観察レポ =ナミアゲハ=


18.11.6


今年は、我が家のカラスザンショウにたくさんのナミアゲハが産卵しにきた。

60くらい? もっとかな?

ある程度大きくなったら、幼虫の付いている葉を切って別所へ移動させていた。

もうね、我が家では害虫扱い(笑)


昨日も産卵に来ていたので追い払ったのだが、5つくらい卵を産んでいった。

2018も終盤だし、もう観察レポでやるのもいないだろうし、3年ぶりになるし、

その3年前はサボり気味だったので、1個だけ観察することにしてみる。





越冬蛹になるので、幼虫の管理は基本外のままにして、

蛹化直前くらいに行方不明防止のため一旦室内へ移動して

前蛹になったらまた外での管理にしようと思っている。

ヤドリバエ対策はせず、鳥などにやられたらしょうがない。

これから孵化だけど、夜を中心にだいぶ寒くなってきている。

葉っぱは良いのがたくさん残っているから大丈夫だろうけど。





18.11.18


昨日の朝まで毎日観察していて、黒くなってきていたけどもう孵化しないのかなと諦めていた。

今朝見ると…





おっ、孵化したね。

10日以上経過していたのでダメだったかと思っていた。

基本的にこのまま外でと考えているけど、状況によっては大きくなってから室内に入れるかも。





18.11.20


食痕はちょこっとある。

どうしよう… 最低気温が一桁になってきているので、室内で観察しようかな。

もう1個体、同時に産まれた幼虫がいるので、そちらは自然に任せて比較してみる

というのもアリかな? もう少し考えよう。








18.11.23


まだ初齢かな? そろそろ2齢になると思われる。

夜は5度を切る日も出てきたけど、昼は比較的暖かい日もあるため

もうしばらくはこのまま自然状態で様子をみていく。








18.11.28


加齢態勢に入って三日ほど、毎日確認していた。

夜は5度を切る日もあって全く変化がないので寒くて死んじゃったのかと思っていた。

暖かい今日の昼に確認すると、2齢になって葉を食べていた。

昨晩見た時は変化なしだったので、夜遅くか今朝早くに脱皮したようだ。

孵化までもそうだけど、2齢になるまで10日もかかっている。

室内の涼しめの部屋で管理しようかな…










18.12.1


夜は寒いけど、暖冬のせいか昼間は暖かい日が続いている。

まだ外でそのままにしているけど、意外と大きくなっていた。

頭が小さいので、もうすぐ3齢になるだろう。








18.12.4


二日間このままの態勢。

もうすぐ加齢するとみられるけど、春〜秋なら一日で脱皮するのでもどかしい。

ん? 頭の大きさや棘の感じから3齢になってるかな?








18.12.13


やっぱり3齢になっているようだ。

ただ、ここ一週間はしょこたんもなくずっとこのまんまで全く動かず。

生きてんの?とちょっと突くと反応があったので安心。

最低気温は3℃とかで、昼も10℃に届かない日があるので、

そろそろ室内に入れてあげようかな。








18.12.16


今日の最低気温は -3℃ほど。

葉っぱはまだ良いのが多くあるけど、このまま外で大丈夫かな?


ようやく脱皮したようだ。 これで4齢か?

成長過程が遅すぎるので、やっぱり室内に入れようかな…










18.12.21


今日は若干暖かい昼だった。

葉先の方にしょこたんが少し見られるので、ちょっとずつ食べているようだ。








18.12.25


まだ外でそのままにしている。

少しは大きくなったおかげか、寒さに耐性がついたような気がする。

蛹化間近までこのまま外でいっちゃおうかと考え中。








18.12.29


本日、終齢になっていた。

しっかし、小さい終齢なこと…

蛹化間近まではこのまま自然に任せておく。

越冬幼虫はかなり移動するようなので、見失わないように気をつけたい。










19.1.3


年を越したのに、まだ終齢をやっている。

脱皮した葉から移動している(撮影は昨日)。

卵を確認してからもう2ヶ月、孵化してから1ヶ月半ほどになるというのに…

最近は氷点下になっているけど、僅かながらにでも成長しているので

蛹化しそうになるまではこのまま外で放っておこう。


1月10〜15日くらいに蛹化と見込んでいるけど、

羽化するのはいつになるんだろうね?

春が来れば普通に羽化するのか、やはりだいぶ遅れるのかちょっと興味がある。








19.1.9


昨日、ちょうどお食事をしていたのでパシャリ。

大きさはあまり変わらないけど、チビチビと食っているようだ。

真緑にはならず、頭部付近がくすんだまんまだけど、影響はないみたい。

寒さのためか、乾燥のためか、だいぶ葉っぱが悪くなってきたけど、

陣取っている上の方はまだ生き生きとした葉が多いので持ちそうだ。








19.1.10


ん? どうした?

