観察レポ =オオミズアオ=


12.8.29


仕事から帰宅すると、カミさんが 「喜びそうなのがいるよ〜」 と…

見てみると、オオミズアオだった。 しかも♀。

そうか、わざわざ卵を産みに来てくれたんだね〜。

では、ご厚意に甘えてしばらくケースに入っていただこう。





2時間半後に産んだかなと見てみると…


おい! やり過ぎだろ!


70個ちょっと産みやがった(苦笑) 画像は明日にでも撮影しよう。

地元産なので5つほど観察飼育するとして、残り多数はよく外灯に飛んでいる付近にリリース予定。





12.8.31


昨日撮影できなかったので本日写した。 大変なことになっております(笑)










12.9.5


産卵から一週間、一斉に孵化した。

とりあえず、コナラの若そうな葉をいくつかとってきて与えてみたら、

時間とともに葉に移っていった。

観察用に5個体を別室に移したけど、1個体でも羽化できればいいので、

3個体くらいに減らそうかとも考えている。

食草は幅広いけど、とりあえずコナラでやってみて、様子を見ながら

サクラやヤマボウシなども与えてみようかな。










12.9.6


全部の卵から孵化を確認したので、とりあえず5個体を残してリリースしてきた。

あと数日様子を見て、3個体だけ観察飼育していく予定。

一日経って、だいぶしっかりしてきたように感じる。 コナラの葉を問題なく食っている。








12.9.10


孵化から5日目(9日撮影)、もう2齢になってるのかな?

頭部の脱皮殻が小さいためか確認できない。

これが2齢なのか、まだ初齢なのかは前回撮影分と模様がほとんど同じなのでわからない。
←まだ初齢

頭がやけに小さいので、もうすぐ脱皮するのだけはわかる。





全個体をチェックしていたら、脱皮直後の個体がいた。

ん? 緑色になってる… ということは、3齢なのかな?
←まだ2齢でした








12.9.13


全ての個体が2齢となり、順調に成長している。

まだ小さいけど、形はだんだんらしくなってきた。





夜、3齢に脱皮した個体。 お尻が黒くなるようなので、後日わかるように撮影しようと思う。








12.9.18


16日に2個体をリリースし、現在3個体管理中。

大きさに差はあるけど全て3齢。 あだ名は、『サボテン』 になった。
←命名カミさん

すれ違いざまに威嚇し始めたので、本日から個別管理にした。

現在までコナラのみ。 もうこのままいっちゃおう。










12.9.24


ここまでは順調。

食欲がだいぶ増してきた。 本日1個体が4齢になっていた。










12.9.28


3個体全てが昨日までに4齢。 食欲がすごいこと…












12.10.2


ネットで加齢の情報をいくつか見たけど、間違っていたのか勘違いしていたのか…

オオミズアオは2齢で緑になるようだ。

初齢から2齢?としていたものは、5個体いたにもかかわらず脱皮した形跡がどれもなく、

頭部の大きさからも間違いないと思う。 なので、以前の記事は修正しておいた。


だって、今日2個体脱皮してたんだもん。 これで終齢幼虫だ。







2枚目の子は、自分の思い出をとっておきたいタイプのようだ(笑)








12.10.7


ヤバいよヤバいよ!と言いたくなるほどの大食漢… よく食うわ。

綺麗なコナラの葉が少なくなってきているので探すのが大変。

2個体は体長7pちょい、小さい1個体も6pほど。 大きい2個体は蛹化が近いのかな?

蛹化が近づくと、体色が変わるようなのでわかりやすい。

早く見たいような、もっと葉を食い続ける姿を見ていたいような…


終齢になって、音を立てて威嚇するようになった。

「カチッ カチッ」 って、押すタイプの使い捨てライターの音みたいな感じ。

長い毛の根元に小さく何本か棘があるけど、これを触るとちょっと痛い。


お食事中に失礼して大きい個体の一つを撮影。








12.10.12


今朝、1個体の体色が変化していて葉を綴っていた。

繭作りの真っ最中だ。







まともな葉が2枚しか付いていないので、応急と蛹の観察をしやすくしようとティッシュで代用。

しかし、ティッシュの部分が少ないので観察しづらそうかな…

下画像は夜。 もう完成しているようだ。

残り2個体は全て葉っぱと、ティッシュをメインに繭を作るようになってくれれば理想的だ。





12.10.12


繭作りする前に手乗せしておかなきゃ…

静止して縮んでいる状態で約70o。

歩いてたりして体を伸ばしてる時は90oくらいありそうだ。










12.10.15


今朝、2個体とも変色していた。

1個体は葉っぱで、もう1個体は観察しやすいようにティッシュで繭を作ってもらう。

寂しくなるけど、無事に蛹化し、来春綺麗な姿を見せてほしい。



頭が下  この子は葉っぱで


この子はテュッシュで





12.10.18


ティッシュの子は、なんかうまく葉を丸められ、その周りは頑丈に繭を作っている。

ハサミで切らないと観察できないかもしれないので、無理するかどうかはもうちょっとしてから考える。

中は見えないけど、とりあえず順調そうだ。





12.10.27


3ついるし、せっかくの機会なので1個体に協力してもらった。

全体にガチっと繭を作っているので、慎重にハサミで切込みを入れていく。

意外に空間は狭いみたい。









蛹の大きさは40oちょっとくらい。

お尻が固定されているようで外に出せなかった。

無理してまで出す必要もないだろう。

作業中に何度かクネクネと動いた。

生存は確認できたので、来春無事に羽化してもらいたい。

しかし、こんなガッシリした繭から、特に突起などを持たない蛾が出てくると思うと不思議だ。





13.1.9


蛹越冬しているケースをチェック。 何も問題はないはずなのだが…



!?


なんで? 何を血迷ってる? フユシャクならぬ、フユマユの仲間だったのか?

外の暗所に保管していて、今冬は厳しい寒さなのでまさかまさかの事態であった。

これだけ翅がぐっしゃりしているとどうしようもない。

メスには出会えないけど、せめて写真に残しておこうと思う。










13.3.20


残りの2個体は羽化することなく順調に越冬した。

フィールド(山奥)で4月半ばに撮影したことがあるので、4月に入ったら室内飼育に切り替えたい。

この二週は暖かい日が多く、夏日も二日あったので早めに移動するかもしれない。





13.3.24


本日、室内の涼しい部屋に移動。

一つは少し繭を破いておいたので見やすかった。 色艶共に順調そうだ。

もう1個体は繭を破かずそのまま。 周りの葉だけ取り除いておいた。

来月には綺麗な春型が誕生してくれるはず。










13.5.7


羽化しない。 4月15日には、山梨でオオミズアオの成虫を見ている。

蛹を持つと、やけに軽く感じるのでダメなのかもしれない。

もう少しこのまま様子を見てみるけど…





13.6.7


一ヶ月が経過したが状況は変わらず…

蛹が軽いし、しばらく触っても反応がないため、残念ながら落ちてしまったと断定した。


原因はなんだろう?

蛹化時期からして高温の影響はないと思う。 湿度の問題がくさいなぁ…

オオミズアオはスパっと羽化してくれるものと思い込んでいただけにショックがある。

越冬蛹の難しいところだ。


いずれ、機会があればまたチャレンジしてみたい。



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