阪神ワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)に初参戦する的場文男騎手(53)の壮行会が3日、本拠地・大井で行われた。「一生懸命と努力が好きな言葉。
一生懸命頑張ってきます!」とあいさつ。ファンが寄せ書きした横断幕が手渡された。鬼追い、スクワット追い、戦国武者追い、フミオダンスなど、独特の騎乗フォームを
記したものも多い。華麗なモンキー乗りで知られる“鉄人”佐々木竹見元騎手のフォームをマネしたことも若手の頃にはあったという。模索を続け馬上で激しく動く完全
オリジナルの現スタイルを確立。巧みに下半身(足)を使いズルい馬をも動かす。派手な動きに目が行きがちだが「ムチの使い方は天性のもの。他人にはマネできない」
と語る関係者も。砂の深浅など日々の微妙な馬場状態を読み取る力もケタ違いだ。非開催日にはトレーニングやマッサージなど徹底した体調管理。地道な努力の
積み重ねが長い騎手生活を支えている。「ずっと出たいとは思っていたけど、簡単には出られないことも分かっていたから夢のようだよ」と的場騎手。6日には元
大井所属の中央馬ボンネビルレコードでJCダートにも臨む。「メンバーがそろっているからね。自分の競馬に徹するよ」。週末の阪神でも“大井の帝王”から目が離せない。
[ 的場文騎手WSJSへ「100%の力出す」 ] 53歳とは思えない肉体美を披露する的場 今週の阪神競馬場で実施されるWSJSに初出場する的場文男騎手(53)の
壮行会が3日、大井競馬場で行われた。集まった大勢のファンを前に的場は「応援してくれたみなさんのおかげです。100%の力を出し切ってきます」と力強く
決意を語った。「大井の力を見せてやれ!」「阪神まで応援に行きます」「内田に負けるな」など、ファンそれぞれの思いをびっしり書き込んだ応援幕も披露された。
的場はこの日の10Rを勝ち、そのまま大阪へ向かった。
[ ボンネビル、的場文で一変! ] 南関東・大井のベテランが鞍上なら走りっぷりが違う。ボンネビルレコードと的場文男騎手(53)は、地方競馬に所属していた
時期からコンビを組んでおり、抜群の相性の良さを誇る。陣営は“的場さんが乗れるなら”と、急きょJCダートへの参戦を決めたほど。地方出身の人馬が、
強豪相手にひと泡吹かすか。当初は11月25日に行われた浦和記念へ参戦する意向を示していたボンネビルレコード。急転、JCダートへの出走を決めた理由は
ただひとつ。「的場文さんが乗れるから、こっちを選んだ。大舞台で乗ってもらえるのはすごくいい機会」と堀井師は経緯を説明する。10月15日に園田で、
ワールドスーパージョッキーズシリーズ(WSJS)の地方競馬代表を決めるトライアルの第2ステージが行われ、ここで総合優勝を決めた的場文の出場が決まったことが
大きなポイントになった。鞍上によってローテを変更するほど、53歳のベテラン騎乗には魅力がある。「南部杯(12着)で乗った岩田君が“全くハミを取らなかった”と
話していた。的場さんが乗った時以外は、競馬らしい競馬になっていない。この馬の何かをつかんでいるんじゃないかな」と寄せる信頼は絶大だ。相性の良さは
確かな数字となって表れている。中央に移籍した07年4月以降の成績は〈3・2・3・14〉、的場文が騎乗した際には〈3・2・2・3〉。つまり的場文が乗った時しか
連対しておらず、前走の岩田を含め武豊や内田博といった超一流が騎乗しても、思うような結果を出していないのだ。「阪神千八の条件は悪くないし、体もできている。
それより的場さんに期待したい」と同師が語るのもうなずける。当の本人は「オリンピック精神で臨むよ。(07年)帝王賞を勝たせてもらったし、思い入れのある馬。
全力を尽くしたい」とやや控えめも、当然ながらイメージは出来上がっている。「強引に出してはダメ。フワッと出しながらいい位置を取るのが大事」。JRAのレースで
コンビを組むのは今回が初。3つ目のビッグタイトル奪取へ、アッと言わせるシーンを見せるかもしれない。