2007年03月25日(日)loving girls

汚いエントリーとは分けて書かないといけないわ。とか思ってみたりする今回のエントリー。今日は地方競馬も熱い戦いが繰り広げられますよ。と言う話がしたい。

まずは今日の福山競馬のメインレース、第10レースは「第18回 全日本ローゼンホーマ記念」と言う事で。福山が輩出した名馬ローゼンホーマの名前をつけて
行われるこのレース。アラブ種限定のこの競争。福山競馬は元々アラブ種の競走馬しか居ないアラブ種単独でのレースを行う競馬場だったんです。昔までは。

アラブって何?とか言われたら「馬の種類」と言う事で。例えば有名な馬で言えばディープインパクトですか?その馬は「サラブレッド」です。
品種としては「アラブ」「アングロアラブ」「サラブレッド」と言う風に分かれております。日本のいわゆるアラブの馬は「アングロアラブ」の種類に分かれます。

アングロアラブと言うのは『アラブとサラブレッドの混血種』の事です。アラブ血量(アラブ種を100、サラブレッドを0とした時のアラブの純血の割合)が
「25パーセント以上」でアングロアラブと呼ばれ「25パーセント未満」ではサラブレッドに分類されます。「0パーセント」なら勿論サラブレッドです。

アラブとサラブレッドの違いに関しては「体格」「スピード」「丈夫さ」と言うのが大きな違いです。見た目だけならそんなに変わりません。

「体格」に関してはサラブレッドの方が基本的には大きいです。アラブが400キロ前後、サラブレッドが440キロ前後。スピードもサラブレッドの方が速いです。

と言う事で「よりエキサイティングな競争」が出来るのはサラブレッドの方、と言う事で1960年代にはアラブの方がサラブレッドよりも多く生産されていた
そんな時代もあったんですがその割合に関しては近代になるに連れてドンドンとひっくり返って今やアラブの生産は殆どなされず「競馬と言えばサラブレッド」
と言う時代になっております。と言う事で。スピードが速い方がエキサイティングな競馬が出来る!みたいな風潮で最近の競馬は推し進められています。

但し「丈夫さ」に関してはアラブの方が上です。戦後直後などの時代には頭数の確保が難しかった為丈夫なアラブ種の馬を短期間でレースに出して頭数を確保。
と言う様な事もありました。今でこそ競馬はスポーツでありギャンブルの雰囲気ではありますが戦時中などに関しては軍事を目的とした馬の生産もありました。
そう言った軍事目的の際には丈夫なアラブの方が重宝されて利用されていた時代もありました。昔は「馬と言えばアラブ」今は「馬と言えばサラブレッド」
と言った違いがあります。どっちが優れている優れていない、ではなく「どっちもいい所があるんだよ」と言う事を是非分かって頂きたいと思いますが。

と言う事で。福山で活躍したアラブ種の馬であるローゼンホーマの名前を冠した「ローゼンホーマ記念」が今日の福山の大レースでございます。

今から30年前程度には中央競馬でも地方競馬でもアラブの馬が百花繚乱!と言った塩梅になって競馬が施行されていた訳ですが先述した様にスピードを求める様な
声が強くなってどんどんサラブレッドの方に生産が切り替わりその後アラブは淘汰されていく訳です。1995年に中央競馬がアラブの競争を全廃すると
いわゆる大口客である中央競馬から「もうアラブは要らないよ」と言われた訳ですからアラブの生産頭数の「減少」はますます加速。地方競馬の中には
アラブ「専用」の競馬場もありました。しかし生産頭数が少なくなっていけばやがてアラブの馬だけでレースをやるのは難しくなっていく事は自明の理。

と言う事でアラブ専用競馬場だった地方競馬もどんどんとサラブレッドの導入を発表していきましてサラブレッドの競争に鞍替えをする事になりました。
1999年には園田競馬場がサラブレッドの導入を発表。以降サラブレッドの競争が増えアラブの競争は減っていきました。そんな中で最後の最後まで
「アラブ専用競馬場」であり続けたのが福山競馬。しかし2005年12月からサラブレッドを導入します!と言う事を発表。アラブだけでは頭数が足りない!
と言う事でついに全国全ての競馬場でサラブレッドの導入と相成りました。…と言うのが日本の競馬の歴史の一部分。ある種「セピア色したメモリー」の様な
状態になっていると言うのが今のアングロアラブによる競馬。まぁ「福山競馬で1番有名な馬」と書いてもいいでしょうか。1983年生まれの馬の名前より。

