観察レポ =カバシタムクゲエダシャク=


21.3.17


北関東のO氏のご好意により、カバシタムクゲエダシャクの卵を送っていただいた。

この場をお借りして、感謝申し上げます。 ありがとうございました。

  
了承を得ていないので、お名前とHPは非公表とさせていただきます


簡単に経緯を書くと、昨年オオシモフリスズメの蛹の管理について質問をいただいた。

私自身一度しか羽化させてあげられていないが、失敗の経験も含めてアドバイスをした。

13日にその時以来のメールをいただいた際、カバシタの卵があるけど飼育するなら…と

嬉しい申し出があった。

ちょうど翌日にカバシタを見に行くことが決まっていたので、卵を得られなかった時はお願いします

と返信した。


14日は♀トラップを仕掛けたが、散策レポ847の通り、そううまくいくはずもなく…

そういうわけで、今回はお言葉に甘えて卵を送っていただいた。



17日に無事到着。 66個ある?

O氏のHPを拝見すると、11日に産卵したようだ。

産卵直後は白い卵だったが、到着時には茶色く色づいていた。

♂♀同居させていたけど、交尾を確認していないので無精卵の可能性もあるとのこと。

でも、羽化した翌日に同居してすぐ産卵っぽいので、交尾したんじゃないかと想像できる。

孵化するなら21日頃かなと思うけど、しっかりと監視しておきたい。








21.3.18


昨日は夜に受け取ったので、昼の時間に改めて撮影。





昨日の時点で、2つだけ白っぽくなっているのはわかっていた。

ダメになってる卵なのかなと感じていたけど、なんか幼虫の姿がうっすらと確認できるような…







他の卵も一気にこうなってきたら無精卵ではなさそう。





21.3.19


未明に撮影。

ほぼ全ての卵に凹みが見える。








21.3.20


まだ変化はない。

7年前に、オカモトトゲエダシャクをやった際には、産卵から孵化まで一ヶ月かかっていた。

10日くらいで孵化かなと考えていたけど、それくらいかかるのかもしれない。

気長に待つことにする。








21.3.26


日向で撮っていなかったので一枚。

いつもと逆向きで撮影。

次回は何か変化があったら更新する。








21.3.27


変化があったらと書いたが、早速変化が見えた。

昨日撮影時に、一部の卵に黒点があったのは気づいていたけど

今日はさらに黒点部分が大きくなり、全体的に黒くなってきている卵も。

孵化は近いと思われるので、観察を強化したい。








21.3.29


未明に撮影。

昨日から卵は真っ黒になっていた。

この時間は青っぽく光って見える。





今朝見てみると…

1つ無事に孵化していた。







一昨日の夜に葉をとりに行ったので、早速移動させる。





30分後、一斉に孵化が始まっていた。





ちょうど孵化中の個体も撮影。







食草に移動させたけど、食いつきはあまり良いくないかな…

たくさんとってきたのはニシキギ。

食草として報告があるのは、ニシキギ、ツルウメモドキ、マユミだけど

同じニシキギ科のマサキの若葉もあったので一緒に入れてみた。

マサキは葉が厚いので、食ったとしても3齢くらいからかも。





21.3.30


一つをまとめて、もう一つ小さいケースで5個体管理することにする。

昨晩遅く、一応新しい葉っぱをとりにいき、未明に仕分けした際に撮影。







薄曇りだったけど、昼も撮影してみた。

動きが早いので、ジャスピンは撮れなかったけど…

見た目では判らなかったけど、少ししょこたんがあるようなので安心。












21.4.3


ほとんどの個体が2齢になっているようだ。

数個体撮影してみた。

















マサキも入れてあるけど、数個体食っているようなので継続していく。

マユミの木が近所にあったので、こちらも今後入れてみる予定。

食いつきが良ければ、ニシキギは家から遠い場所にしかないので

マユミへ移行させたい。


ちなみに、卵はこんな感じ。

初めから白かったのは孵化しなかった。

残ってる黒いのはもう孵化できないのかな?

少なくとも、58個体は孵化したことになる。








21.4.5


4日夜遅くにニシキギの葉をとりにいった帰りに、マユミの葉っぱもとってきた。

慎重に幼虫の入れ替えをしていたら、時間がかかって未明になっちゃった。

夜中だけど少し撮影。 これは小さめの個体。





マユミの葉裏に数個体固まっていたので、ついシャッターを切った。





左が3齢で右が2齢。 おそらくですが…

模様が若干違うし、3齢は班がハッキリしている。

頭の大きさもだいぶ違う。








21.4.9


遠征で4日間家を空けたが、順調に食いまくっている。

マユミの葉も問題なく食べているが、若い葉ばかり食っているようだ。

今晩か明日に葉をとりに行くので、そこは意識していく。


模様はあまり変わらないように思えるけど、顔が真っ黒から柄入りになった?

少し大きくなっているので、4齢になっているかもしれない。










21.4.11


今のところの一番大きい幼虫をピックアップ。

まだ4齢なのかな? 30ミリ弱ほどのサイズ。










21.4.13


11日に撮った個体かどうかはわからないけど、一番大きかった子を撮影。

黒く太い線が繋がってる。 これは個体差なのか?

