[ 2011知事選:大沢氏が圧勝 盤石組織で再選 「変革」後藤氏及ばず ] 任期満了に伴う知事選は3日投開票され、無所属で現職の大沢正明氏(65)=自民、
公明、みんな推薦=が、無所属の新人で前県議の後藤新(あらた)氏(50) ▽共産の新人で党県委員長の小菅啓司氏(60) ▽無所属の新人で貸家業の
海老根篤氏(64)を破り、再選を果たした。大沢氏の得票率は67・54%。県内の市町村長の大半から支持されたほか、60以上の業界団体から推薦を受け、
盤石の組織戦で圧勝した。故小寺弘之前知事の側近だった後藤氏は「変革」を訴えたが及ばず、小菅氏らは支持が広がらなかった。【鳥井真平、喜屋武真之介、
奥山はるな】前橋市野中町の事務所に午後7時、早々と「当確」の一報が届くと、集まった支援者から大きな歓声が上がった。事務所に姿を見せた大沢氏は
満面の笑みで支持者と握手を交わし、万歳三唱後、「総合力で勝利を勝ち取った。震災の影響で県内産業は厳しい状況にあるが、景気回復のため先頭に立って
走り抜く覚悟だ」と2期目の抱負を述べた。前回07年は自民公認で出馬した大沢氏。今回は「県民党」を掲げて無所属で立候補した。県議50人のうち43人が
超党派の「支援県議団」を結成するなど他候補を圧倒する陣容を誇った。特に自民党県議は集会で支持者を大量動員し、大沢氏への投票を呼び掛けた。大沢氏は
4年間の実績として、中学校までの医療費無料化の実現、ドクターヘリの運用開始、八ッ場ダム問題への対応などを挙げたほか、政策実現にあたっては「県内の
各市町村と連携して取り組んだ」と強調。2期目は「人づくり」「県民の安全・安心の確保」「産業活力の向上・社会基盤づくり」などを柱に51項目の公約を掲げ
「実行力」をアピールした。選対事務長に就任した福田康夫元首相らは「油断が最大の敵」と組織を引き締め、後藤氏らに大差をつけた。
◇「完全無所属」伸び悩み 知名度不足響く 後藤氏 前橋市問屋町1の後藤新氏の事務所に落選の一報が入ると、事務所内は重苦しい雰囲気に包まれた。
午後7時35分ごろに姿を見せた後藤氏は「私の力不足だった。大変申し訳ない」と深々と頭を下げ、「政策で大きな対立軸を打ち出したが、県民に浸透しなかった。
私のアピール不足だった」と敗戦の弁を述べた。後藤氏は旧自治省から県に出向し、故小寺弘之前知事を支えた元県幹部。公約には脱原発と自然エネルギーの
開発、県民税の10%削減や学校給食の無料化などを盛り込んだ。また3党推薦の大沢正明氏を意識し「完全無所属」を掲げて無党派層の票獲得を図ったが、
投票率が伸び悩み、知名度不足を補うことはできなかった。
◇表明出遅れ響き、支持拡大できず 小菅氏 敗北した小菅啓司氏は、前橋市古市町1の事務所で共産党関係者を前に「今回の公約をもっと幅広い県民運動に
広げ、発展させたい」と述べた。小菅氏は、知事選で88年以来の共産党公認候補。街頭演説を数多くこなし、脱原発や福祉の充実、八ッ場ダムの中止などを
訴えてきた。しかし出馬表明が5月下旬と出遅れたことに加え、無党派層の票を後藤新氏と奪い合い、支持を拡大することができなかった。
◇投票率、過去最低36.62% 知事選の投票率は36.62%(前回53.41%)で、03年の37.41%を下回り過去最低を更新した。大きな争点はなく有権者の関心を高めることは
できなかった。期日前投票者数は10万7219人で前回を33.42%下回った。当日有権者数は160万7533人(男78万6623人、女82万910人)。(変態 7月4日)
[ 大沢知事 大差で再選 組織力 3候補を圧倒 次点に24万票差 ] 知事選は3日投開票され、現職の大沢正明氏(65)(無所属=自民、公明、みんなの党推薦)
が再選を果たした。自民党を中心とした政党や各業界団体の支援を得て、組織力を背景に新人3人に大差をつけた。前回選で惜敗した小寺弘之前知事(故人)の
後継と目され、政党や団体から距離を置く「草の根」を掲げて戦った前県議の後藤新氏(50)(無所属)は約24万票差をつけられ、ダブルスコア以上の大敗。
脱原発を掲げた共産党県委員長の小菅啓司氏(60)(共産公認)と、貸家業の海老根篤氏(64)(無所属)は支持が広がらなかった。投票率は36・62%で
前回の53・41%を大幅に下回り、過去最低となった。大沢氏は自民、公明、みんなの党の推薦のほか、県議43人、各業界団体の支援を受ける盤石の布陣で
臨み、現職の強みを生かして手堅く票をまとめた。得票は投票者数の3分の2に相当する39万2504票。全市町村で他候補を上回り、地元・太田市など東毛地域や
郡部で圧倒的な強さを見せた。前回選で小寺氏に約4000票のリードを許し、陣営が「主戦場」と位置付けた前橋市では、後藤氏に1万7000票以上の差をつけた。
読売新聞社が投票当日、県内の投票所80か所で、投票を終えた2731人を対象に行った出口調査によると、大沢氏は自民党支持層の85%、公明党支持層の
92%から票を稼いだ。後藤氏がターゲットにしていた無党派層でも52%、民主党支持層からも43%を獲得した。一方、後藤氏は頼みの綱だった無党派層からの
得票が37%に低迷。民主党支持層では50%と健闘した。小菅氏は、共産党支持層の78%をまとめた。男女別では、大沢氏が女性票の65%を獲得。年代別でも
大沢氏が全世代でリードし、20歳代でも61%、30歳代でも57%となった。前回選は、大沢氏が約30万票、小寺氏が約29万票、前県議の山本龍氏が約19万票
だったが、前回選で大沢氏に投票した人の85%が引き続き大沢氏に投票し、小寺氏に投票した人の45%も大沢氏に転向。後藤氏は小寺票の48%を確保するに
とどまった。回答者の支持政党は、自民42・4%、民主14・9%、公明3・3%、共産3・2%、みんなの党2・5%だった。(ゴミ売り 2011年7月4日)