そして今日の帯広競馬のメインレース、第10レースは「第39回 ばんえい記念」と言う事で。2003年から2006年まで「ばんえい記念4連覇」と言う
偉大過ぎる記録をなし遂げたあのスーパーペガサスが蹄の不安を発症したと言う事で「2007年の」ばんえい記念を前に残念無念の引退を決意。
ばんえい記念の枠順にスーパーペガサスの名前が「無い」と言う事で「ばんえい競馬史上最強!」との呼び声もあるスーパーペガサスの姿が無い
そんな今年のばんえい記念。一気に戦国競馬の様相となり「誰が勝つんだ?」と言った形における「新チャンピオン決定戦」となりました!と言う様なレース。
正直混戦ですよね。元々ばんえい競馬と言うのは強い馬でも平気で大敗したりして「おいおい大丈夫かよ」と思ったら次のレースでは快勝。
えぇえぇえー!と思う様な事が多々ある状態。だからこそ過去の着差や着順があんまり役に立たない状態と言う事で当日の気配が非常に重要です。

ばんえい競馬と言うのは1トン近くの体重をもった「ばん馬」と言う品種の馬がソリを後ろにつけてそのソリに人が乗って直線200メートルのコースを走る
そう言った競馬の事で一般的に「競馬」と言えば中央競馬のイメージが強い普通の日本国民からすればまぁ異端な競馬と言っていいでしょう的な状態です。
直線200メートルとは言っても途中に障害があります。いわゆる「上り坂」「急勾配」を登って行かなければなりません。その急勾配は全部で2つ。
最初の勾配は各馬比較的スムーズに登る事が出来ますが第2障害の方はまさに「急勾配」じっくりと溜めて、力を溜めて「エイヤッ!」と大きな馬が登ります。
1トン近くの巨大な馬がソリを引いて急勾配を奮闘して登る訳です。そして登り終えて下ったら後は残りの直線を歩くだけ。しかしここでスタミナが尽きて
ゴール前で止まってしまった、そしてその外から別のソリがやってきてゴール前で順位が入れ代わったー!と言う様な事も多々あります。

観客が「直線200メートル」を歩きながら応援する、と言う事でスピード自体はサラブレッドと比較すると遅い訳ですが「パワー」と言う意味では最高かと。
ばんえい競馬を現在行っているのは帯広市だけ。もはや「日本で1つ」となってしまいました。一旦は廃止が取り沙汰されましたが辛うじて存続が決定。
そう言う綱渡り状態のばんえい競馬。と言う事で今日のメインはばんえい記念。頭数9頭で争われます。1着賞金700万円。高いよこの賞金は。ばんえいでは。

そしてばんえい記念の場合には引くソリの重さが牡馬1トン、牝馬980キロに設定されます。通常の条件クラスが575キロ。オープン競争で750キロ。
如何に重たいかと言うのがよく分かる。ほぼ「自分の体重と同じ重量」と言う事で。ばん馬の体重は900キロ台から1100キロ台が主な範囲内です。

…と言う事で。テレビで宣伝なんてされないからな。まぁ注目されずに終わるんだろう…。と言うのも悲しい話だからな。きちんと書いておく。
それと前の日記にも書いた「地方競馬の場外馬券売り場は名称が各地で違っていて分かりづらい、全国統一しろ!」と言う様なお話で全国的には以下のデータ。

販売エリアを特に定めず馬券を売っている場外売り場「山形県 ニュートラックかみのやま ニュートラック松山」「福島県 ニュートラックいいたて」
「群馬県 BAOO高崎」「島根県 BAOO三刀屋」「山口県 BAOO宇部」 …ニュートラックは旧上山競馬絡みの売り場。BAOO高崎は元高崎競馬場。

ホッカイドウ競馬「Aiba札幌駅前」「Aiba静内」などの『Aiba』 ばんえい競馬「ハロンズ苫小牧」「ハロンズ釧路」などの『ハロンズ』
岩手競馬「テレトラック十和田」「テレトラック横手」などの『テレトラック』 南関東競馬「オフト後楽園」「オフト汐留」などの『オフト』
名古屋競馬「サンアール弥富」などの『サンアール』 笠松競馬「シアター恵那」の『シアター』 福山競馬「シャトル神辺」などの『シャトル』
高知競馬「パルス高知」などの『パルス』 佐賀競馬「トゥルー佐賀」などの『トゥルー』 …と言う事でもはやてんでバラバラな状態で分かりにくいと言う話。

2007年03月25日(日)07時42分36秒