[ 支援の恩報いる時トルコとタイへ「今度は東北から」 ] トルコ東部で23日午後に発生した大地震は多数の死者が確認される大災害となっている。タイでも
国土の3分の1が被害を受ける水害が発生中だ。両国は歴史的にも日本との親交が深く、東日本大震災では東北地方に手厚い支援の手を差しのべてくれた。
この恩に報いようと、今度は東北地方から両国へ支援の動きが始まっている。日本とトルコの友好関係は今年で121年を数える。明治23(1890)年、
オスマン帝国の軍艦「エルトゥールル」が和歌山県沖で沈没し、付近(現在の同県串本町)の住民が決死の救助活動を行ったことから親交が急速に深まり、
湾岸戦争開戦直前や平成11年のトルコ大地震の際でも助け合ってきた。トルコは東日本大震災で救助隊員32人を東北地方に派遣。宮城県石巻市、
多賀城市、七ケ浜町で約20日間、救助活動やがれきの撤去作業にあたった。「雪が降るなか、ぬかるんだ田んぼで救助活動にあたってくれた姿が印象に
残っている」と七ケ浜町の渡辺善夫町長。「私たちも被災者だが、募金で町民の気持ちを集め『地震に負けないで』という気持ちを伝えたい」と意気込む。
他にも石巻市などでトルコの被災状況を見ながら支援の検討をする予定だ。東北の被災地に駆けつけた在日トルコ関係者も故郷の状況をもどかしく
見守っている。東京・池袋のトルコ料理店「レシャット」のオーナー、レシャット・デデコチ(33)さんは、宮城県山元町で炊き出しを行った。その経験からも
「トルコで家を無くした人々は寒さをしのげるだろうか…」と心配する。日本の支援の動きに「気持ちはすごくうれしい。私たちも仲間と相談する」と語った。
日本とタイの交流も古く、600年以上前の交易にまで遡(さかのぼ)る親日的な国だ。現在は1千以上の日系企業が進出している。東北の被災地では
タイへの支援も始まっている。津波で壊滅的な被害のあった岩手県陸前高田市の市立第一中学校では、23日に行われた文化祭でタイの子供たちに送る
義援金を集めた。震災ではタイから義援金134万円が寄付された。同校の布田貢教諭は「貧しい地域もあるなかで私たちを支援してくれたことですごく感激した」
と話す。これをきっかけに、洪水被害を受けた子供たちの支援を決めたという。(ブサヨ産経 2011.10.25 22:19)