
- 風吹きわたる 北の荒野を
- 走る夜汽車は ふるさと行きか
- 人の心は 頼りないもの
- わびしく揺れる 草原の風
- 遥かな地平に かすむ景色は
- 見果てぬ夢の 翳(かげ)を宿して
- 明日を夢見る 若者たちも
- 心むなしく 瞼を閉じる
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- 千里四方は 草の海原
- 群れなし渡る 鳥さえ悲し
- 人の心は 変わりゆくもの
- 移る季節の 星座のように
- 想い惑わす 人の世の波
- 澱みの淵は つかぬまの恋
- 運命(さだめ)の糸は 何処(いずこ)から来て
- 何処(いずこ)に続く まぼろしの道
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- 国は破れて 山河は残る
- 夢は破れて 悔いのみ残す
- 人の心は 逞しいもの
- めぐる命は 時に感じて
- 生きる術(すべ)さえ 見えぬ明日も
- 陽(ひ)はまた昇る 新しい朝
- 延びる線路は 果てなく続く
- 人々乗せて 夜汽車は走る
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