観察レポ =シンジュサン=


20.8.21


昨晩から山梨まで夜回りに出かけ、午前2時過ぎに東京の山へ入った。

最近寄る外灯で、シンジュサンの姿があった。





あれ? おなかが長い。

シンジュサンの♂は、腹部が極端に小さいのだ。

しかも、卵が見えるではないか。

シンジュサンは卵からやってみたかったのだが、自然下では♀を一度も見たことがなかった。

食草で探しても卵は見つけられず、若齢幼虫を二度見つけられただけ(過去の観察レポ)。

ようやく念願がかなった瞬間だった。

こんな雑草にたくさん産んじゃって、周りに食草なんてないじゃん…

どう考えても孵化した幼虫はアリンコなどのエサにしかならない。

とりあえず全部引き取り、孵化したら3つほど残して現地近くの食草へリリースしてやろう。


夕方に撮影。

数えたら24個だったと思うけど、画像では23個確認できる。

まぁ、そのくらいの数ということで…










20.8.22


シンジュサンは広食性で、いろいろな葉を食べることで知られる。

キハダとカラスザンショウは我が家にあるけど、まだアゲハ類の卵を確保できる可能性があり

一応キープしておきたい。

ちょっと歩けば、クヌギとエゴノキは簡単に調達できる。

家のそばにある食草は、エノキ・クロガネモチ・ネズミモチ・クサギ・クスノキ。

エノキはこの時期、綺麗な葉っぱが少ない。

クロガネモチはこの時期、葉っぱが固くなっている。

ということで、過去に食いが良かったクサギはあちこちに若い葉があるので確定。

ネズミモチも初夏にあちこちで若い葉があることを確認している。

クスノキはひこばえがたくさんあるし、かなり食いが良いとのネット情報がある。

卵3つくらいでやろうと考えていたけど、2個体ずつ三種の食草でやってみようかな。

ん? 2個体なら我が家のキハダも使っちゃおうかな〜


孵化は産卵から10日前後のようなので、月末くらいになりそうか?

それまでに、それぞれの食草の様子をチェックしておきたい。


シンジュサンの飼育希望の人はいらっしゃいますか?

少数でよければ、お分けすることも考えていますので、早めにご一報いただければ…





20.8.27


孵化はあと4〜5日後かなと思っているけど、チェックは怠らないようにしている。

ヤママユやオオミズアオと比べて、卵のサイズはけっこう小さめ。

細めだからか、ウスタビガよりも小さく感じる。

成虫のおなかが大きくないので、そう考えると納得はできる。








20.9.2


昨晩10時頃、チェックすると…

ん? 孵化する?







食草を3種類とりにいって待っているのだが…

現在午前1時、いまだに変化なし。

この状況でダメになっちゃったの?

それとも、一斉に孵化するために待ってるの?

朝には出ていればいいんだけど…





20.9.5


結局このまま出なかった。

乾燥はさせていないし、窒息もないはずなんだけど…

念願が叶ったと思ったのに…

またいつかチャンスが来るのを待とう。



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