観察レポ =リュウキュウムラサキ=


16.10.1


鹿児島遠征でたまにご一緒してくださる rurin さんから、28日に南国の幼虫が届いた。

ちょうど沖縄遠征中のタイミングで届いてしまったので、目にしたのは本日未明になってから。

その間、レクチャーをしておいたので、カミさんがいろいろやってくれたけど…

10個体ほどの幼虫のうち、元気なのは4つだけだった。

入っていたサツマイモの葉がほとんど食い尽くされた状況で、狭いケースに10ほど入っていたので

喧嘩したりしたのかもしれないね。

サツマイモはないが、代用になると言われているイノコズチ(イノコヅチ)はたくさんあるので、

それを入れておいてもらったらちゃんと食っているようだ。









3枚目は、棘の感じから4齢と思われる。 他は終齢。

この4齢が一番大きく見えるけど… ♀かな?



夜、もう見れなくなるかもしれないので、触角のない4齢を撮影。







4個体のうち、1個体はなんか危なさそうな状況…

この後はスムーズにいってほしいけど…





16.10.2


1個体が落ちていた… 残り3個体になった。

成虫は♂と♀で翅の模様が違うので、この3個体にはなんとか無事にいってもらいたい。

今日は終齢を撮影。

イノコズチをバリバリ食っている。








16.10.3


リュウキュウムラサキを観察するなんて、これっぽっちも考えていなかったので、

ネットでいろいろと調べてみた。


どうも、2齢から小さいながらも触角のようなものは出始めて、3齢ではけっこう立派になっているようだ。

とすると…? 4齢と思っていたけど一番でっかいのは?

体の模様から、ひょっとしておまえってば… メスアカムラサキなんじゃねーの?

なんて思ったりもしたけど、イノコズチを食っている時点でリュウキュウムラサキなんだろうね。


でもさ、触角のようなものは喧嘩して咬み切られたとしてもさ、棘が全然違うよね?

♂と♀で幼虫の違いはないだろうし…


で、これが正解なのかな?という記述を発見した。

とあるサイトによると、6齢が終齢なんだとか… そうなの?

もしそうなら大きさ的にも納得できるし、棘の感じが変わっていても不思議ではない。

でも… 5齢っぽいのでぶら下がってるのも多いんだよね…


ま、無事に行けばそのうち正解が判るでしょう。



ということで、3個体を 1号・2号・3号 と区別して今後観察していく。



1号


2号


3号





16.10.4


1号はまだ食っているけど、時折歩き回っているのでそろそろか。





2号はここに決めて糸吐き作業をしているっぽい。

画像はケース越しで失礼…





3号も食わずに歩き回っているので、別容器に移し替えたけどなんか微妙なので

葉を新しくしてぶら下がれるスペースができるように設置。










16.10.5


朝、2号だけぶら下がっていた。





昼に3号が、夜には1号も前蛹状態に。

で、夜の段階で、1号は普通にぶら下がっている。

ケース越しですみません…





2号は、体が伸び切っちゃってない?

朝から前蛹だったので、すでに蛹化しようとしたけど、うまくいかなかった状態に見えるけど…





3号はまたこれが…





なんでそんなに縮こまってるの?

どう見ても普通じゃない。

触角のようなものがなく、棘もおかしかったので、成長途中で何かしらのトラブルがあったのかも。


果たして、三者三様の状況だけど、みんな無事にいくんだろうか…





16.10.6


2号・3号は予感通りやはりダメった。

頼みの1号は、今朝蛹になっていたのだが…









無情にも落下していた…

殻がくっついたままだったので、振り落す際に自分が落ちちゃったようだ。

殻を取り除いて糸にお尻を引っかけたが、画像のように腹が伸びないままなのでもうダメだろう。


たくさん送っていただいたのに、一つも羽化させることが出来なかった。  情けない…

rurin さんに申し訳ない気持ちでいっぱいです。


卵か若齢からイノコズチでやってみたら、なんとなくうまくいきそうな気がする。

九州で成虫自体見つけることは少ないので、今後チャンスがあるかわからないけど、

出来ることならばもう一度チャレンジしてみたい。





16.10.7


落下した蛹は、昨日お尻を引っかけてぶら下げておいたが、かかりが浅くてケースを動かすとクルクル回る。

ダメだとしても、二週間ほどはこのまま様子を見ようと思うので、本日未明にお尻をかけ直すことに。

すると、手にとると元気そうにプルプルと動いている。

見た目は腹が通常よりも縮こまっているように見えたが、まだ生存しているのがわかった。

ある程度の羽化不全になるのは仕方ないとして、無事に出てきてくれたら嬉しい。

このコーナーは終了せず、もう少し続くことになった。

果たして、どんな形にせよ羽化してくれるだろうか… 待ちたい。


午後、確認も込みで撮影。

翅の部分は見た感じ問題ないかな? お尻の棘が少し曲がっている程度か?








16.10.13


蛹化から8日目。

あれからそっとしておいたけど… どうだろうね?

無事ならばあと2〜3日で羽化するものと思われるけど、やっぱり微妙かな?

棘が潰れたのは影響あるのかわからないけど、背中の辺りの透け具合がなんとなく怪しくも思える。

とりあえずは見守るしかないんだけど…










16.10.14


本日未明、一気に黒ずんできた。





午後にはさらに頭部の辺りも色付いてきた。

撮影中にピクピク動いたので、生存していることは確認できた。


まだ透けた感じはしないので、羽化は明日だろうか?








16.10.15


午後に撮影。

良い感じになってきたかな〜と思っていたけど、夜(23時半現在)まだ羽化せず。

明日には羽化してるのかな?

それとも…








16.10.16


羽化していない。

状況は昨日から変わっておらず、透けた感じもないので厳しいかな…





16.10.17


結局、羽化することはなかった。

ダメかと思いつつもなんとか期待できる状態になってはいたけど…


なかなか南方でも出会う機会は少ない種だけど、いつかは卵もしくは若齢期からやってみたい。



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