今日は夜までずっと幹にいる。

まだ蛹化ではないし、異変なの?








19.1.18


次の日には葉に戻っていた。

安定している場所で休んでいただけのようだ。

大きさはあまり変わらずも、ちょこちょことしょこたんがあって少しずつ食べている。

天気予報で東京の最低気温が0度の時は、我が家では-3〜-5度のことがほとんど。

それでもエサさえあれば寒さはなんとか凌げるようだ。








19.1.20


昨晩、手すりにいたので、ここいらで室内に持っていってあげることにした。

夜は玄関に置いておけば、外ほどではないけど温度差を感じてくれるだろう。

孵化してからもう2ヶ月経つしね、寒い外でよく頑張ったよ。

ちなみに、一枚も撮影していない終齢がもう1個体いるけど、それはそのままにしておく。








19.1.25


室内に入れてからは食欲が増してきた。

とはいえ、大きさはさほど変わらないけど…

今日はケースにいたので、葉を交換しようと蓋を開けたら怒った。





外に置きっぱなしのもう1個体が昨日から行方不明。

木にはどこにも姿がなく、力尽きたのかと下を探すも見当たらない…

以前のカラスアゲハの時のように、鳥にやられちゃったのかと思っていた。

しかし、室内のこの子は夕方軟便をしたので、外のも蛹化で移動した可能性もある?

無事に羽化してくれたらいいんだけど、このコーナーはこの子オンリーでお伝えしている。

とりあえず、プリンカップの蓋をせずに、プラケースに入れて蛹化できる環境を作っておく。





19.1.26


昨晩に場所を決めて糸吐きを行っていたので、落ちつくまで静かに見守っていた。

本日未明、落ちついたようなので、ケースの外から撮影。





元々春型って小さいけど、この子はかなり小さいので無事に羽化できるかな?

真冬を二ヶ月も耐えたので、元気な姿で羽化してほしいとつくづく思う。

今晩は暖かめの部屋に置いてやることにした。





19.1.27


昼、前蛹態勢に入って少しシワシワになってきたかな?







夜帰ると蛹化していた。

モンシロチョウの蛹をちょっと大きくしたくらいの小さい蛹だ。

幼虫の殻を落とし切れずに、尻尾が浮いた状態になっている。

殻を落としてやって、お尻を糸にくっつけてあげようとしたけど、

一時的にくっつくものの時間が経つとまた離れていた。

羽化が近くなってきたら、対策をしてみようと考えている。


まずは、蛹化できたことを喜びたい。

でも、蛹が緑なんだよね… 越冬蛹で緑はイメージにない。

寒い部屋もしくは外に置いておく。








19.2.22


蛹化後から玄関に置いてある。

背中は緑のままだが、横は褐色になっている。

両面テープでお尻をくっつける作業をした (↓画像は作業前)。

その際は全く動かなかったので、越冬モードになっていると信じよう。

本当に小さい蛹… ギフチョウサイズになるんじゃない?








19.3.14


見た目は全く変化なし。

通常、春型アゲハの出現時期は4月中旬くらいかな?

この子の場合は蛹化が1月下旬だけど、気温で決まると思うので

やはりそのくらいが羽化時期とみていいのかなと思う。








19.4.6


パッと見は変化なし。

逆にいえば、落ちていないという事なんだろうと思う。

昨日、仕事中にナミアゲハが飛んでいた。

さっそく玄関から暖かい部屋へ移動させた。

4月中旬〜下旬には羽化してくれるかな?










19.4.18


いよいよ変化があった。

翅の部分が判るようになってきた。

全体的な透け感はまだないので、早くて今晩… 遅くても明日には羽化しそうだ。

ケースに蛹を作っているので、万が一のために掴まれる部分を作っておいた。








19.4.19


昨晩、蛹は真っ黒になっていたが、羽化はしなかった。






今朝、まだ羽化していなかったけど、透け感が増していたので、

昼休憩に戻ってくる時には出ちゃってるかな…


で、お昼前に戻ってくると…












やっぱり出ていた。

しかし、想像していたよりさらに小さい成虫…

ギフチョウサイズになる?なんて書いていたけど、大きさはモンシロチョウクラスだ。

かつて見たことのないアゲハチョウの誕生!







手乗りで大きさがわかるかな?

飛ばなそうなので、日向でも撮影しておく。







せっかくの機会なので、100円玉と定規を置いて撮影。







開翅約50ミリ… 本当に小さすぎて、もう愛おしくなってくる。

こんなアゲハは見たことない。

でも、自然界でも真冬に幼虫ってあると思うし、こういうのがいるのかもしれないね。

この子だってベランダにいたので。


なにより、無事に羽化してくれてよかった。

標本をやっている人にお送りしようかな。



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