観察レポ =トカラノコギリ=


12.7.11


昨年の初夏、トカラノコギリクワガタの幼虫を10個体購入。

その後は放置気味で管理して順調に成長し、落ちる個体なく

10月中旬頃から順次蛹化していった。

発泡スチロール箱に入れて、北側の虫部屋にて保管していた。

近いうちに自分の部屋の押し入れに移そうと。




すっかり忘れていて、2月頃にふと思い出して発泡スチロール箱を覗く…



ガーン…



発泡スチロール箱に入れていても、北側の部屋は10度前後になっているのでダメだったようだ。

全部のビンを見てみるも、どれも硬直して転がるだけで動かなくなっていた。

あ〜、やっちゃった… ごめんよ。


一応、4月中旬頃だったと思うけど蛹をチェック。

ビンを傾けてもスーっと固まった蛹が転がるだけ。

近いうちに処分しなきゃなと箱に戻しておいた。




本日の夜、虫部屋から時折ガシガシと大きな音が響いてくる。

一昨年でブリードは基本的にやめたけど、生き残っているオオクワ成虫が数個体いるので

挟まってるのかと思った。

しかし、見に行くと全く別の方から音がするのである。



まさか? …まさかな〜


音がする発泡スチロール箱を開けてみると…







マジっすか!?



なんと、もう死んでると思って処分するのも忘れて放置していたトカラノコの♀が

発泡スチロール箱から脱走しようとしていた。

急遽全部のビンを掘り返してみると、3♂7♀で全てが羽化していたようだ。

こんなことあるの!?


羽化したのがけっこう前だったらしく、♂は全滅していて♀の死骸もいくつかあり、

生存しているのは♀4個体だった。
















嘘のような真実… こんなことってあるんだ。

生命力に感動しつつ、管理を怠っていた自分を反省。

一番綺麗な個体を撮影しておいた。







♂はどれも小さかった。

1個体でも生き残ってくれてたらブリードもできたんだけど… 残念だ。

しょうがない、♀だけでも死ぬまでは面倒を見ることにする。



思わぬ事態に驚き、戸惑いつつも後片付けをする。








と、一度ならず二度までも驚かせてくれる子たちだった。
























土をバケツに移していたら、最後のビンから幼虫が2個体出てきた。

♂が生存しているうちに♀と交尾をしていたようで、その♀が産卵までしていたとは…

幼虫がいるってことは、2ヵ月くらい前には羽化してたってことか?

もっと早く気付けばよかった。


で、バケツ内を丹念に調べると、もう2個体発見して計4個体の幼虫が。

この子たちはしっかり管理して成虫にしてやらなきゃ。



♀4個体は皆産卵するのかな? セットを組んで様子を見てみよう。





12.9.25


あれから2か月半、交尾済みの♀は1個体だけのようだ。

3♀は産卵せずに今月初めまでに落ちた。

卵持ちの個体が運良く生き残っていて、現在も産卵セットを組んでいる。

形跡がたくさんあるので、おそらくいくつも産んでいると思われる。

近々古いセットから割り出しする予定。





12.9.27


7月11日に発見した幼虫がけっこう大きく成長している。

そろそろマット交換してやろうか。 栄養価の高いマットを購入してこようかな。








12.10.9


産卵セットを組んでいたビン2つを割り出し。 しかし、共に幼虫の姿はなかった。

産んだ形跡がいくつもあったけど、無精卵だったのか? 想定外でショックだった。

とりあえず、♀が健在のうちはセットを継続する。

もう少しマットを湿らせた方がいいのかもしれない。


しょうがないので、幼虫のマット交換をした。 4個体とも順調そう。

大きさや体の感じからはまだ2齢っぽい。

うまいことに、♂2♀2のようだ。 画像は♂2個体










12.10.26


やはり♀は未交尾個体なのか、産卵の形跡はあるけど数日後には卵の姿がなくなっている。


最近気温がグッと下がってきたので、♀と幼虫共に虫部屋から自分の部屋の押し入れに移動。

気温差は5度くらい違うはず。 春になるまではこのままそっとして、たまに覗いてみたい。


トカラの♀って越冬しないよね? 残り短い命だろうけど、エサやりはちゃんとしていきたい。





12.12.22


唯一残っている成虫♀がまだ生存している。

最近潜ってばかりだったけど、元気そうな姿が見られてよかった。 もう少し頑張ってくれるかな?





幼虫4個体は成長しているようだ。

大きさにはこだわらず、無事に羽化してくれることを祈る。

春まではマット交換せずにこのまま様子を見ていきたい。








13.2.26


ここまで頑張ってきた♀成虫がそろそろやばい。

もうすぐ3月になろうという時期までよくぞ生きてくれた。

幼虫は、大きさこそ変わらないけど皆順調そう。

近々マット交換をしてあげないと…





13.4.12


前回で近々と書いておきながら、本日やっとマット交換。 とりあえず順調かな?

1個体だけ極端に小さかったけど… まだ2齢っぽかった。

羽化ズレ作戦なのか、異常個体なのかはわからない。

画像は3齢で♀っぽかった。

この子らは大きさよりもまずは無事に羽化させることを目標にしたい。








13.6.3


マット交換をしてもうすぐ2ヵ月… 前回チェックしたのは5日くらい前だったかな?

