「業務管理の徹底と身上把握が十分でなかった。誠に申し訳ない」県警の巡査部長と巡査長の計2人が逮捕された事件で、平野和春・県警警務部長は
15日の記者会見で、こう謝罪した。県警では先月にも署保管の現金を着服したとして、署員が逮捕されるなど、不祥事が相次いでいる。検挙率向上など
治安指数で結果が出ている矢先、その努力が帳消しとなりかねない。過ちはなぜ繰り返されるのか。この日逮捕されたのは、鎌倉署地域課巡査長の
望月賢治容疑者(38)=窃盗と住居侵入容疑=と、茅ケ崎署警務課の巡査部長渡辺恒憲容疑者(49)=虚偽有印公文書作成容疑=の2警官。
先月中旬には、署のロッカーから証拠品の現金約7万5千円を着服したとして瀬谷署元警部補の塩田博容疑者(59)が、業務上横領容疑で逮捕された。
1カ月あまりで3人の警官が逮捕されるという異常事態に陥っている。逮捕された3人の動機部分に着目すると、渡辺容疑者は「別れた女性とよりを戻したかった」
と女性関係を挙げたのに対し、残る二人が「遊ぶ金がほしかった」(望月容疑者)、「借金がありどうしようもなくなった」(塩田容疑者)と金銭面を
理由に挙げている。県警幹部は「女性や金といったトラブルから、不祥事案につながっているケースばかりだ」と指摘。各職員のプライベート面をきちんと把握し
“犯罪の芽”を摘むことが重要とみている。また、業務管理の不徹底も大きいと話す。捜査照会文書を偽造した渡辺容疑者が上司に決裁を受けた上で
文書を使っていた点について、幹部は「どんな事件で何を調べているのか把握するのが上司の仕事。捜査をしっかり指揮し、部下のいいなりにならないよう
気を引き締めてもらいたい」と語気を強めた。ある警察官は、99年から00年にかけ続発した“神奈川県警不祥事”から数年がたち
「危機感が薄れているのではないか」と指摘する。この警察官は「神奈川が変な意味で、再びブランド化している。犯罪の解決と抑止により努めなければ、信頼は
回復しない」と危機感を強める。16日の臨時署長会議には井上美昭県警本部長をはじめ、各部課長や署長ら幹部約百三十人が出席予定。
各所属長に対し、業務管理と職員の身上把握の徹底を呼び掛ける。松沢成文知事は「現職の警察官がこのような犯罪を起こしたことは、大変遺憾。警察官には
高い倫理観や道徳観が求められているのは当然のこと。県警は再発防止策を講じ、県民の信頼回復に努めてほしい」とコメントを出した。
井上美昭本部長に直接電話し、コメントの内容を伝えたという。
無理だろ。