[ マケイン氏共和党候補に ロムニー氏撤退でほぼ確定 ] 米共和党のロムニー前マサチューセッツ州知事は7日、大統領選の候補選出プロセスである予備選から撤退
すると表明、これで、マケイン上院議員が同党指名候補になることがほぼ確定した。予備選戦線に残るハッカビー前アーカンソー州知事は、獲得代議員数でマケイン氏に
大きく引き離されている。マケイン氏は同日の演説で、民主党の予備選候補、クリントン、オバマ両上院議員が唱えるイラク駐留米軍の段階的撤退論を批判し、共和党の
結束の重要性を訴えた。マケイン氏は9月初めの同党全国大会で候補に正式に指名される。それまでに副大統領候補を選ぶほか、移民問題などで自らに批判的な
共和党保守層の支持固めも急ぐ。マケイン氏は演説で、「小さな政府」「減税路線」「強固な防衛」を掲げ、イラクからの段階的撤退論を「政治的ご都合主義」と切り捨て、
撤退については現地司令官の判断を尊重するとした。「クリントン、オバマ両氏は核の野望を持つイランの脅威を認識していない」とも語り、イランの核問題にも厳しく
対処することを強調した。アジア政策には触れなかったものの、昨年末の米外交専門誌フォーリン・アフェアーズでの論文では、台頭する中国への対処を「重要課題」と
位置付けて日米同盟重視姿勢を示し、日米とオーストラリア、インドの4カ国による「安全保障パートナーシップ」を構築する構想も明らかにした。有力大統領候補の中では
唯一、日本人拉致事件に触れ、北朝鮮との交渉で弾道ミサイルの問題に加え、拉致事件も考慮に入れると言明している。ロムニー氏は7日の演説で、「マケイン氏とは
多くの問題で同意できない点はあるが、イラク戦争や国際テロ組織アルカーイダの排除などでは一致する。党のため、国のため身を引くときだ」と撤退理由を説明した。