観察レポ =ヒメヤママユ=


13.10.8


昨日からの散策で長野の某避暑地方面へ行き

ヒメヤママユがたくさんいたので卵を産ませて持ち帰った。

昨年やってみようと考えていたけど、タイミングが合わずヒメヤママユ自体に

あまり出会えなかった。

ノーマルタイプと黒化型、どっちでやろうかなと考えていたりしてたけど

この辺りの個体群はなぜかオレンジっぽいのが多い。 火山の影響か?

付近は硫黄のニオイが凄い所があり、その成分を植物が吸収しているため

なんじゃないかなと想像もできる。

こちらの食樹でもオレンジになるか、遺伝的にそういう個体群なのかも興味深い。


1・2枚目の画像は母蛾。

母は現地にいた中ではそれほどオレンジが強くないタイプ。

すでに産卵をしていたようなので協力してもらった。

画像の卵は確保せず、ケースへ移して新たに産んでもらった。

短い時間で11個産み、3つ持ち帰ったつもりがもう一個あり4つある。


3枚目は持ち帰った卵。

孵化は来春なので、屋外で管理しておくことにする。












14.4.15


時期的にはそろそろかなとチェックを強化していたけど、本日1個体が孵化した。

殻はこの後取れ、コナラの葉っぱへと移動させた。

残りの個体もすぐに出てくるだろう。










14.4.17


孵化してから一日半、葉に付かず全く食わなかった。

ケースを小さくして葉を3種に増やし、ようやくサクラを食いだして一安心。

その後は葉っぱに留まっているので、もう大丈夫だろう。





今日、2個体目が孵化した。








14.4.22


20日から遠征し、本日帰ってきて撮影。 2齢になっていた。

残り二つの卵はまだ孵化していない。

サクラとコナラを齧っているので、この2つでやっていきたい。








14.4.23


今日は天気がいいので、太陽の下で撮影しておいた。








14.4.27


二日ほどジッとしていて、今朝両個体とも3齢になっていた。

ようやく、ヤママユガ科らしい容姿になってきた。



残り2つの卵は孵化しなさそうだ。










14.4.29


食べる量が多くなり、だいぶ大きくなってきた。

このまま順調にいってほしい。










14.5.1


1個体が4齢になった。

黒い部分がなくなり、どんどんらしくなってきた。










14.5.3


もう1個体も4齢になり、ここまでは順調だ。

2つの卵は孵化しない。

さすがにもう見切ってもいいかな…








14.5.7


二日半ほど固まっていたけど、本日1個体が終齢に脱皮。

見た目は4齢とさほど変わらない?

もう1個体も固まっているので、明後日辺りにこちらも終齢か?

両個体とも順調にきている。










14.5.12


2個体とも順調。

以前よりかは食うのが早くなってきたけど、一気に食べることはない。

終齢っぽく、短髪のタワシっぽい風貌になってきた。








14.5.15


だいぶ大きくなったけど、食い方は相変わらずお上品。

いつ繭作りを始めてもおかしくないので、今のうちにもうちょっと撮っておこう。

緩いウンチ(?)を出しているのでもうそろそろかな。










14.5.16


昨晩未明、1個体が繭作りを開始(上画像)。

もう1個体はまだ食っていた(下画像)。







午後にはこんな状態で、ほぼ完成したようだ。

けっこう雑だねぇ…





夜になり、もう1個体もドロドロ出して蛹化態勢に入ったようだ。





14.5.21


想像していたよりも蛹化は早かった。

本日未明、すでに蛹になっていた。





本当は数日経ってから人口蛹室へ移動させたかったけど

蛹化して間もないのかグリーンが見えたので雑な繭を破って撮影。







ミイラみたいね(笑)


14.7.28


蛹化から二ヶ月が経過。 生きているんだろうか?

適度な間隔で、管理しているオアシスへ水を補給している。

大きさや触角から、左が♀で右が♂と思われる。

無事ならば、あと二ヶ月後くらいには出てくると思うけど

室内管理なので少し早まるかもしれない。












14.10.1


未明、寝る前チェックをしたら、1個体が羽化していた。





♀が先に羽化しちゃったね。

もう1個体は♂なので、早く羽化してくれないと無精卵だらけになっちゃう…



で、本日午後、チェックしてみたら♂も羽化していた。





とりあえず2ショットを撮り、まずは♀を手乗せ撮影。







しかし、今日は雨で暗く、プルプルしちゃってうまく撮れない。

時間をかけていたら、横から♂がパタパタと飛翔して外へ…

部屋に置いていたけど、窓をあけたまんまだった。

高い位置まで上がって行ったが、急に高度を下げて駐車場へ不時着。

我が家は4Fなので、急いで身柄を確保しに下へ行くとなんとか間に合った。

翅を摘まんでケースに入れるところを、スルっと抜け出して再度上昇…

ずいぶん高い位置まで飛んで行き姿が見えなく…

我が家近辺には生息していないので、カラスが食ってくれれば安心なんだけど。



オレンジが強い親だったけど、現地の食樹の影響だったようで

遺伝ということではなさそうという結論。

ヒメヤママユは、適正時期に無事2個体とも羽化させることができた。





14.10.3


朝、仕事に行く時にカミさんから

「エレベーターの前に大きい蛾がいるけど、この前逃げたのじゃない?」 と。

まさか、天高く飛んで行ったのが戻ってくるか?と半信半疑だったけど

♀のフェロモンで戻ってきたりして…





まじっすか!? こんなことあるんだね。

我が家周辺には生息していないし、色の感じから逃げた子でまず間違いないだろう。

綺麗な姿のままで戻ってきてくれて、ありがとうと言いたい。


しかし、虫の力はすごいなと改めて感じた。

♀のいる窓は開けていないし、バーっと飛び去って行ったのに戻ってくるなんて。

フェロモンで戻ってきたとしか考えられないもんね。


ヒメヤママユを通じて、また貴重な体験ができた。

最後に♂を撮影して、このコーナーは終了とします。








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