観察レポ =イボタガ=


21.4.15


卵からの観察は、9年前まで遡る。

これまで毎年♀を探していたんだけど、会えても♂のみだった。

昨年、虫友のなつさんから幼虫を確保してもらったが、結局羽化できないっぽい。

幼虫のいた所の案内を昨年からお願いしていて、今日がその日となった。


で、散策しながらいくつか食草を見て回り、2つの卵を見つけることができた。





卵を探しに行っても、正直難しいだろうと思っていたので拍子抜けだった。

まだ卵のてっぺんに黒い点が見えないので、産卵から1〜2日ほどと想像できる。

他にも産卵後5〜6日くらいの卵が6つ固まってあったけど、それはそのままにしておいた。

9年越しのリベンジを…


日向でもう一枚撮影、日向だと点が見えるね。

数日後には、この点が黒ずんでくる。








21.4.18


だいぶ黒点がハッキリしてきた。

色的に、孵化はあと一週間前後かと思われる。








21.4.23


昨日遅くに撮影。

だいぶグレーっぽくなってきたので、孵化は数日後と思われる。








21.4.25


9年前の時は、9日で孵化したんだけど、この卵はまだ変化なし。

そろそろとは思うので、最後の卵撮影という気持ちで撮った。








21.4.28


午後、孵化が始まった。











無事に出終わり、卵の殻を齧る。







夜、もう1個体も無事に孵化した。

若いネズミモチとヒイラギを入れているけど、両個体とも食いついてくれない。

我が家付近にはイボタがないので、キンモクセイも足してみようか。








21.4.29


食いつきが悪かったが、昨晩1個体は食っていた。

もう1個体は歩き回っていたので、葉っぱの上に何度か移動させていたら

ようやく食いついてくれた。


別々の葉っぱにいたが、今日は同じ葉に一緒にいる。

両個体とも、ヒイラギに食いついている。








21.5.1


あれから一緒にいるようだ。

喧嘩するイメージがあるけど、若齢のうちは大丈夫みたい。

右の個体を見ればわかるけど、頭の後ろが盛り上がってきているので

間もなく脱皮するものと思われる。





夜、無事に脱皮した。

2齢になり食欲が増すと思われるので、新たに葉っぱをとってきた。








21.5.5


昨晩から2個体ともジッとしていて、朝方までそのままだったけど

午後に3齢になっていた。

一緒にいることはなくなったので、そろそろ個別管理に切り替えようと思う。

相変わらず、ヒイラギにのみ食いついている。












21.5.7


だいぶ大きくなってきた。

現在はヒイラギのみで個別管理している。








21.5.9


昨晩からジッとしていたが、昼に見ると1個体が脱皮直後だった。

これで4齢。 ここまでは順調にきている。

もう1個体もそろそろだと思う。








21.5.11


大きくなり、だいぶムッチリしてきた。

食欲は旺盛だ。

過去の飼育管理では、終齢になって落ちることが多かったので

今後は油断せず掃除をマメにして、衛生管理を強化していきたい。










21.5.14


1個体が終齢になった。

ビョンビョンがなくなっちゃったのは寂しいね。

もう1固体も動きが止まったので、明日には脱皮すると思われる。








21.5.15


今晩、もう1固体も脱皮した。

一日遅れは♂♀の違いなら嬉しいけど、単なる個体差かも。








21.5.21


とにかく食いまくっている。

そろそろ蛹化態勢に入ると思われる。

↓画像の状態でちょうど90ミリなので、歩いてる時だったら100ミリあるんじゃないかな。










21.5.22


本日、急に色づいていた。





しばらくすると歩き始めたので、オガコケースへ移動。





新品のオガコで針葉樹のニオイが嫌なのか、全く潜る気配はないので

土のケースを用意して2個体とも入れた。

でも、土のケースでも潜らず…

とりあえずはこのまま様子を見る。





21.5.27


結局、丸一日潜らず歩き回り、オガコケースに戻した。

枯れ葉などを入れたりしても効果がなかったけど、真っ暗にしたらしばらくして潜った。


昨晩はまだ前蛹状態だったが、今朝見ると両個体とも無事に蛹化していた。

蛹は昨年も9年前も撮っているので、今回は羽化優先を目指してこのまま出さずに

そっとしておこうと考えている。

そんなわけで、画像はケース越しですみません…

見た目でカビとかがヤバそうだったら出すかもしれない。

湿らせすぎに気を付けながら加湿はしっかりして、暑さ対策も頭に入れておきたい。










21.9.25


4ヶ月が経過した。

今年は、管理方法三択のどれにするか悩んだ。


1つめは、ケース内をとにかく加湿する。

本来イボタガは、湿地の土中に潜ると思われる。

ということは、湿り気があった方がよいのではと考える。

しかし、まず間違いなくカビにやられるだろうなと…

