが怖いからだ。(和歌山県前知事の木村容疑者は)改革を掲げていたが
選挙の改革はできていなかったのだろう。今回の再逮捕は非常に残念だ。宮城県も13年前にゼネコン汚職で転んだ。しかし県民はただでは起きなかった。
入札改革に取り組み、本当の意味の出直しをすることができた。裏金で転んだときも、ただでは起きず、情報公開を進めることができた。
転んで残念だった、で終わってはいけない。それだけに、和歌山県にとって今回の出直し知事選は、極めて重要な意味を持つ。
選挙戦はスタートしているが、県民はしらけずに、候補者の戦い方を見なければならない。そして新しく選ばれた知事は、県民の目を意識して
2度と転ばない仕掛けを考えるべきだ。他の自治体の首長も一連の事件を他山の石として、入札制度の改革に本気で取り組んでほしい。
「談合は必要悪」だという思いを微塵(みじん)たりとも見せれば、失敗に終わるだろう。(産経新聞 2006/12/07 02:14)

まぁ改革とか無理だから。って言うかどう考えたって無理だから。なんて言うか無理無理無理無理 無理無理無理無理 無理無理無理無理 無理無理無理無理。

2006年12月07日(木)03時38分30秒