[ 神戸製鋼が選挙資金肩代わり 地方選2700万円 社長と会長辞任へ ] 神戸製鋼所(神戸市、犬伏泰夫社長)は10日、同社の現役社員やOBで地方議員を
務める5人の後援会に対し、人件費や物品代など総額約2700万円を肩代わりしていたと発表した。特定の候補者への寄付を禁じている政治資金規正法に違反する
恐れがあるという。犬伏社長と水越浩士会長は問題の責任をとり、3月末で辞任。新社長には佐藤廣士副社長が就任する。犬伏社長が同日、本社で記者会見を開き、
明らかにした。神戸製鋼は平成18年に煤煙(ばいえん)のデータ改竄(かいざん)問題を起こし、再発防止に取り組んできたが、新たな不正発覚は信頼失墜とともに、
経営への大きな打撃となりそうだ。同社によると、後援会の費用を肩代わりしていたのは加古川製鉄所(兵庫県加古川市)▽高砂製作所(同県高砂市)▽長府製造所
(山口県下関市)−の3事業所。対象の後援会は加古川市選出の県議、加古川市の2市議、高砂市議、下関市議の計5人の後援会。うち3人が現役社員、2人がOBで、
いずれも労働組合が推薦している。肩代わりされていたのは選挙事務所の設営や事務にかかわる人件費、筆記用具などの消耗品、看板などの物品代。平成13年度
以降の計8回の選挙で行われ、総額は計約2700万円だった。各事業所ごとの金額は明らかにしていない。昨年11月に税務調査の過程で発覚し、調査チームを
立ち上げて調べていた。事業所が発注した物品などが、後援会に直接納入されていたが、伝票の改竄などはなかった。後援会側の会計処理が適切かどうかは
調査しておらず、弁済はされていない。こうした行為は30年以上前から行われていたという。発注などを行っていた2事業所の管理部門の担当者2人は、
9日付で5〜10日の出勤停止処分とした。残り1事業所の担当者は別会社に異動して処分権限がないため、自主的な対応を求めたいとしている。犬伏社長は、
退任を決意した理由について「会社として今回の問題をとらえられなかったことに対する責任を重く感じている」と述べた。今後の対応については顧問弁護士と
協議して決めるという。また、水越会長は、同日夕会見し、神戸商工会議所会頭については退かない意向を明らかにした。(サヨク産経 2009.2.10 21:40)