2008年08月07日(木)水曜のアンカーは他の曜日より視聴率が高い。

青山繁晴「はい。あの、えーと、この動きを受けてですね、日本側で捜査に携わってきた関係者、それから官邸、外務省の人々、こういう複数の政府当局者に話を
聞きました。で、それを全部総合して、今、お話ししたいと思うんですけど、全体の動きをですね。で、今、岡安さんが話してくれた経緯で言うとですね、その1月末に
被害が発覚して、2月に入ってから、最初、日本と中国の捜査の協力はだいぶ進展したんですね。その過程で、この番組ではっきり申しましたけれども、中国の
警察当局、現地の警察が、元従業員の複数を容疑者として身柄を拘束したということが、日本側に伝えられた。で、日本側の警察はそれも踏まえて、日本国内で
混入した可能性は極めて低い、もちろんその、科学鑑定の結果を踏まえて、そのように述べた後に、2月末に、2月28日でしたが、中国は突然、いや、日本で
混入したんじゃないかということを、示唆する発言をしたわけですね。で、その直後に、福田総理が『中国は非常に前向きである』ということを発言されて、
で、それに対して政府内からいわば怒りの声をあげたのは、警察庁長官の吉村博人さん、ただ一人でした。警察庁長官はいわば総理の発言に対して、事実上、
怒りやそういうその、そのまま受け入れられないって気持ちを表現するっていうのは誠に異例なことで。ま、それだけ日本の警察当局の衝撃が大きかったわけです。

で、その後、今、岡安さんから、半年間動きがなかったっていうお話出ましたけど、その通り、見かけは動き、なかったんですけど、ずーっと日本の捜査当局、
警察側は中国に対して、その逮捕したという容疑者は一体どうなったのか、で、科学鑑定もフェアに行ったので、日本で混入された可能性は実際はないんだと。
このままでいいわけがないってこと、ずっと伝えてきた。そして、さっき言いました複数の政府関係者によると、これはもう警察がいわば孤立してやってきて、
で、外務省ははっきり申すと、全然動かなかった。ところが首相官邸にただ一人、福田さんじゃなくて町村官房長官、いや、町村さんについては僕、番組でも
厳しいこと、いくつも申しました。つまり、たとえば竹島の問題についての発言など、厳しく申しましたけど、この件については町村さん、比較的中国に厳しい姿勢を
貫いて、このままで済むわけがないということを警察にも伝えて、いわば日本の警察にとっては町村さんが、唯一の、ま、頼りになって、ずーっと中国側との
水面下の接触を続けてきた。で、日本の警察と首相官邸の間の1本の細い糸が、そこで何とかつながってたと。で、その中で中国がついにその新しい事実というのを、
今、出てるようにおよそ1カ月前に伝えてきた。で、ところがそれ、公表されなかったのはどうしてですか?と、今日、僕、突っ込んでいろいろ聞きましたけど

それに対する答えはあんまり明確じゃなかったけども、全体から浮かび上がるのは、やっぱり福田さんが止めてたと。

はい。総理が止めてたと。で、しかしその後、だからと言ってみんながあきらめたわけじゃなくて、サミットでの日中首脳会談はそのまま過ぎてしまったけども、
明後日、北京で日中首脳会談が再びある。『総理、この時にこそ、あの毒ギョーザ問題をうやむやにするんじゃなくて、日中の捜査、もう一回やりましょうってことを
言って下さい』っていう働きかけは町村さんからもあって、それで昨日、一部新聞に官邸側からリークがあって、それで今朝の朝刊に出たと。それがその全体像。
で、あの、もちろんこれ福田さんご自身に確認とれてませんから、絶対真実だとは言い切れませんけど、外務省の内部の人も含めてね、複数の話が一致してるんで、
だいたい真実に近いんじゃないかなと思ってます。あの、福田さんがまた突然変心しない限りはね、心を変えない限りは、その北京オリンピックの開会式の時の
日中首脳会談で、この件が出るはずなんです。で、そうするとね、たとえばオリンピック終わった後に、日中の捜査協力がもう一回復活して、その、いったん
逮捕したはずの容疑者が一体どうなったかも含めて、出るかもしれないし、また中国側が全然違うことを言うかもしれない、というのが今の現状ですね。」

青山繁晴「うん、まああの、今、室井さんが言ったことも含めて言うと、特に選手はね、もうテロの恐れなんかよりも競技に専念してほしいと思いますけど、
テロの脅威がこれほど高まっているオリンピックっていうのは、過去ないですよね。オリンピックは過去、テロに何度もやられてるんですけど。で、その大きな理由、
簡単に言うと3つあってですね。1つは中国が情報を閉じてるから、他の国からテロ情報がなかなか入ってこないということがありますし、もう1つは北京に非常に
警備が集中してるってことがあります。で、もう1つね、特にウイグル人に対して、たくさん、こう、明らかに無実じゃないかと思われる人まで予防的に拘束したりね。
ひょっとしたら、逮捕状もなく拘束してるんじゃないかと思われる例があって、それが逆効果になってて。で、実は今から、そうです、20分ぐらい前、その、
本番直前にですね、ウイグル人の方からお電話をいただきまして、で、そのお電話、ちょっと言っときますとね。今回、今、豊田さんが言われたカシュガルでの
テロについて、テロだテロだというふうにね、中国側が発表して、それを日本のメディアはそのままいわば垂れ流してるけれども、しかし、よく考えて下さい。
警察官を確かに襲ったかもしれない。襲ったけれども、しかし民衆は狙ってませんと。だから一般民衆を巻き込んだテロとはやっぱり一緒にしないでほしいと。
で、中国国内ではウイグル人だけじゃなくて、漢人も警察署を襲撃してる事実があって、そうすると単にウイグル人だけが悪いっていう話じゃなくて、中国の
政治自体に問題があるんじゃないかっていうことを、やっぱりまっすぐ見てもらいたいという、お電話がありました。もちろん中国側は反論あるでしょうけど、
僕はこの電話の中にずいぶんフェアな部分は含まれてると思います。但し、警察官であっても人の命ですから、テロ自体は絶対に許すことはできませんけれども、
今回の五輪は、ま、そういう側面は否定できないですね。はい。テロに狙われてるオリンピックというのは否定できません。」

2008年08月07日(木)04時20分31秒