前の作品
「草原情歌」

次の作品

N.13 
作詞 : 橋暮慎吾
企画『21

風吹きわたる 北の荒野を
走る夜汽車は ふるさと行きか
人の心は 頼りないもの
わびしく揺れる 草原の風
 遥かな地平に かすむ景色は
 見果てぬ夢の 翳(かげ)を宿して
 明日を夢見る 若者たちも
 心むなしく 瞼を閉じる
 
千里四方は 草の海原
群れなし渡る 鳥さえ悲し
人の心は 変わりゆくもの
移る季節の 星座のように
 想い惑わす 人の世の波
 澱みの淵は つかぬまの恋
 運命(さだめ)の糸は 何処(いずこ)から来て
 何処(いずこ)に続く まぼろしの道
 
国は破れて 山河は残る
夢は破れて 悔いのみ残す
人の心は 逞しいもの
めぐる命は 時に感じて
 生きる術(すべ)さえ 見えぬ明日も
 陽(ひ)はまた昇る 新しい朝
 延びる線路は 果てなく続く
 人々乗せて 夜汽車は走る