観察レポ (番外編) =アカジマトラカミキリ=



15.9.26


先日の散策で、数年探し回っていたアカジマトラカミキリをようやく見ることができた。

その模様は、
散策レポ526を参照 をご覧ください。

想像していたよりは小さかったけど、とても綺麗で気品があり、久々に感動したものだ。


当サイト(というか私)のポリシーとして、年に1〜2個体のクワガタや、

観察レポで掲載する卵や幼虫以外は、基本的に持ち帰らないことにしている。

超感動したニシキキンカメムシでさえ、写真だけにしておいた。 
環境が整えば、観察レポでやるかもしれないけど…


このアカジマトラカミキリもそのつもりだったけど、数は少ないものの4個体が産卵しに来ていた。

珍しい部類の昆虫だけど、局所的(?)ながら、あちこちで見かけることはできる種類。

ということで、いつもお世話になっている人におみやげとして1個体だけお持ち帰りした。

♀しかいなかったので、まだお腹がパンパンの個体は避けておいた。 微々たる気遣いのつもり。



プレゼントする人は、標本にして残してくれると思うので、落ちてしまっても大丈夫。

できれば、動いている姿を見せてあげたいけど、他との兼ね合いがあって発送が遅れている。


捕獲から本日で5日が経ったのだが、まだ元気に動いているのでちょっと実験してみようかと思い始めた。

それは、アカジマトラカミキリに産卵させること…

ケヤキのある場所へ行き、状態の良さそうな落ち枝がないか歩いてみたら、

伐採された太めの枝が落ちていた。 幅4センチ、長さ20センチくらいかな?

この枝は伸びて切り落とされたようで、そんなには痛んでいない。 むしろ、健康な木だったと思われる。

しかし、切り口に若干のひびが入っており、少し窪みがあることからここから産まないかなと。

土場にも産卵に来るようなので、このセットでも産んでくれるような気がするけど…


とりあえず、セットしてバシバシ撮影しておいた。























明るいうちは、ケースをよじ登っては落下するの繰り返し。

昆虫ゼリーは中間食っていたけど、さすがに5日も経つと弱ってきてるかな…


夜、暗い部屋に置いておき、懐中電灯を弱く当てて見てみると…







ケース越しなので鮮明ではないけど、産卵管を出しながら歩いているのがわかる。

その後、夜はおとなしくこの木にしがみついていた。 たぶんいくつかは産みそうな感じだ。



産卵したからといっても、材の中を食い進むので幼虫の観察はできない。 材を割ることはしない。

そもそも産んだか産んでないかも判らない状態。 産んでいるとして、幼虫期間が2年とか?

はっきりわからないけど、来年出てくるかもしれないし、2〜3年かかるかもしれない。

変化があるとすれば、羽化する時と、幼虫が出てきちゃった時くらいだろう。

なので、ここで密かに2〜3年は待とうじゃないか。


表面がカビても中までは影響が少ないと思われるので、できるだけ自然に近い状態で管理していきたい。





15.9.27


今日も産卵管を出しながら、材の上をウロウロしていた。

画像を撮る前に、しばらく窪みに産卵管を突っ込んでいたので、産んでるんじゃないかな?

どのように管理するか、もうちょっと勉強してから決めたい。














15.9.29


朝、弱ってるのを確認していて、夜には息を引き取っていた。

一週間ちょっと生きていた。 よく頑張りました。


産んでるか産んでないかはわからないけど、材は少なくとも3年は保管しておこうと思う。

何か変化があったら更新します。





15.10.14


本日未明、なにやら幼虫らしきものが十数個体、ケースの底にいることに気付く。





昨日、霧吹きで木を加湿したので、そのせいで出てきちゃったのだろうか?

いくつか移動させて間近で撮影。

マイカメラでは限界があるので、これが精一杯だったけど…









贔屓目に見ても、カミキリの幼虫には見えないよね。

色的にもコメツキか何かっぽい気がするけど…

ただ、カミキリ幼虫が孵化したてから真っ白だったり頭でっかちとも限らないので、

孵化したての画像を検索したけど、さすがにどこにも出ていなかった。

よく見ると、木にくっついているのもいたので改めて撮影。





どっちが頭かもわからん(苦笑)

これがコメツキだとしたら、もしアカジマが産んでいたとしたら全部食われそうだけど…

とりあえず、このまま放置しておこうと思う。





15.10.17


謎の幼虫のほとんどは、材に戻れず息絶えた。

結局、調べても正体はわからず… というか、調べようがない(苦笑)

コメツキ系なのか、キクイムシ系なのかもしれないね。


あれ以来、材は加水していない。

そろそろまた湿らせようと思っているけど、また出てきちゃうかもしれないね。





15.10.28


今日、加湿した時に気になったんだけど…







↑画像のように、何ヶ所か白っぽくなっている所がある。

これって、ここに産卵して、孵化した幼虫が入っていったのではないかなと。

木屑こそ出ていないけど、なんかそれっぽいような気がする。

となると、5個体くらいはいそうな感じ。



あとは、↓の樹皮隙間にいる時間が多かったので、ここにもいくつか産卵しているかもしれない。








16.3.11


冬場は定期的に加湿するつもりだったけど、すっかり忘れて三週間ほど開いたことも…

乾燥しまくったので、もしかしたらダメになってるかもしれないね。


そんな時は長めに水へ浸けているけど、30分後に見てみると…





また秋に出てきた幼虫と思われるものがいくつも出てきた。

やっぱりカミキリではないね。 キクイムシ系が怪しいかな?


こんなのでもしっかり生きているので、アカジマトラが孵化していれば生存の可能性もあるね。

加湿は続けていく。





16.9.15


半年ぶりになりましたが、材は全く変化が見られない。

もし幼虫がいれば、多少なりとも木屑が出てきたりすると思うんだけど…


最初から何回かの加湿は、溜まった水に材を浸けたりしたので、

孵化する前に卵が流れちゃったとか?

もし孵化しているとしても、生木喰いの可能性が高いので、古くなった材の影響も?

はたまた、産卵行動はしていたけど、産卵はしなかったとか?


ともかく、現状では期待できる状況ではないので、ここで終了することにする。

寂しい結果だけど、予想はできた結果ともいえる。

万が一、何か変化があったとしたら、追加でこっそりと更新します。





17.5.1


一応、ダメ元で加湿はしていたけど、やっぱり変化はないので完全終了宣言。

ま、もしかしたらの夢は見れたので…

材は今冬までは一応保管しておく。



観察レポ トップへ