2009年03月17日(火)何者か

[ オバマ政権が敵視するラッシュ・リムボウとは何者か ] アメリカ政治をどこまで知っているかのテストになるかも知れません。ラッシュ・リムボウを
知っているかどうか、です。オバマ政権のホワイトハウスがこの人物を目の敵のようにまた攻撃し始めたのです。それはいったいなぜなのか。

[ 政敵は著名ラジオ論客? ] 米国のオバマ政権がラジオの政治トークショー番組のホスト、ラッシュ・リムボウ氏を共和党の最高指導者扱いして、正面から攻撃を
浴びせるという異例の言動を取り始めた。その結果、多数のメディアにリムボウ氏に関する報道や評論が連日、大きく登場してきた。同氏はラジオでは全米最大の
聴取者を持つ人気ホストとはいえ、民間の一語り手であり、時の政権が主要な敵とするのは不自然なのだが、その背景にはそれなりに複雑な事情があるようだ。

3月冒頭からオバマ政権の高官たちが公式の場の発言でもリムボウ氏の名をしきりに口にするようになった。ギブス大統領報道官は記者会見で2日連続して
リムボウ氏の名前を挙げて、「いまや彼が共和党や保守派の全国スポークスマンなのだ」と述べ、「その扇動的な言辞は国民を分裂させる」と非難した。
エマニュエル大統領首席補佐官もテレビ・インタビューで「リムボウ氏こそいまや共和党の声であり、知的な力だ」と述べたうえで、「だが同氏の主張は間違いであり、
危険だ」と攻撃した。リムボウ氏は全米メディア界でも抜群に知名度が高い。600以上のラジオ局から毎日3時間、毎週5日もぶっ続けの彼の政治トークには、
毎週平均2000万人近くが耳を傾ける。その基調は徹底した保守主義で「小さな政府」を唱え、オバマ大統領が進める巨額資金投入の景気刺激策や予算案には
激しく反対する。だがそれでもなお民間の一ラジオ論客にすぎず、時の政権が正面から論評することは異常だといえる。その背景の最大要因は、リムボウ氏が
2月下旬にワシントンでの「全米保守政治行動会議」で主要演説をして「オバマ政権は民間への大幅介入で米国の自由と自主の伝統を破壊しようとする」と述べ、
「オバマ政権のそうした政策が失敗することを祈る」と言明したことのようだ。ギブス報道官はこの点をとくに「大統領の政策が失敗すればよいとは国家への挑戦だ」
と糾弾した。第2の要因はいまの共和党側に傑出した指導者がいないことだろう。だから連邦議員でもないリムボウ氏が全米の保守派の支持を受け、共和党を
激励し、誘導する役割をつい果たすようになる。共和党全国委員会のマイケル・スティール委員長がいったんは「リムボウ氏の発言は扇動的すぎる」と批判し、
保守派一般から激しく反発されてすぐリムボウ氏への謝罪を表明したことも、同氏の人気の高さを物語っている。だが第3の要因として共和党側はオバマ政権の
計算された政治戦術を指摘する。リムボウ氏は保守陣営に熱狂的な支持者を多数有する一方、中立派には強烈な拒否反応を示す層も存在する。オバマ政権には、
一般国民のリムボウ氏への拒否を共和党への拒否に重ねさせる意図があるというのだ。ブッシュ大統領の顧問だったカール・ローブ氏は12日の大手紙への寄稿で
「ホワイトハウスはリムボウ氏攻撃で不発」と題して、オバマ政権がアクセルロッド大統領上級顧問らを中心に明確な政治戦術としてリムボウ氏攻撃を決めたのだ、
と記した。オバマ側近たちは景気刺激策への巨額の支出などへの米国民一般の支持が下がり始めたことを懸念して、関心の対象をそらすためにリムボウ氏への非難を
組織的に展開し始めた、というのである。だがその後の世論調査では逆に同氏への支持が増加したという。こうした動きに対し米紙ワシントン・ポストは8日付社説で
「ここ数日、ワシントンはリムボウ氏をめぐる議論に忙殺されているが、経済危機こそをもっと真剣に論じるべきだ」と主張したのだった。(古森義久 2009/03/17 13:19)