頭がやや大きいので、終齢ということなのだろうか?








21.4.15


ちょうど脱皮したばかりの個体がいた。





頭の殻を大事そうに抱えて…


3齢ほどの小さめのから、40ミリくらいある終齢っぽいのまでさまざま。

かなり大きい個体も撮影しておいた。








21.4.18


40ミリほどの大きい幼虫が増えてきた。

少々知人に里子に出した。

これまで、落ちる幼虫はほとんどいなかったけど、最近少し出てきた。

数えてはいないけど、30ちょいくらいはいる。








21.4.23


4日間遠征で家を空けたのだが、その間にだいぶ変化があった。

残念ながら、いくつかの幼虫は落ちてしまったが、20個体が前蛹に。









3個体はまだゆっくり歩いているけど、そのうち落ち着くだろう。

だいぶ丸まった蛹に近そうな前蛹を。








21.4.25


本日午後、2つが蛹になっていた。

これから蛹化ラッシュになるだろう。










21.4.26


半分近くが蛹化した。

もう少ししたら、保管方法を考える。








21.5.2


無事に蛹化できたのが17個体。

前蛹があと2つあるけど厳しそう…

オアシスを買いに行ったけど売ってなかったので

底はティッシュで上に水ごけを被せようと思う。










21.5.4


残りの前蛹のうち、1固体が蛹化。

ダメそうかなと思っていただけに嬉しかった。

もう1個はやっぱり微妙かも…

とりあえず、蛹は18個になった。

10個は無事に羽化してもらいたい。








21.5.27


18個蛹になったが、なんかいびつだったりで、何個かはダメそうなのがあった。

今日チェックすると、2つがカビていたので除去した。

イボタガ が蛹化し、オガコの上のスペースが空いているので、そこへ移動させた。

上に適度に湿らせた水苔を置いておく。

ダメな蛹はカビるだろうけど、生きている蛹は大丈夫なんじゃないかなと。

いくつかの蛹は、ゆっくりながらクネっていた。








21.6.16


本日チェック。

カビてるのはなさそうかな。

いくつかは微かではあるけど動いていた。

暑さと湿度に気を付けて管理していきたい。










21.8.29


先月の加水時での確認で、完全にカビている2つは排除した。

他も怪しいのが多数で、動いていた3つは別容器に移した。

本日の確認では、多数入れておいた方で一つ動いたのがあったので別容器へ。

生きている可能性があるのは4つかな…


なんか触角が同じに見える。

♀は細いので、全て♂なのかな?

でも、残りもみんなこんな感じだったような気がするけど…

♂♀両方無事に羽化してくれればいいけど。








21.10.8


生存確率の高いと思われる4つのうち、今日の加水で2つは動いた。

画像はそのうちの一つ。

次回の撮影は来春になると思われる。

無事に冬を越してほしい。








21.11.23


成虫の触角は、♂は櫛状になっており、♀は線状になっている。

↓画像は、3月の散策レポ847のもの。









蛹を見ると、どれも♂のような太いのばかり。

これだけいて、全て♂というのは考えられない。

で、これまでの蛹画像を見てみると、6月16日に撮影した蛹と、10月8日の蛹は触角が違うよね。

6月のは真ん中がツルツルで、10月のは線が入っている。

これが区別点なのではないか?

というわけで、生存していると思われる4個体を全て撮ってみた。


   


ん〜… わからん(笑)

左2つと右2つが同じような感じに見えなくもない?

左の2つはなんか盛り上がってるような感じに見えるけど。

なんとなくだけど、左が♂で、右は♀のようなイメージかな?

もしくは、右から2番目だけ違うかもしれない。

蛹のサイズはどれも同じような大きさです。

少し白っぽくなってきているような気もするので、カビにやられ始めてるかも…

管理方法を見直さないといけないかな。





22.2.22


成虫は3月に羽化なので、順調ならばまもなくと思われる。

飼育環境で育ったので成長が早く、野外の個体よりも早めに羽化が予想される。

そろそろ気を付けて見守っていきたいけど、正直羽化できるのかは微妙かも…

11月下旬からカビ防止のため、オガコはやめて↓写真のような感じで保管。








22.3.16


自然下では、昨年3月14日に栃木県で成虫を見ている。

現段階で羽化しないということは、ほぼダメかなと感じている。

蛹4つを1センチほどの高さから落としてみると、2つは空っぽな感じでバウンドする。

他の二つは中身はありそうだけど、これもかなり微妙な感じ。

とりあえず、今月いっぱいは管理してみる。


残り10個ちょいのカビてるっぽいチームは、オガコに埋めているけど変化なし。

こっちは8月下旬の段階で諦めているけど。


年一化はやっぱり難しい。

機会があればもう一度やってみるかもしれないけど、おそらく今回がラストだろうな。





22.3.31


結果、羽化はしなかった。

念のため、4月15日までは保存しておく。


北関東のO氏へ報告のメールをしたが、アドレスが変わったのか繋がらないので

この場をお借りして御礼申し上げます。

羽化させられませんでしたが、貴重な機会をいただき、感謝しております。



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