2008年11月13日(木)鮮やかな旋律

[ 広島・高橋、涙のFA申請手続き ] FA権を行使しての米大リーグ挑戦を表明した広島の高橋建投手(39)が13日、広島市民球場内の球団事務所を訪れ、FA宣言に
必要な書類を提出した。19日にFA宣言選手として公示され、20日から国内外すべての球団と交渉が可能になる。高橋は「初めての経験だし、期待と不安が半々。
やればできる、というところを見せたい」と話した。岡島らの交渉役を務めたグリーンバーグ事務所と代理人契約を結んでおり、「(球団を選ぶにあたって)ぜいたくは
言っていられない。僕自身が対応していかないといけない」と語った。高橋にはカブス、パドレス、ブルワーズなど、数球団が獲得に興味を持っているとみられる。

「10月の球団カレンダー、カープは建さん、オリックスは菊地原という事実」「「それは偶然なんかじゃない。必然なんだ・・・」と菊地原」
「と言いながら、乳首が疼いてくる菊地原」「練習用Tシャツの上からも勃ち具合が鮮明な菊地原」「トヨタ自動車の北米市場に於ける将来展望を、ブラウン監督と
英語で議論する高橋建」「建さん…辞めないで〜」「と顔をくしゃくしゃにして涙ながらに抱き付く菊地原につい「う、嘘だもん」と泣きながら抱き返す高橋建」
「カープカレンダーで「来年の開幕時にはカープにいなさそうな人」枠に入れられている高橋建」「『とつか再開発くん』の余りのゆるさに涙が止まらない高橋建」
「いよいよアメリカへ旅立つ事になったので、菊地原を元宇品の波止場に呼び出す高橋建」「週べで菊地原と同じ号に載ったのに気づいていない高橋建」
「自分の記事がヤフーのトップにきたので、PC画面の横でVサインを出して記念撮影する高橋建」「その写真の焼き増しを涌井に頼んで貰う帆足」

[ 喘息もバッターも気持ちで抑える! ] 二宮:今季は8勝をあげ(9月末日現在)、オールスターにも出場しました。その要因は? 
高橋:うーん、自分でもよくわからないのですが、低めを丁寧にしつこく突けていることが結果につながっているのではないでしょうか。 
二宮:夏場に弱いというイメージがこれまではありましたが、今シーズンはそれもありませんでした。 
高橋:今まで夏場は体力面でどうしても不安がありました。ただ、マーティ(・ブラウン)が監督になって以降、試合に全力投球ができるよう、練習面でも
配慮してもらっています。ベテランになったということもあるのでしょうが、うまく試合に向けて調整できています。今年の夏は「暑い、暑い」と口にも
出さないようにしていたんです。メンタルの面で負けないようにと。 二宮:そんな高橋さんが喘息とは意外でした。症状が出始めたのはいつ頃ですか? 
高橋:はっきりとは覚えていないのですが、小学校に入学した頃です。呼吸ができなくて、本当に苦しい。子ども心ながら、このまま死んじゃうんじゃないかと
思いました。 二宮:病院に行ったら、「喘息だ」と? 高橋:そうですね。僕は出身が神奈川県で、小児専門病院に通っていました。ただ、発作がしょっちゅう
出たわけではないので、体力をつけるためにスイミングの練習に行っていました。 二宮:発作が頻繁に起こる時期はありますか? 高橋:やはり季節の
変わり目ですね。今でも注意しないと出てしまいますね。 保澤:喘息症状の方は、外からの刺激に対して敏感ですから、気温や気圧の変化、環境の変化は
気をつけなくてはいけない要素です。 二宮:練習中や試合中に喘息の症状が出たことはありますか? 高橋:高校時代は、ヒーヒーいいながら試合に投げたことも
ありました。プロに入ってからも3、4回ありましたね。キャンプ中に発作が出て、練習を休んだこともありました。最近でひどかったのは2年前。中継ぎの役割を
与えられていたんですけど、2週間くらい登板できませんでした。1軍にいながら別メニューでの調整を余儀なくされました。 二宮:野球を始められたのは
いつ頃? 高橋:小学校4年生からチームに入りました。2、3カ月に1回のペースで発作が出たので、練習を休んだりした時期もありましたね。 
二宮:喘息のお子さんが、スポーツを行う上で注意しなくてはいけない点は? 保澤:喘息は気道の慢性疾患なので、調子がいいと思っていても急に何かの
きっかけで症状が悪化することがあります。日常生活は問題なく過ごせていても、呼吸機能の検査をすると、数値が標準より低い可能性があります。ですから、
症状が出ているときには、その程度に応じた練習にする必要があります。でも、その点に留意していただければ、他の子どもたちと同じように運動していただいて
