[ 徒然なるままに ] 私はこの日記を2003年に始める前から、「ピント合わせは中央1点でいい」とカメラ雑誌の座談会などで主張してきた。ライカなどの
レンジファインダーでは中央1点でしかピントを合わせられないし、MF一眼レフも中央のスプリットイメージやマイクロプリズムで合わせるのがふつうだった。画面端の
被写体にピントを合わせたければカメラの向きを変えてピント合わせし、また構え直せばいい。こう言うと、「コサイン誤差はどうする」というおなじみの反論が返ってくる
わけだが、コサイン誤差は限られた条件でしか発生しない。いや、MF一眼レフでは周辺のマット面でピントを合わせたほうがフレーミングし直さなくて良かった、という
意見もあるだろう。しかし、マット面でのマニュアルフォーカス精度はじつはコサイン誤差を超えるぐらい精度が悪かった。多点測距というのはこういう周辺マット面での
MFをAFでシミュレートするものだったのだろう。しかし、多点測距がいちばん役立つのは高速動体を捉える場合であり、この場合には多点測距の自動選択がいちばん
歩留まりがいい。もちろん、ニコンのような3D-トラッキングだとそれがいちばんベストだと思っているが、たいていの多点測距はじつは自動選択がいちばんいいのだ。
そうなると、ペンタックスK-xのように多点測距でスーパーインポーズが出なくてもいいじゃないか、と思うのである。スーパーインポーズはたぶんに安心料みたいな
ものであり、測距点を動かして、人物の目にピントを合わせようとしてもピッタリ合わないことはよくある。そういう場合には、中央1点測距とフレーミングの出し直しが
いちばんだ。まあ、スーパーインポーズがあっても私は邪魔にならないからいいのだが、スーパーインポーズの赤い光が被写体をきちんと見るのに邪魔だという
カメラマンだって世の中にはいるのである。K-xを使うなら、初心者であれば自動選択にすればいいし、ベテランなら中央1点でなんの差し支えもない。(那和秀峻)
こう言う意見もある。俺の意見?「あってもなくてもどっちでもいい。それは人間側の方で工夫すればいい。工夫もせずに悪口ばかり言うクズこそが最低の奴らだ」で。