[ 球炎 流れ呼んだ「初物づくし」 ] 開幕から2週間、11試合目で初めて味わう喜びである。今季初の完封リレーで、初のカード勝ち越し。初めて3点以上の
差をつけた勝利とくれば、ファンも初めて安心して見守れるゲームだったと評していいだろう。快勝への流れを決定づけたのは1−0の七回の攻めだ。石原、
前田健、東出が今季初めて安打を3本つなげて加点。不振にあえぐ栗原の2点適時打も引き出したのだから、この3連打の価値は大きい。元をたどれば、先発投手が
六回を無失点で通過したのも今季初。終盤に2点以上を奪ったのも初めてとなれば、試合を優位に展開できるのも必然か。初めて代打陣の出番がなかったのも
うなずける。もっとも、この「初物づくし」にはすべて前田健が絡んでいるのがミソ。投げて打って走っての千両役者ぶりには感服するしかないが、じくじたる思いを
抱く野手も少なくないはずだ。その前田健が初完投、初完封を避けた。背景には、初めての中5日登板への配慮だけでなく、一刻も早く勝ちパターンを確立したい
首脳陣の思惑も透けて見える。まずは9日、今季初の連勝で最下位脱出といきたい。