構いません。喘息だからといって、スポーツをしてはいけないわけではありませんし、選手になることをあきらめる必要はありません。 二宮:それでも
高橋さんは、高校が後に松坂大輔(レッドソックス)を輩出した横浜高校、大学は拓殖大学、社会人は古田敦也(前東京ヤクルト監督)らをプロに送り出した
トヨタ自動車と名門どころを歩まれてきました。喘息がプレーする上でハンデと感じたことは? 高橋:ハンデと感じてはいません。アマチュアでは練習が
休めるという“メリット”もあったのですが(笑)、プロはそんな甘い世界ではありません。しかも今ではドーピングも厳しくなりました。治療薬に含まれる
ステロイドは禁止薬物*に指定されています。喘息だとトレーナーを通じて報告しているとはいえ、治療薬を処方されたら申告しなくてはなりません。
(喘息治療を目標とした吸入ステロイド薬および一部の吸入β2刺激薬の使用は、競技団体に略式TUE申請を提出すれば使用が可能になります) 
保澤:きちんとした手続きを踏めば、ドーピング検査でひっかかることはありませんが、年々、基準は厳しくなっています。まずは発作を起こさないよう、
しっかりと予防的治療を毎日続けることが重要になってきますね。 二宮:プロに入ったときに不安はなかったですか? 高橋:いや。自分のパフォーマンスさえ
出せれば、やっていけるという自信はありました。ただ、喘息にしろ相手チームと戦うのにしろ、精神面で弱みを見せるとダメになってしまう。それはつくづく
感じています。 二宮:喘息の症状を抱えているだけに、「負けないぞ」という思いが強い? 高橋:すべては「気」から始まるんでしょうね。気持ちが折れると
痛い目に遭う。そういう弱さを出さないように出さないように、心がけています。 二宮:高橋さんは現在39歳。先輩投手といえば工藤公康投手(横浜)、
山本昌投手(中日)、下柳剛投手(阪神)……。サウスポーが多いですね。 高橋:僕も右投げだったら、もうこの世界にはいなかったかもしれないですね。
絶対数が少ない分、球威は衰えてもテクニックで相手を抑えられる可能性は高いと言えます。 二宮:40歳を目前にすると、喘息もそうですが、体力の衰えとも
戦わなくてはいけませんね。 高橋:ローテーションを守って先発する分には、昔と変わりありません。ただ、試合で最終回あたりまで投げると、若い時期より
もうひと踏ん張りがきかなくなった感じはしています。 二宮:一方でベテランになると、精神面のコントロールは磨かれてくるのでは。 高橋:若い投手に
比べると、マウンドに上がって考えている内容が多いと思います。どんな状況でも選択肢を持てるようになりました。昔はカッカくるタイプだったんですけど(笑)。
二宮:現在は何か喘息の治療をされていますか? 高橋:いや、特にはしていないんです。昔から悪くなると病院に行く程度で、発作をで抑える吸入薬などは
あまり使ったことがありません。2年前に発作が出たときには、お医者さんから毎日使用するように吸入薬を渡されましたが、あまり効果が分からなかったんですね。
保澤:高橋さんが渡された吸入薬は、喘息の基本的な病態である気管支の炎症をやわらげる最も重要な治療薬です。この薬はすぐに効いてくるタイプではないので、
吸ったその場で効果が実感できないのですが、毎日続けることで発作を出にくくする力を持っています。これとは別に、今おきている発作を抑えてくれる吸入薬も
あります。これは使ってすぐに効果を実感できるのですが、調子の悪い時に使って一時的に苦しさに対処しても、喘息そのものがよくなっているわけではありません。
効いている実感はないかもしれませんが、炎症をやわらげる吸入薬を症状がなくても毎日続けることが大事なのです。2年前の高橋さんは、気管支を拡げる薬との
併用が必要だったかもしれませんね。最近は、炎症をやわらげる効果と気管支を拡げる効果の両方を兼ね備えた吸入薬が出てきています。 二宮:かかりつけの
お医者さんは? 高橋:もし発作が出たら、球団を通じて病院に行けるようにはしてあります。 保澤:今までのお話を伺っていると、高橋さんに発作が出た時は
かなり重い状態になっているようです。その前段階として、少し胸苦しいとか、のどにひっかかるとか、軽い症状が出ていると思うのですが。 高橋:気管の調子が
悪いのはしょっちゅうです。今もそうですね。 保澤:呼吸にストレスを感じるということが、一種の喘息症状です。ですから、この時点で治療をしておくことが
