観察レポ =エゾヨツメ=


12.4.24


昨晩発見したエゾヨツメの♀。

コナラの新芽と枝を入れたケースに収納しておいたが、

移動中に産まなかったので自宅に持ち帰った。

綺麗な個体なので、もしかしたらまだ未交尾ということも考えられるかも…

しばらく様子を見る。








12.4.25


昨日の夕方まで変化なし。

♂を捕ってきて交尾させないとダメかなと思っていた。

本日未明、ケースを確認してみた。







ドッヒャ〜状態(笑) 画像では51個確認できる。

他の場所・葉っぱ・下に落下しているのもあるので70個くらい産んでるな…

いくらなんでもこれは大変。 まだ産むよね…

GW過ぎに捕獲場所付近へ行く予定なので、それまでは集団で面倒を見るか。






12.4.26


卵を数えてみた。 93個あった(笑)





12.5.1


♀が落ちた。 卵は12個追加で計105個になった。

産卵から6日が経過したけど、見た目の変化はほとんどない。 こういうタイプなのか?

無精卵の可能性もある? 色が濃いのや薄いのがあるけど…

とりあえずもうちょっと様子を見よう。










12.5.3


産卵から8日。

エゾヨツメの卵は見た目の変化が少なく、無精卵疑惑が高まっていたけど、

ようやくいくつかの卵に変化が。

こげ茶色の卵を中心に黒っぽいシミのようなものが出てきた。 たぶん大丈夫だろう。

近々たくさんの幼虫が出てきてすごい光景になっていると思われる。





朝は変化なく、午後帰宅するとうじゃうじゃ状態になっていた。

ちょうど孵化中の個体もいたので、まだまだ増えると思われる。

この段階で40個体くらい。 さっそくコナラの葉をとってきて入れておいた。 









ド派手な棘が愛おしくも見える。

棘が黒っぽいのと赤みがあるのは性別か? 孵化したばかりは薄いのかな?

とりあえず、我が家では4個体観察していく。

残りはしばらくの間大きめのケースに共同で住んでもらう。












12.5.5


けっこう食欲が出て順調に大きくなってきている。 体色が緑っぽくなってきた。








12.5.7


1個体2齢に脱皮。 脱皮殻との比較でもわかるけど、角がだいぶ長くなった。

我が家では4個体飼育観察の予定だったが、ウスタビガがよく落ちる現状、

保険の意味も込めて5個体面倒をみている。

そのうち一つは孵化が三日遅れなのでまだ小さい。

喧嘩などしていないので、もうちょっとの間はまとめて管理していく。








12.5.11


一番小さい個体(左)が2齢に脱皮した。

大きいのと一緒になったので撮ったけど、右の個体は3齢になっているようだ。

脱皮殻を角も含めて丸ごと食べてしまうので気がつかなかった。

角が少し欠けているけど、おそらく大丈夫だろう。








12.5.13


ちょうど脱皮中の個体がいたのでそーっと移動して撮影。

4/5が3齢になっている。 まとめて管理していたけど、先日二つの容器に分けた。

もうしばらくしたら個別管理に切り替える。










12.5.18


現在すべての個体が3齢。

そのうち2個体が昨日からジッとしているので、もうすぐ加齢するものと思われる。

エゾヨツメは落ちる個体なく順調。

今日のモデルは角欠け(たまたま手に取ったらこの子だった)。

まとめて管理していた際に喧嘩したのか、傷が見えるけど大丈夫かな?










12.5.19


エゾヨツメの幼虫は、カミさんがあだ名をつけるほどのお気に入り。

あだ名は 『エビ』 … 見た目がエビに似てるんだって。

本日の仕事中にカミさんから電話があった。


「パパ〜! エビが… エビがブタになった〜!」


ジッとしていた幼虫が4齢に脱皮したようだ。 カミサン的にはテンションが下がっていた。







その後、もう1個体も4齢に。


夜、家族のご希望に応え、ブタの正面写真を撮影。 ついでにエビも。

エビは正面から撮るとナマズだって(苦笑)










12.5.23


4齢たちは食欲旺盛になってきた。 何気に大きくなってきている。 1個体はまだ3齢。

もう1個体4齢と思われるのがまだ角がついている状態。

ネットで見たことがあるけど、これは6齢までいくのかな?












12.5.25


ブタ状態になった幼虫も、角の大きさは個体差があるようだ。

先日撮ったのは大きめで、本日の個体は小さい。

なので、この個体はあまりブタっぽく見えない。

夜中に見ていたら可愛いのでモデルになってもらった。

そろそろ5齢になると思われる。














12.5.26


一番小さな個体を撮影。

我が家での通称 『エビ』 の姿が消えるのも時間の問題なので。





夜、一番大きな幼虫が終齢に。 大きさは約40o。

カミさんが、「ただのイモムシになっちゃった…」 と寂しそうだった。












12.6.2


【遠征中のため、撮影・管理はカミさんが担当】


午前、幼虫の体色が変わったとの連絡があった。

そろそろと思われたので事前にレクチャーしておいた。






コナラの葉っぱを切って数枚置いておくように伝える。

すると、夜には繭作りを始めたらしい。





もう1個体も体色が変化してきたとのことで、同様のセットをお願いした。








12.6.3


遠征帰りで色付いた幼虫は初めて見るが、知らなかったら死んじゃうんじゃないの?

