2009年03月06日(金)ドラマチック東京地検

[ 浮かび上がる矛盾点 捜査で小沢氏説明と異なる「実態」続々 ] 小沢一郎民主党代表の資金管理団体「陸山会」が準大手ゼネコン「西松建設」(東京)から
事実上の企業献金を受けていた政治資金規正法違反事件は、小沢氏が記者会見で潔白を主張したものの、東京地検特捜部の捜査で、その説明と異なる「実態」が
次々と浮かび上がっている。小沢氏は特捜部に参考人聴取される見通しとなっており、複数の“矛盾点”について、国民に対しても、さらに説明責任を果たすよう
求める声が高まるのは必至だ。「政治団体からの寄付という認識だったから資金管理団体で受領した、ということに尽きる」。4日開かれた会見で小沢氏は、問題が
あるとは認識していなかったことを強調した。一方、特捜部の調べでは、小沢氏の公設第1秘書で陸山会の会計責任者、大久保隆規容疑者(47)が西松側と献金額を
毎年2500万円前後にすることを取り決めていた疑いがあることが判明。特捜部は、問題の献金に小沢氏側が深くかかわっていることを示すものとみて調べている。
政治資金規正法は、かつては「形式犯」として身柄拘束を伴わない在宅起訴で処理されるケースが通例だった。しかし、特捜部は今回、西松建設の社員が払い込んだ
資金を同社が賞与で補填(ほてん)するなどの巧妙な「トンネル献金」の悪質性を重視。強制捜査での摘発に踏み切ったとみられる。小沢氏はこの点について、
「この種の問題で、今までに逮捕、強制捜査というやり方をした例は全くなかった。異常な手法だ」と“前例なき捜査”に怒りをあらわにしたが、仮に西松側と小沢氏側が
献金について取り決めていた事実があれば、「政治団体からの寄付という認識」との説明は“虚偽”となる。会見では終始落ち着いた印象だった小沢氏だが、その声が
大きくなった場面がある。献金に対する便宜供与の有無への認識を、記者に問われたときだった。「私や秘書が、相手方に便宜供与や、何らかの利益を与える行為を
伴っていたとするなら、私は甘んじて捜査を受けます。しかし、全くそのような事実はありません」しかし、この点についても、特捜部の調べにより“ほころび”が出て
きている。国土交通省東北地方整備局が平成18年3月に発注した岩手県の胆沢ダムの関連施設工事受注をめぐって、大久保容疑者が口利きした疑いがあることが
捜査関係者の話で分かったためだ。西松建設前社長の国沢幹雄容疑者(70)らも、工事の受注が図られるよう大久保容疑者に頼んでいたことを認め、多額の献金に
より「工事が取れた」と供述しているという。献金に対する「見返り」は、今後の捜査のポイントとなりそうだ。「お金がどういう所から出ているのかというのは、
一般常識からして詮索(せんさく)はしないのが大多数と思っている。みなさまの善意を信じてやっているのが現状」。小沢氏は会見で、「一般常識」という言葉を
交えながらそう話した上、「政治献金は『入り』も『出』もすべて公開している。きちんと処理している」と、自身の順法意識の高さを強調した。記者からは「陸山会
トップとしてのチェック責任」を問う質問があがったが、小沢氏は「細かい一つ一つ(の寄付)について私がチェックすることは、現実問題として不可能」と説明。
謝罪の意向について聞かれると、「おわびする理由は見当たらない」として、謝罪しなかった。だが、献金のチェックをせず、詳細を把握していないにもかかわらず、
「問題がない」として押し切ったのは矛盾ともいえる。特捜部は今後の参考人聴取で、小沢氏にこうした認識をただすものとみられ、改めて会見の場などでも
説明を求められることになりそうだ。(サヨク産経 2009.3.6 01:21)

2009年03月06日(金)02時18分41秒