[ 払戻金、最高6億円・伊勢崎オート ] 伊勢崎オートレース場は4月から、売り上げ増に向け、複数のレースの順位を当てる「重勝式」を導入する。払戻金の
最高限度額は6億円。かつては一般会計への繰り入れがあり、市の財政に貢献したが、公営ギャンブル人口の減少などから2000年度以降の繰入金はゼロ。
一時は累積赤字となり、厳しい経営が続いていた。市公営事業部は「これを起爆剤に基金積立額を増やし、市の財政に一日でも早く寄与したい」と話し、一般会計への
繰り入れを目指している。重勝式は複数レースの順位を予想するため的中させるのは難しいが、巨額の払戻金を得られる。すでに競馬や競輪で活性化策として
導入済み。オートレースは全国6レース場で4月から一斉導入となる。車券は、1日の後半5レースの1着を自ら選択する「5重勝単勝」と、後半4レースの1、2着を
コンピューターが選ぶ自動的採番方式の「4重勝2連単」の2種類。購入は携帯電話かパソコンのインターネットサイトからのみで、1口100円で販売する。
的中者がいない場合にはその日の払戻金が次回レースに加算される「キャリーオーバー方式」のため、払戻金の最高限度額は6億円となる。販売日数は
全国6レース場で年間約340日程度を予定。ほかの5レース場の重勝式投票券も、代表して管理施行者となった伊勢崎市がまとめて販売する。重勝式の販売収入の
75%は払戻金となり、開催地の施行者が4%、さらに伊勢崎市は毎回4%を得られる。重勝式による1日の売り上げを100万円と想定し、市は年間1640万円の
収益を見込んでいる。伊勢崎オートの売上額は、91年度の約613億6100万円をピークに減少。国内経済の低迷やレジャーの多様化などの影響で公営ギャンブル
離れが進み、04年度末には累積赤字が最大の約26億円になった。その後は経営再建に取り組み、08年度に累積赤字をすべて解消して単年度収支の黒字体制を
確立した。本年度末の基金積立額は6億円の見込みで、積み立てが10億円になれば、99年度の約1億円を最後に途絶えていた市一般会計への繰り入れも
現実味を帯びる。市公営事業部は「これをきっかけに新規ファンを取り込み、伊勢崎オートと市を元気にしたい」と話している。(上毛新聞)
「何故」売り上げが減っているのか。その「理由と言う名の穴を塞ぐ」展開が重要なのに「どこに穴があるのか」も把握しないで「ここだろう」と言う思い込みだけで動く典型。