大切ですね。 二宮:ここで喘息コントロールテストを高橋さんにもやっていただきましょう。 高橋:<この4週間に、どのくらい息切れがしましたか?>。
試合中は関係ないですか? だいたい7回くらいになると“息切れ”しているんですけど…もうアップアップって感じですかね?(笑) 保澤:診断の結果は
25点満点中22点ですね。もう一息といったところでしょうか。 二宮:奇しくも背番号(22番)と同じ点数ですね(笑)。 高橋:できれば25点にしたいですよね。
他の患者さんがどのような感覚なのかはわかりませんが、やはりのどにひっかかることは確か。それが喘息だという自覚がないだけで、他人より気にしていることは
事実なんです。 二宮:先程、喘息を予防することが大事だという話が先生からもありましたが、何か日頃から気をつけられていることは? 高橋:僕は
「病は気から」だと思っています。小さい頃から「明日、病院に行くよ」という日に限って発作が出ていました。ですから、まずは気持ちをしっかり持つ。
これが大切だと考えています。今はかみさんが布団を干したり、気をつけてくれている部分が大きいですね。 二宮:喘息の患者さんが30代後半から40代と
年齢を重ねていく中で留意すべき点は? 保澤:残念ながら喘息は慢性の気管支の病気なので、完全に治すことは難しいのですが、症状が出ないように
コントロールすることは可能です。そのためにも症状が出た時だけでなく、調子が良い時にも治療をきちっと続けて、さらに一段、二段いい状態をキープすることが
大切でしょう。高橋さんの場合、少し息苦しいとか息がひっかかるという喘息の状態が当たり前になっていて、さほど気にされていないようですが、今感じている
ひっかかりがなくなれば呼吸機能が上がって、もっともっとパワーが出るはずです。おそらく45歳まで現役で投げられますよ。 高橋:佐々岡(真司)さんが40歳で
去年、現役を引退されたので、それを超えることが今の目標です。現在、40歳を過ぎて現役を続けている方は、工藤(公康)さんにしろ、(山本)昌さんにしろ、
200勝以上をあげている。そういったピッチャーに年齢だけでも近づけることはうれしいですね。あまり先のことまで考えるのではなく、「1」という数字に
こだわって1年1年、1日1日を大事にしていきたいですね。 二宮:さて、今年は市民球場のラストイヤー。感慨深いものもあるでしょう。 高橋:プロ入り
以来10年以上、ホームとしてやってきた球場ですからね。フェンスぎりぎりに入るホームランに悔しい思いもさせられてきましたが、やっぱり外の球場は
プレーする側もお客さんも気持ちがいい。歴史のある球場だけに寂しい思いがあります。 二宮:神宮球場のようにフェンスを10メートルくらい後ろに下げたら、
この場所でできるかもしれない(笑)。 高橋:それは毎年、ピッチャー陣から要望として出ていました(笑)。最後の最後にホームからフェンスまで、
本当の距離を測ってみたいですね。両翼91.4メートルと書いてあるのですが、それより短い気がするんです(笑)。昔、満塁の場面でジャイアンツの村田真一
(現バッテリーコーチ)さんの思いっきり泳いで打った当たりが、ヘナヘナヘナと上がってポテッと入ったことがあります。リリーフで打たれたので申し訳なかった。
今でもよく覚えているホームランですね。新球場は両翼が広くなりますから、うれしいような寂しいような(笑)。 二宮:では最後に喘息の患者のみなさん、
関係者の方々にメッセージを。 高橋:僕は喘息で夜中に両親を何回も起こしたりして、すごく迷惑をかけました。でも、子どもにしてみれば親しか頼る人がいない。
まずはお父さん、お母さんが根気強く治療に取り組んでほしいと思いますね。僕はまずは気持ちでこの病気を克服しようとしていますが、みなさんにも、喘息に
負けないで頑張ってほしいですね。 保澤:喘息は克服できる時がいつか必ずやってくる。そのためには病気に負けない気持ちも、日々の生活での節制も大切です。
その上で、我々の扉をノックしていただいて、適切な治療を受けていただきたいと願っています。今は症状に合わせて、さまざな治療法がありますから、どんどん
取り入れて、まずはこれまでとは違う、より(呼吸が)ラクな世界を多くの方に実感していただきたいものです。決して、これ以上、良くならないと思わないで
いただきたい。もっともっとパワーアップした日々が送れるということをみなさんに知ってほしいと思います。(Zensoku.jp 二宮清純のゼンソク人間学)

2008年11月13日(木)15時20分04秒