ただ、蛹になった状態で掘り出さなければ、自分で抗菌液を出してカビたりしないのかなと。

前蛹状態で蛹室を固める際に出す液に、そういう成分があるんじゃないかと。

じゃなきゃ、自然下でもカビで全滅しちゃうし。


2つめは、カビ防止のため、土の下まで届かないように表面を適度に加湿する。

蛹のある下はカラカラ状態だけど、カビの発生はそんなに気にしなくていいかも。

それでもカビが発生するかもしれないけど。

イボタガの蛹にとって、湿度が最重要だった場合、この方法では生きていけないかも。


3つめは、以前の蛹のように、土から取り出して人口蛹室へ移して管理する。

一番無難な方法かもしれないけど、これで以前失敗したし、今回取り出さないのをテーマにしたかった。


結局は、2の方法で管理している。

めちゃ暑い日は進んで加湿したけど、だいぶサボった時もあった…

前回写真だと、ケースの下から蛹が見えていたんだけど、蛹が動いたと思われ数日後には全く見えず。

なので、中がどうなっているのかさっぱりわからない。

そろそろ涼しくなってきたので、掘り出してみようと考えている。

カビていないこと、軽くなっていないこと、動いてくれることを願う。





21.10.8


前回の加水時に、なんか穴があいてるな〜って気づいたが、中は見えなかった。

今日見てみると、蛹がチラって見えるね。





先端が尖っているので、お尻を上に向けてるっぽい。

ただ、カビてる気配はない。

生存していて、土中で動いているような感じ。

まだ季節外れの残暑がおさまらないので、取り出すのは来週かなと思っていた。

でも、生存している可能性が高くなったし、来年以降もまたやるだろうから、この蛹は羽化まで

このままにしておいた方がいいかなって考え直している。





21.11.16


加湿は5〜10日おき、カビ防止のため表面にのみ。

正直、中の方はカラカラ状態になっているので心配ではあった。

ここまで我慢したので、信じて掘り出さないでいこうと考えていたんだけど

暑さもなくなったので、掘り出してみることにした。

まずは、カビていないか、重量感はあるか、動くか。

お尻が見えている蛹を出してみた。





動かないこと以外はクリア。

見た目は問題なく、けっこう重い。

イボタガの蛹は動くという記述を見たけど、普通はこの時期は動かないだろう。

年一化の他の種もそうだったので、一番大事なのは重量感か。


となると、もう1個体はどうするか…

この際出しちゃおう。





↑左が2個体目。

色が白っぽいのは、空間がなくなって埋もれていたからっぽい。

こちらも重量感があるので、おそらく生存しているものと思われる。

蛹の大きさが違うのは、画像でも明らかだと思う。

うまく♂♀に分かれてる感じだ。


これで期待は膨らんだ。

今後の管理だけど、土に戻すか出して管理するかは早めに決めたい。

数日は土の上に置いておく。





21.11.22


土(おがこ)の上で様子を見たけど、問題はなさそうだ。

加湿のしすぎはカビが心配なので、少なめに湿らせてもう少し様子を見たい。

氷点下になる時期になったら、土を被せておこうと思う。








22.2.22


玄関で管理している。

土を被せようかとも考えたけど、寒いとはいえ氷点下にはならないのでそのままにしている。

ヘタに土を被せちゃうと、カビなどのリスクもあると考えて。

持った感じ、重みは感じるので無事なんじゃないかな〜と思う。

全く動かないのでちょっと不安ではあるけど。


九州では2月下旬から出始める。

飼育環境で早めに蛹化したし、自然下よりも管理温度は高いだろうから

早めの羽化も想定して、そろそろ管理を強化しようと思う。








22.3.3


1個体、♀が羽化していた。





体にオガコがついているので途中ひっくり返っちゃったのかな…

対策が甘かったかもしれない。

無事ではなかったけど、羽化できたことをまずは喜びたい。

表に出して撮影。











やはり一ヶ月ちょっと早く羽化した。

屋内飼育しているのでしょうがない。

もう一つの蛹も重みを感じるので、近々羽化してくれると思われる。

部屋に持ってきて、万全の管理で見守っていく。





22.3.15


寿命は一週間くらいかなと思っていたけど、今日で12日目とけっこう長生きしている。

夜中には時折バタバタと飛べない翅で羽ばたいている。

無精卵は3つくらいしか産んでいないので、♂の羽化が待たれるところだけど…

間に合えば交配してみたいけど、たぶん羽化はもう少し先のような気がする。










22.4.16


♀は↑の翌日に落ちた。

もう一個の蛹は今日現在羽化せず…

常識的にもうダメそうだけど、一応今月いっぱいは管理しておきたい。

ここで終了として、万が一羽化したらお知らせします。


先日、イボタガの卵をゲットしたのでリベンジしたい。

イボタガ22で報告していきます。



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