おい古森義久。それならもう「苺畑より」のカカシの方が先に記事にしている訳だが。素人にスピードで負ける新聞記者。それがネットクオリティ。

[ 人気ラジオDJオバマ王に挑戦 ] オバマ王は側近らとともに人気ラジオトークショーホストに喧嘩を売り、本日トークショーホストはその喧嘩を買い、反対に
オバマ王に対し、自分のラジオ番組に出演して討論しようじゃないかと挑戦状をたたきつけた。はっきり言って一国の大統領ともあろう人がラジオトークショー
ホストに喧嘩をうるなんて子供じみた真似は止めて欲しいのだが、この素人政治家のオバマ王にそんな常識が通用するはずがない。オバマ王は1月、大統領に
就任早々自分の無駄遣い贅肉だらけの経済活性案に反対する共和党議員たちに向かって「ラッシュ・りンボーなんか聴いていても事は解決しない」と議会で
発言するという大統領らしくない行動をした。ラッシュ・リンボーというのはアメリカではラジオで人気ナンバー1の政治トークショーホストで、その思想は
バリバリの保守派。もともとリンボーはオバマが大統領として成功したらアメリカは社会主義になる、オバマには失敗して欲しいと公言していたので、オバマは
それにかなり頭に来ていたようだ。しかしいくらリンボーが人気者で尊敬に値する人物であったとしても、トークショーホストは所詮は芸能人だ。共和党の
議員たちが一介のトークショーホストごときにアドバイスを受けているという言い方は非常に失礼で、大統領たるものが議員たちに放つような言葉ではない。
カカシがオバマを王様と呼ぶのはこういう他人を見下す行為が目立つからである。しかし、これはオバマが何も考えずにふともらしたせりふではない。それどころか、
オバマのホワイトハウスはラッシュが共和党の顔なのだというイメージを植えつけようと、側近やジェームス・カービルのような攻撃犬を放ってテレビのトークショー
などでリンボーと共和党を結びつける発言を何度もしている。先日、全国共和党委員会のマイケル・スティール会長が「ラッシュはエンターテーナーだ」と
カカシと同じようなことをテレビのトークショーで言って、後から「ラッシュを攻撃するつもりで言ったのではない」と謝った。リンボーはオバマが恩師と仰ぐ
ジェラマイヤー・ライトのような人種差別者ではないが、トークショーホストにありがちな過激な意見も述べるので、そういう人を党の顔にするのは好ましくない。
多分スティール会長はそういう意味で言ったのだろうと思うが、リンボーを馬鹿にするような言い方になってしまったので、そのことを謝ったのだろう。しかしオバマの
ギブス報道官はこれ見よがしに、「スティール会長がリンボーに謝ったことについて、これは共和党がどういう状態にあると言えると思いますか」という誘導質問に、
ほれみろ、ラッシュににらまれたくないから早速謝ってるじゃないかとでもいいたげに、「その謝罪の迅速さには驚かされました」と質問した記者と一緒に
ほくそえんでいた。さて、オバマ王からの度重なる攻撃に対し、当のリンボーはというと「そんなに自分らが正しいと確信しているなら、大統領は私の番組に
出演してはいかがでしょうか。それで一対一でアイデアや政治の討論をするのです。」とオバマ王に挑戦状を突きつけた。ニューディール対レーガノミクスについて
語り合おうじゃありませんか。グアンタナモ閉鎖について話そうじゃありませんか。ハマスに送る9000万ドルについて話そうじゃありませんか。違法移民や
国境付記での無法状態について話そうじゃありません。巨大な負債によって次の世代の将来の機会が破壊されることについて話そうじゃありませんか。ACORNや
地域破壊者たちや公務員を代表する組合があなたの選挙運動に何百万もつぎ込んだことなんかについて、オバマ大統領、話合おうじゃありませんか。こうしたことに
ついてすべて話しあいましょう。大統領、この番組で討論会をしましょう。時間制限なしです。あなたの側近たちが私を共和党のかしらみたいにおだて上げたことを
自奨しています。彼らはこれが大変に良いことだと思っています。だとしたら、この作戦をさらに進めるために、私と討論してこれらの問題の良い点を連ね上げて
私を完全に破壊してはいかがですか?オバマ陣営はラッシュ・リンボーを攻撃し傷つけることで、共和党の信用度も落とそうという魂胆だったのだろうが、政治は
素人ばかりのオバマ陣営とちがって、リンボーはこの道20年の政治評論ベテランである。そうやすやすとオバマやその飼い犬たちに傷つけられるほどヤワではない。
それどころか、かえってリンボーの人気が上がり、もっと多くの人たちがリンボーに耳を傾けるようになったら、それこそオバマ王は困るのではないかな。
オバマ王がラッシュ・リンボーの挑戦を受けることはないだろう。いくらオバマ王がナイーブでもそこまで馬鹿ではあるまい。(苺畑より 3/4)

2009年03月17日(火)18時07分01秒