2007年11月20日(火)ディラントーマスとウインクリューガーの話

[ ジャパンカップ ディラントーマス出走できず ] 25日に東京競馬場で行われるジャパンカップに出走を予定していたディラントーマスは日本に入国するために必要な
検査で、馬ウイルス性動脈炎の陰性が確認できなかったために、日本とアイルランド両国間の衛生条件上の規定により、日本への入国が許可されず、ジャパンカップへの
出走が不可能となった。なお、ディラントーマスは来日直前に馬ウイルスの接種を行っていたため、ワクチン抗体である可能性が考えられるが、現段階ではその確認は
できていない。他の外国馬については検疫を終了し、明日東京競馬場へ移動する。※輸入検疫中(国際競走出走馬は5日間)は、手続き上「入国していない」状態。

競走馬における、馬ウイルス性動脈炎に関するアイルランドと日本の衛生条件:
日本入国前:来日前60日の間、馬ウイルスの発生のない施設に飼養され異常がなかったこと。(2)来日前30日以内に検査を受け陰性であること。
日本入国後:輸入検疫期間中(競走馬の場合は5日間)に、臨床徴候が認められないこと。抗体検査を行い、陰性であること。

11月15日(木):競馬学校の国際厩舎で輸入検疫が開始される。(ワクチン接種の証明書は添付されておらず、また11月5日に採取された血清についての
抗体陰性の証明書が添付されていた) 11月19日(月):抗体検査により陰性が確認されないため、再度の採材が行われた。さらにワクチン接種歴について
問い合わせたところ、ブリーダーズカップ出走後の10月27日に米国で獣医師によりEVAワクチンが接種されたとの証明書が確認された。
11月20日(火):動物検疫所から、ディラントーマスは馬ウイルス性動脈炎の抗体検査で陰性を確認することができないという連絡を受けた。

以上の結果、ディラントーマスは、日本へ入国するために必要な諸検査において、馬ウイルス性動脈炎の抗体検査で陰性が確認できなかったため、日本とアイルランド
両国間の衛生条件を満たすことができず入国が許可されず、ジャパンカップに出走できなくなった。馬ウイルス性動脈炎とは、家畜伝染予防法により届出伝染病に
指定されている馬に固有のウイルス性疾患であり、流産を起こすことから馬産国では警戒されている。発熱、発疹、浮腫などの臨床症状が見られるが、軽微なことが多く、
特に急性期を過ぎた牡馬は不顕性のキャリアとなる点が特徴的。この疾病は世界的に広く分布しているが、日本ではこれまで発生はなく、数少ない清浄国。

[ ウインクリューガー種牡馬入り ] 「左前屈腱炎」全治9ヶ月の診断が下されたウインクリューガー。今週、月曜日に松元茂樹調教師が小松温泉牧場へ行き、
状態を確認、現役引退を正式に決断しています。松元茂樹調教師は「若い馬だったら再起に賭けるところですが、クリューガーはもう7歳。ここは残念ですが、引退を
決断しなくてはならないでしょう。厩舎にGIという大きな勲章をもたらしてくれて、その後、障害も含め最後まで頑張ってくれた馬ですから、今は心から
『ありがとう、お疲れさま』と言いたいですね」とクリューガーに温かい言葉を贈っていました。さて、気になるのは、クリューガーの今後についてですが、
まず第一に、種牡馬の道を探しました。しかし、GIは勝っているものの、それ以降の成績から、どこを当たってもいい返事はいただけませんでした。そんな中、
株式会社荻伏ブリーディングシステムから「無償であれば、種牡馬としてやってみたい」という申し出がありました。もちろん、売却という形で出資会員の皆様に
還元することがベストではありますが、クリューガーの今後を考えると、無償で譲渡という形でも種牡馬にしてあげるのが最良の選択と考え、この申し出を
受諾しました。なお、クリューガーは本日20日付けで中央競馬の登録を抹消、繋養先である日高スタリオンステーションへ明日21日に出発する予定となっています。
出資会員の皆様には、今まで永きに渡りご声援をいただきましたことを、心より感謝いたします。本当にありがとうございました。そして、今後もクリューガー、
そしてクリューガーの子供達に、引き続きご声援をいただきたいと思います。なお、引退通知書はJRAの見舞金が確定する約1ヵ月後にお送りさせていただきます。

[ 須田鷹雄 回収率向上大作戦:ディラントーマスの取捨は? ] 今年のジャパンC、話題はなんといってもディラントーマスの参戦である。競馬ファンも昭和の頃ほど
ウブではないだろうが、それでもこのクラスの馬が来たとなると、やはり心躍るものがあるのではないだろうか。しかし、馬券の中心にできるかというと、個人的には躊躇
していまう。血統的に日本の馬場はけっこう合うのではないかと思うが、ローテーションが不安すぎる。今年既に9戦を消化しジャパンCが10戦目というのももちろんだが、
この馬はシーズン終盤にトーンダウンして終わるタイプにも見える。2歳時のレーシングポストT、3歳時のジョッキークラブゴールドC、そして今年も既にBCターフで負けて
いるわけで、流れで考えるとジャパンCも同様になっておかしくない。そしてまた、オブライエン厩舎の一流馬には似たようなタイプの馬が多いようにも思える。現役馬では
イェーツがシーズン最終戦に弱い(遠征下手もあるかとは思うが)。早い引退で1シーズン限定の話になるがガリレオ、ブラックミナルーシュ、ホークウイング(3歳時)、
オラトリオといったところも戦歴としては近い傾向にあった。2着ないし3着に踏ん張っているのでトーンダウンしたなどと言われる筋合いは無いかもしれないが、
ロックオブジブラルタル、ジャイアンツコウズウェイ、アレクサンドローヴァなども、それまでのG1における勝ちっぷりと比較した場合、若干トーンダウンしたと評することも
できるだろう。全体的に見て、オブライエン厩舎のシーズン最終戦、特に遠征というのは危険な香りがする。まして今回は後から付け加えられた「続・最終戦」である。
もちろん同厩舎にも例外的な存在はいて、ハイシャパラルは3、4歳時とも凱旋門賞3着→BCターフ1着(4歳時は同着)だった。それでも広い視点で見ると、
今回馬券上の食指はあまり動かないところである。 ※ディラントーマスは出走を回避しました。 須田wwwwwwwwwwwwwwwww

2007年11月20日(火)20時19分35秒