2008年02月25日(月)ハイエッセンス

[ 柏木集保 重賞レース回顧:フェブラリーS ] ドバイ遠征を前にした注目のヴァーミリアンが囁かれた不安を一掃、これで国内のGI格のレース5連勝となった。昨年の
ドバイワールドCは4着とはいえ、勝ったインヴァソールに2.6秒も離された完敗。しかし、あのあと明らかにパワーアップしている今年、もし連続の遠征がかなえば
2分02秒6にとどまった昨年よりずっと中身の濃いレースが可能ではないか、の期待があった。それにはただパワーアップというだけではなく、ドバイのナルアルシバ向きの
スピードの持続力を示す必要がある。そこで、フェブラリーS・1600mではその勝ち方、レース運びにも豊かなスピード能力を前面に出して欲しかった。結果は、十分にその
期待に応える好内容だったろう。午前中の激しい風こそ収まってはいたが、それでも全体に少し時計のかかるコンディションの中、1分35秒3の勝ち時計は悪くない。快速の
ダート巧者がいて飛ばしたわけではなく、全体にバランスを失わない流れで、もっとも遅い1Fが12.4秒。東京のマイル戦だから前後半の差はあっても、速めの平均ペースと
していい。一昨年のフェブラリーSでも自身の前半の1000m通過59.0秒をそう無理なく記録していたヴァーミリアンは、その当時は粘るだけで精一杯だったが、今年は楽々と
59.1秒の流れを追走し、なおかつ自分でスパート。ワイルドワンダーが並びかけてきてもまったく動じることなく突き離した。最後の1Fもバテることなく12.1秒。本質は
スピード系ではないか、とも思わせる豊かなスピード能力を示すことに成功した。1600mを楽々と1分35秒3で乗り切ったことにより、今年のヴァーミリアンはうまくすると、
01年のドバイワールドCを2分00秒9でキャプテンスティーブの2着したトゥザヴィクトリーと同じくらいのレースが可能ではないか、の展望が広がった。もちろん、相手も流れも
異なるが、期待は大きく高まる。昨年に続いて2着のブルーコンコルドは、1600mならめったに崩れないマイラーのトップであることを改めて示したから見事。2000m級に
なると脚の使いどころが難しいが、これでワイルドワンダーには昨年10月の南部杯に続いて先着を許さなかったことになる。ベテラン、まだまだ衰えはない。そのワイルド
ワンダーは素晴らしい手応えで一度はヴァーミリアンに並ぶところまで行ったが、あと1Fで鈍った。前回の根岸Sで激走の反動は表面的には見られなかったが、マイルでは
脚の使いどころが難しく、ベストは1400mなのかもしれない。ジャパンCダートでヴァーミリアンと接戦のフィールドルージュは、その後の充実ぶりから今回は逆転も…
と思われたが、残念なことにスタート直後に脚をぶつけるアクシデント。出血を見て横山典騎手が止めるしかなかった。あまりにも残念だったが、骨や腱には異常はないと
診断されたといわれるので、早期の復活に期待したい。ロングプライド、ドラゴンファイヤーの4歳勢は、前者は出遅れ、後者には急な馬体重減などの不利もあったが、
今回に限れば迫力負けの印象があった。やがて、来期のこのGIでは主役になる馬として期待したい。しかし、ダート界には逸材が次々と現れる時代になったのか、今年の
3歳世代には素晴らしい馬が連続して現われつつある。3歳のダート重賞が中央にも公営にも、この時期に少なすぎるという声が出てきた。(2008年02月25日)

そうだな。今回のフェブラリーステークスでフィールドルージュの馬券を買っていた人間はいずれ訪れる再戦の機会でまた取り戻せばいいだけの事。今は休め。
だがその実力はまだまだ万人が認めたわけでも無いと言う悲しい話も待っている。まずは怪我が癒えてから。競馬って本当に分かりませんね。そう思った今回の出来事。
正直勝ったヴァーミリアンに関してはあまり褒めていなかったな。関係者の方々へ、おめでとうございました&むしろこれからの方が更に高い山を登る事になります。
と言う風にして変な言い回しではあるがその状況を伝えておきましょう。正直「フィールドルージュが無事だった(多少の怪我はあったが)」事の方が俺には大きい。

2008年02月25日(月)23時26分38秒