[ 悔しさ晴らす12勝目 ] 広島の前田健太が8回1失点でリーグトップに並ぶ12勝目。直球とスライダーに加え、カーブで緩急をつけ、三回の1点のみに封じた。
打線は1−1の六回に天谷、嶋の連続本塁打で3点を勝ち越した。巨人は前田健太に今季3敗目。 ▽尻上がり 8回1失点 いつもより多いガッツポーズに気合が
あふれていた。負けたままではいられない。前田健太は本拠地で味わった屈辱を敵地で晴らした。前回登板した7月30日の巨人戦(マツダ)では、六回途中8失点で
KO。今季初めてイニングの途中でマウンドを降りた。「借りを返すチャンス。気合が入った」。序盤こそ力んで制球が乱れたものの、徐々に調子を上げて8回1失点。
7月7日以来の勝利に「この1カ月は長く感じた」と一息吐いた。自他ともに認める負けず嫌いだ。それを象徴するのが、敬遠時でもみけんにしわを寄せて全力で
投げ込む姿。「怖いから歩かせているわけではないし、逃げているわけでもないぞ、という気持ちで投げている」。どんな時でも向かっていく姿勢は変わらない。チームは
昨年7月1日以来となる東京ドームでの勝利で、今季の巨人戦はようやく3勝目。そのすべてで勝ち星を挙げている右腕は、リーグ最多タイに並ぶ12勝目をマークした。
「前日に(巨人の)東野さんが12勝目を挙げていたので、追いついてやろうと思っていた」。勝ち気な22歳が勢いを取り戻した。(友岡真彦)