その時はなんともなかったけど、今日見たら大変なことに…

4つ中2つのビンにコバエ大量発生! 画像載せる? いや、自粛…

元のマットは大丈夫なので、詰め替えの際に入っちゃったんだろうな。

注意していたはずなのに。


クワガタの幼虫が共食いすると大きくなるって話はよくあるよね?

実際にそういった経験もある。

タンパク質摂取の影響だと思うけど、これってコバエの幼虫を食ってもダメなのかな?

タンパク質がうようよいるよ(笑)

カマキリの幼虫がそろそろ孵化しそうなので、そちらの心配はなくなった。

マット劣化がひどくならないうちに交換しよう。





13.7.3


一ヶ月経って、ようやくコバエマットから入れ替えた。 待たせてごめんよ…

画像はそのうちの1個体。

成熟しているように見えるので、大きさ的に中歯クラスかな? もう1個体はもうちょい小さい。

コバエの湧いていない2つのうち、マットが余ったので一つ入れ替えた。

これが一番大きいかな?

もう一つは前蛹態勢になっている。 大きさ的に♀のようだ。 3♂1♀か?

当初の予想通り、2♂2♀ならいいけど。

とりあえず、今回は大きさよりも無事に羽化が目標なので、

あと少しの間たくさん食って成長してほしい。








13.7.24


♀と思われた個体がいち早く前蛹になったが未だに蛹化せず… ちょっと怪しい。

すぐ後に前蛹となった個体は、見辛いけど写真の通り♂。

もう1個体も現在前蛹。 これが♀ならいいけど…

一番大きい個体はまだ幼虫をやっている。

あまり大きくならないだろうけど、65oくらいになってほしいな。








13.8.15


上の画像の♂が羽化した。 ちっちぇ! 40o台か?

小ノコだけど、無事に羽化してくれたことを喜びたい。

今のところ、自分で出てくるまでそのままにしておこうと思っている。


♀はやはり落ちていた。 前回で蛹化してると記載してある個体は不明。

順調ならば羽化しているはずだけど確認できていない。

大きい個体は、ここ数日姿が見えないけどまだ幼虫をやっているような気配。

羽化が遅くなってもいいから、せめて50o台後半にはなってほしい。








13.8.22


蛹化していて状況がわからなかった個体は、蛹のままカビにやられていることが判明…

これで♀は完全にいないことに。 大きい幼虫はまだ食っている模様。

こいつが蛹化したら、カビ対策も含めて人口蛹室を作って管理しようと思う。





13.10.2


すでに羽化している小ノコは未だに蛹室に留まったまま。

普通のノコギリは、羽化後一年蛹室にいたりするけど、トカラノコの場合は出てくると見た記憶がある。

まだ一ヶ月半だから、もうしばらくは様子を見ることにしようかな。


大きい幼虫は、ようやく前蛹になった模様。 数日後には蛹化するものと思われる。





13.10.4


大きい幼虫、本日未明に確認したら蛹になっていた。 なんか思ってたより小さいかも…

数日したら、人口蛹室を作成して移したい。





13.10.25


小さいのはまだ出てこない。 春までこのままか? 真冬も毎日チェックする。

大きい方、人口蛹室を作ると言ってて忘れてた(汗)

とりあえずカビにやられてる気配はないのでこのままいこう。


早く出してチェックしたい気もするけどここは我慢…





13.10.31


本日未明、確認したら蛹が羽化していた。 羽化して2〜3日経った感じに見える。

窓が小さいのでよく見えないのが辛い… サイズは50oあるかないかじゃないかな…

大きさよりも無事に羽化を目指したので、2つでも羽化してくれたので文句はない。

両方♂だけど(汗)


小さい方はそろそろ出してみたい気もあるけど、やっぱり自力で出るまで

そっとしておいた方がいいよね。

ずっと画像をアップできず申し訳ないけど、人間の都合よりも虫の都合で

やっていきたい気持ちはある。





14.4.29


先に羽化した小さい方の♂。 自力で出てくるまで待っていたら8ヶ月半が経過…

本日未明、ようやく活動を開始したようだ。

写真では下に戻ってしまったが、もう少し上の方で土から出ようとしていた感じだった。





午後、マットから取り出して通常管理に移行。

その前に撮影したが、曇り空なのが残念… 近々晴天時に撮り直したい。












14.5.15


昨晩未明、管理していた押し入れから異音が聞こえてきた。

いよいよか? 見てみると…





ようやく出てきたね。

10月末に羽化を確認してたから、この個体は6ヶ月半してやっと活動を開始した。

先に羽化した個体は茶色っぽかったけど、この個体は これぞトカラ!という感じで綺麗な色だ。















50oないかな? 近々計測しておく。

撮影を終了しようとしたら飛翔態勢に入ったので、もうちょっと遊んでみた。













2個体だけだったけど、無事に羽化して元気な姿を見せてくれてよかった。


さて、♀はいないのでブリードはできない。

死ぬまで管理するのもいいけど、希望者さんがいたらプレゼントするかもしれない。

小さいので欲しがる人がいるか…ですが。



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