観察レポ =何アゲハ?→ミヤマカラスアゲハ=


17.8.14


昨日の散策で、コクサギの群生があったので卵を探したが見つからず。

その代わり、小さい幼虫はいくつかいたので、そのうちの一つだけ持ち帰った。







頭を見ると、もう加齢する直前のように思える。

まだ初齢っぽい感じ。

本当は卵からやりたかったけど、見つからなかったのでしょうがない。


さて、この子は何アゲハに化けるでしょう?

コクサギといえば、真っ先に思い浮かぶのはオナガアゲハ。

カラスアゲハも好むようだ。

ミヤマカラスはコクサギを好まないという記述をよく見かけるけど、

実際に産卵や幼虫は見つかっている。

現地付近の印象では、カラスアゲハよりもミヤマカラスばかり見ている気がする。

ということで、もう少し大きくなれば判明するだろう。

ちょっと期待して見守りたい。





17.8.15


やっぱり脱皮していた。 おそらく2齢と思われる。

初齢のうちから、体の真ん中付近の白帯が目立つ。

オナガではこんなに白は目立たなかったけど、この頃はだいぶ緑色だったしまだわからない。

ミヤマカラスであれば嬉しいし、カラスアゲハでもいいかな。


なんか黒い点が見えるのが良い気分ではないけど…










17.8.16


昨日気になった黒い点は、両側に見えるので元からあるのだろう。

頭部上のヒゲのような突起の形状、真ん中の白いライン、お尻付近の白班などから、

オナガアゲハではないだろうと思っている。

とすれば、カラスアゲハかミヤマカラスアゲハの二択になるのだが、

ミヤマカラスは初齢や2齢初期は黒っぽいようだ。

となると、やはりカラスアゲハなんだろうか?










17.8.18


この子は普段ケースに陣取っている。

今日はずっとじっとしているので、加齢するかもしれない。












17.8.19


昨晩3齢に脱皮した。

色が多少黒ずんできたかな?








17.8.22


たぶんまだ4齢のはずだけど、目玉模様が見えてきた。

尾っぽ付近の黄色い突起からも、ミヤマカラスアゲハの公算が大となってきた。

コクサギにいてくれたとなると、今後卵から観察する機会もできそうだ。

しかし、この子はとっても怒りんぼだ。










17.8.24


昨晩から夕方までジッとしていて、夜に確認したら終齢になっていた。

顔の黄色いラインが首まで回っているので、ミヤマカラスアゲハと断定。

やったね! ようやく観察することができる。

我が家のカラスザンショウは、ミヤマカラスをやるために持ってきたんだよね。

5年かかって念願が叶った。

できれば卵からやりたいので、来年以降探してみよう。


この幼虫がいたコクサギには、兄弟と思われる同じ大きさの幼虫がいくつかいた。

ミヤマカラスとわかっていれば、もう2つくらい持ってきたのに。

これからは食いまくるだろう、順調にいってもらいたい。










17.8.26


とっても順調に成長中。

とにかく葉を食うスピードが速い。

すぐに威嚇はするけど、終齢になってからは黄色いのを出さなくなった。












17.8.28


朝起きたら葉っぱがなくなっていた。

急いで与えると、手で葉を持っているのもお構いなしに食いまくった。

あれだけ警戒心が強かったのに、よほど腹ペコだったようだ。 ゴメンネ…












17.8.29


午前、蛹化態勢に入ったかな?





午後には糸掛けも終了したようだ。

昼に準備したということは、蛹化は夜中か朝方か?

ちょっと見れそうもないな…








17.8.30


午前1時半頃から時折モゾモゾしはじめてた。

蛹化はもうすぐ。


この時には全く気にしていなかったが…





2時過ぎに動きが大きくなり、脱皮が始まった。
























無事に脱皮が終わった。

30分ほどして再度撮影すると…





あん? な〜に、その黒いの?





ガーン…

カラスザンショウの棘が刺さってしまっている…

気付かなかったのは申し訳ないけど、蛹化準備の時に考えて場所を選んでくれよ…

大丈夫だろうか?



午後、確認も込みで撮影。

刺さりっぱなしだと、動いた際に傷口が広がりそうなので棘は切っておいた。

この段階ではピクピク動いていたので生存を確認できた。

生命力に期待したい。










17.8.31


今日は傷口が見えないように反対側から撮影。





とはいえ、やはり気になる傷口。

撮ってはみたが、よくわからないかな…

棘は刺さったまんまになっている。

今日もピクピク動いた。

このくらいの事故は想定内なのかな?





さて、ミヤマカラスアゲハは年2化と言われているけど、蛹の感じから近く羽化しそうに思える。

これは飼育化だからなのか?

9月でも成虫は見られるので、夏は2回羽化するのかもしれない。

傷を負っているので、越冬蛹よりは秋に羽化してくれればリスクは低くなると思われる。

越冬蛹ではないというつもりで管理していきたい。





17.9.2


傷は大丈夫みたいだ。

今日の撮影時にもビクンビクン動いていた。

棘がある植物を食樹にしているので、こういうことは想定内なのかな?












17.9.8


本日夕方、うっすら黒くなってきた。

生存していると同時に、越冬蛹ではないということが判明した。

明日か明後日には出るだろう。








17.9.9


朝、さらに黒くなっているので今日羽化しそうだ。

出勤前まで待っていたけど出ず、一応セッティングして出かけた。





こんな日に限って忙しく、帰ったのは昼をだいぶ過ぎた時間。

もう出てるだろうなと帰宅する。





やっぱり… 羽化してそんなに時間が経っていない感じ。

おなかを見て♀かと思ったけど、性標があるので♂だ。

近づくとバチンと一気に翅を開いた。

ストロボを焚いたり、飛ばなそうなので外で自然光で撮ったりした。































これだけ撮れればいいか。

飛ばずに良いモデルになってくれた。

撮影後は蛹の殻へ戻し、しばらくゆっくりしてもらった。





ミヤマカラスはやっぱり綺麗だ。

おなかに棘が刺さった影響は全くないみたいでよかった。

今後は卵からまたやってみたい。



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