って感じの色だよね。

大雑把な繭はほぼ出来上がっているようだ。

みんな蛹化したら、そのうちどれかの繭の中身を見てみようと思う。






もう1個体は、繭を作り始めて気に入らないのか外に出ていた。

葉っぱの枚数を増やして様子を見る。








12.6.4


両方ともまだ蛹化はしていない。

2つ目の繭も出来上がったが、こちらはさらに大雑把。

すぐに捲れるので中を覗かせていただいた。









12.6.7


繭を作った2個体のうち、一つはまだ前蛹のまま、もう一つは残念ながら落ちてしまった。

幼虫3個体は、二つがそろそろ繭を作るかなといった雰囲気。 小さい幼虫は落ちてしまった。






12.6.9


最初に繭を作った方は6日が経過したが未だに蛹化せず。

ただ、落ちた個体と比べると色は正常に見えるのでもう少し待ちたい。

終齢2個体はバリバリと食欲旺盛になっている。 そろそろ蛹化準備に入ると思われる。









12.6.10


只今発酵中…






今朝見ると、泡がブクブクとナメクジのようになっていた。 若干色が変わり始めていた。

午後になると泡は消えて色付きが増した。 もうすぐ繭を作り始めると思われる。








12.6.13


10日撮影の個体は、繭を作り現在前蛹状態。 今のところは順調そう。


先に繭を作った個体は未だ蛹にならず。

かなり小さくなり、蛹化できずに落ちた個体のパターンに似てきた。

なんで蛹化しないんだろう? 原因が全くわからない。






12.6.17


エゾヨツメは難しいのかな? 最初の繭は蛹になれず落ちてしまった。

先日繭を作った個体は無事に蛹になっていた。

とりあえずよかった… まだ安心はできないけど。





最後の幼虫も繭作りを開始。

ただ、14〜16日に遠征していて、昨晩戻ると糞にカビが生え、繭に糞が入り込んでいる。

蛹になるまでいじらない方がいいのかもしれないけど、カビはクワガタ飼育の時から

嫌な思いがあるので除去することにした。

少し繭を壊しちゃったけど… 大丈夫なことを祈りつつ見守りたい。





12.6.22


最後の幼虫はなんとか蛹になれた。 大丈夫かどうかはわからないけど…

5つの幼虫から2つ蛹化した。 大量にいたので、今思えばもう少し面倒を見ればよかったかな。

暑さ対策をして、来春の羽化に備えたい。 2つのうち1つは繭から出して管理してみるかも。





12.11.7


見た目ではよくわからないけど… どうだろう? 生きてるのかな?

これから長い冬を経て、無事ならば来年3月頃に羽化すると思われる。

まだ長いけど、楽しみに待ちたい。










13.3.20


毎日チェックしているけど変化はなし。 エゾヨツメは繭に入ってるから特にわかりづらい。

捕獲現場付近では早ければ3月末には羽化していそうなので、そろそろ室内管理に切り替えてみたい。

なんとなくだけど、エゾヨツメはあまり自信ないな… 無事に羽化してくれるといいんだけど。





13.3.24


本日、室内の涼しい部屋に移動。 その際に繭から出してみた。

ん〜、どうだろ… やっぱり微妙かな?

もう少し艶があってもよさそうだけど、こういうタイプの蛹なのか?

二枚目の子は、お尻に幼虫の殻がくっついていた。










13.3.25


本日未明… あれ!?





ケースに白い線が出来ていたので覗いてみると上の状態。 白い線は排泄物だった。

無事に羽化したエゾヨツメは蓋にくっついていた。







尖がってるね〜。 ♀だった。

この後、手乗り画像を撮ろうとしたけど、元気がよくて止まってくれない。









しばらくお散歩させたらようやく落ち着いてくれた。











ダメかなと心配だったけど、無事に羽化してくれてホッとした。

ほぼ一年の付き合いだったもんね。

もう一個の蛹も羽化してくれたらいいけど、こちらはさらに自信ないから…

もうしばらく様子を見たい。


エゾヨツメは♂の方が小さいので、蛹の大きさからもう一個も♀の可能性が高い。

この♀が元気なうちに♂が羽化してくれたら交配も考える。





13.4.7


羽化から明日で二週間。 もう1個体が羽化しないので交配は断念。

このままリリースできずに落ちてしまうと思っていたけど、今日現在まだ生存している。

ただ、無精卵をたくさん産んでるけど…

せめて明日まで頑張ってほしい。 明晩、捕獲現場付近に行く予定だ。












13.4.8


本日、予定通り捕獲現場付近へリリースした。

途中で♂がいたので一緒にしてみたけど、交尾するところは確認できなかった。

道中ハードな山道だったしね…

一緒に木に付けておいたので、うまく交尾してくれたらいいんだけど、

♀は弱ってきてるかもしれない…








13.4.30


本日でこのコーナーは終了。 もう一つの蛹は見た目からも羽化しないと判断。

一つは無事に羽化できたので、一勝一敗だけど成功としておく。 丸一年の付き合いだもんね。


今年もエゾヨツメは飼育観察しています。 全部を無事に羽化できるように頑張りたい。

その模様は、こちらで報告していきます。 (観察レポのトップページからも見ることができます)



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