[ オバマ贔屓丸出しニューヨークタイムス、マケインのオバマへの返答記事掲載を拒否 ] アメリカメディアが民主党の大統領候補であるバラク・オバマ贔屓なのは
周知の事実ではあるが、仮にもジャーナリストを気取る大手新聞は多少は中立を装うくらいの努力はするものだ。ところがニューヨークタイムスときたら、オバマ
贔屓を露骨にして恥とも思わないようだ。それどころか積極的に共和党のジョン・マケイン候補の政策にまで口出ししようというのだから呆れてものが言えない。
事の起こりは、ニューヨークタイムスにバラク・オバマの "My Plan for Iraq" (私のイラク計画)という記事が意見欄に載ったことから始まる。私はまだちゃんと
読んでいないのだが、これには共和党候補のマケインに対する批判もかなり含まれていたという。当然ジョン・マケインはオバマの意見に返答する記事を意見欄に
載せることを要求した。中立を守るニュースメディアなら片方の候補者の意見を載せた以上、それに対抗する競争候補の意見も載せるのが筋というものだ。ところが
何とニューヨークタイムスはこの要求を拒否したのである。これについては保守系ブロガー及び、他のメディアからもかなりの批判が集まったが、本日ニューヨーク
タイムスはマケインのオバマへの返答記事を拒否した理由を説明した。驚くべきことに、この説明のなかでNYタイムスのデイビッド・シップリー編集長は同紙が
マケインの返答記事を拒否したのは、同紙がマケインのイラク方針に賛成できないからだとはっきり認めてしまった。普通、新聞社の意見は社説で述べられ、
その反対側の意見欄のページには社説とは反対意見の記事も載せるというのが新聞の常識となっている。ところがニューヨークタイムスは意見欄に同紙の社説に
反対する意見は載せないと言い切っているのである。金曜日、マケインの選挙事務所に当てたメールのなかで、同紙の意見欄編集長のデイビッド・シップリーは
マケインの事務所が公表した意見を現在の内容では受け入れることは出来ないと語った。しかし別の内容のものなら受け入れるとした。マケイン事務所が公表した
メールによると、シップリーはマケインの記事には「明確な軍隊の規模、撤退時期とイラクの協力の確かな目安を含んだ勝利獲得の計画が表示されていなければ
ならない。そしてその内容には上院議会のアフガニスタンに関する政策がどのようにイラクとの計画とかかわりあるのか詳細に説明されていなければならない」
とある。つまり、ニューヨークタイムスは、「マケインがニューヨークタイムスの外交政策に同意すればマケインの意見を掲載してやってもいいよ」といって
いるのだ。そしてニューヨークタイムスの外交政策とは、要するにオバマのいう現場の事情がどうあれ何が何でも期日を決めて軍隊を撤退させるというものだ。
新聞が中立で公平でなければならないという法律はない。これまでもメディアの左より傾向に関してはカカシも何度も書いてきたとおりだ。しかし今までは、
主流メディアは自分達は中立だと言い張ってきたし、それなりに中立に見えるように外面だけはなんとかつくろってきたものである。だから不公平だという批判を
避けるために嫌々ながらも、双方の候補者の意見を載せるくらいのことはしてきた。ところが、今回の選挙ではニューヨークタイムスは公平を装うことすらもせず、
完全にオバマの選挙運動員になる下がることに決めたのだ。同紙はマケインがオバマに同意しないならマケインの意見は載せないとはっきり言い張ってしまったの
だから、今後ニューヨークタイムスが大統領選挙について何を書こうと、一切信用できないことがこれではっきりした。オバマが大統領になったりしたら、
ニューヨークタイムスはオバマ政権の大本営新聞となるのだろうか?どうりで購読者の数が減るわけである。(苺畑より)
[ マケイン氏「私も演説したい…」 米国内のドイツ料理店で気炎 ] 「私もドイツで演説したいが、大統領になってからでないとね」。米共和党の大統領候補に
内定しているマケイン上院議員は24日、遊説先のオハイオ州コロンバスにあるドイツ料理店を訪ね、ライバルのオバマ上院議員(民主党)がベルリンで行った演説を
皮肉った。オバマ氏が外遊を続ける間、マケイン氏は国内遊説で票固めを試みてきた。深刻な不況に見舞われている中西部の遊説では、経済問題に焦点を当て、
これまで民主党ではクリントン上院議員を支えてきた白人労働者層などの取り込みを図った。話題作りへの配慮として、マケイン氏は25日、コロラド州アスペンで、
訪米中のチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世と会談を予定。「私は一貫してダライ・ラマをたたえてきた」と、会談に期待を示した。(2008.7.25 17:49)
[ オバマ対マケイン、アメリカ国民の印象はいかに? ] アメリカのメディアはあまりにもオバマに焦点を当てすぎているので、民主党候補のバラク・オバマの
ほうが共和党候補のジョン・マケインよりも優勢なのではないかという印象を受けるが、実はそうでもない。リアルクリアポリティクスによると、46.6:42.6で
多少オバマが優勢だが、今の時期でこの程度の差ならマケインはかなり有利だ。なぜなら、こういう世論調査では大抵の場合、民主党が有利な結果が出るのが
普通で、実際に蓋を開けてみると共和党が勝つというケースがすくなくない。だから民主党が共和党より圧倒的に有利だとするなら、せめて9%くらいの差をつけて
優勢でなければならないのだ。これだけメディアに支持されて無料宣伝までしてもらって4点くらいの差ではオバマはマケインよりも優勢とは全く言えない状態に
ある。さて、この間ヤフーとAPが合同で行なった別の世論調査で、マケインとオバマについて二人の名前を聞いたときに思い浮かぶ言葉を選んでくださいという
調査が発表された。この調査は1759人の大人を対象に6月13から23日にかけて行われ、一人の人がいくつもの言葉を選んでいいことになっていた。
誤差の範囲はプラスマイナス2.3%ポイント。下記はそのパーセンテージ。この調査でのジョン・マケインの第一印象が「年寄り」でオバマが「変化」というのは
ちょっと良くないが、それ以外はオバマから受ける印象はそれほど良くないということがわかる。特にオバマが「不正直」「好きになれないタイプ」と答えた人が
結構いるのには驚いた。それに比べてマケインは「実績」があるとか「道徳的」とか「正直」と答えた人が多いのも面白い。マケインは自分が歳がいってるぶんだけ
経験豊かで実績があるという路線で進んでいけば、決して歳がいっていることはマイナスにならない。ロナルド・レーガンがやはり歳の話が出たときに「私は
競争相手の未熟さと未経験について攻めないと約束します」などと冗談を言ってすっかり国民の心を得てしまったことがある。マケインもこの手を使うべきだろう。
多少ではあるが、マケインがそういう演説をしていることはしている。オバマのほうは、ワシントンに長年いるプロの政治家ではなく、外部からきた新鮮な息吹で
あるという印象を国民に与えたいわけで、それは今のところ成功している。だが、実際にはオバマは昔ながらのリベラルで左翼としてはなんの変化もないバリバリの
内部者なのだ。オバマがヒラリーよりも有利だった点は、すでに国民はヒラリーという人間を知り尽くしていたため、新人のオバマへの期待度に勝てなかったと
いうことだ。オバマはなんといっても未知数。支持者たちは自分達の理想をオバマに期待しているだけで、実際にオバマがその期待に応えられるという保証は
全くないのだ。マケインがオバマの正体をひとつづつ暴露していけば、オバマの新鮮なイメージは吹き飛んでしまうことだろう。