[ ブルーメンブラット一撃ある ヴィクトリアマイルマイル木曜追い ] ヴィクトリアマイル木曜追いが10日行われた。
前日の9日にブルーメンブラットの安藤師が勇退を発表。おそらく自身最後となるGIに、愛弟子・川島とのコンビで万全の態勢で挑む。
安藤師の勇退発表から一夜明けた10日、厩舎にはいつもと同じようでどこか違う空気が流れていた。番頭格・安藤助手が父の下した決断について説明する。
「競馬会へは『体力の限界』ということで届け出を提出した。脳こうそくで倒れてから15年。本人の体調も良くないので」定年は来年2月だが、これを待たず
7月20日をもって勇退。後進に道を譲る。今週のヴィクトリアマイルにはブルーメンブラットで参戦。「最後のGIです。見せ場くらいはつくれたら」
安藤助手はひそかな期待を寄せる。手綱をとるのは厩舎所属の川島。改めて師匠との日々を振り返る。「若手が乗せてもらえない時代。それが自厩舎は
全部乗せてくれる先生でしたから。スタッフもみんな雰囲気も良かったし、いい厩舎に入れたと思います」厩舎の管理馬・オースミハルカでは牝馬GI戦線を戦った。
師弟で挑むGIはおそらくラスト。「そういう気持ちもありますが、あまり力まずに。内でタメて、ロスのない競馬を心がけたいですね」川島は笑顔で語った。
安藤師は調教スタンド2階、いつもと同じ席に陣取り調教を見つめていた。記者が『最後の…』と切り出すと、こうピシャリ。「まだ早い」
そう、まだ2カ月以上も戦いの日々は残されているのだ。トレーナーは強い口調で感傷的なこちらの思いを打ち消した。「いい勝負をすると思うよ。
絶好調だからね。そんなに能力差はないから、展開次第だと思うよ」前走・阪神牝馬Sは中間に打撲のアクシデント。追い切り1本で5着の健闘だった。
上積みは大きい。安藤師は言い終えると調教コースへ向けて視線をギラつかせた。その闘志に衰えはない。勝機はあるはず。
全馬が1着を狙うのがGIなのだ。師弟はさまざまな思いを抱きつつ、同じ目標を目指す。
個人的にはオースミハルカで達成出来なかったGIの快挙を達成してほしいと思うが。果たしてどうなる事やら。実力は劣っているとは思わない。あとは展開ひとつ。
これで川島がヘタクソな騎乗をしたなら脇腹の1発程度は蹴り入れさせろやこの野郎。そう思うだけだが。実力はある。枠順もいい枠を引いた。あとは展開ひとつ。