観察レポ =ツマベニチョウ (沖縄産)=


15.11.21


ツマベニチョウの幼虫は2個体を観察していたが、まさかの共食い事件が起きてしまった。

詳細は、ツマベニチョウ15(九州産) を参照

そのため、食樹が余ることが予想され、ラストチャンスの南の島で探してみようと考えていた。

最終日の20日、藪の一ヶ所でツマベニチョウが何かに固執していたので、裏にギョボクがあるに

違いないと入ってみると案の定、小さなギョボクが隠れていた。

葉は二十枚ちょっとしかなかったが、ツマベニチョウの幼虫が8個体も…

葉裏を見てみると、やはりいくつか卵はあった。

そのうちの一つを持ち帰ったので、また初齢から観察してみたい。









15.11.22


卵は黄色く色付いてきた。

なんかゴミが付いちゃってるなぁ…









15.11.23


卵の見た目は変わらず。








15.11.24


卵はまだ変化は見られず。








15.11.25


卵は変化した。 今晩か明日には孵化しそうな気配。





今晩、孵化を確認。 脱出した卵を食べている。

古い葉を小さく切り取り、新芽の上に置いておく。

卵の殻を食い終わったら移動するだろう。








15.11.26


未明に新芽へと移動した。





食ってるのか心配したが、午後に食痕を確認。

とりあえずは大丈夫そうかな。








15.11.27


今日は食べている場面を確認できたので一安心。

ゆっくりと成長していってほしい。








15.11.28


食事中も撮影したいが、うまくタイミングが合わない。








15.12.1


脱皮の痕跡がないので、まだ初齢だと思うけど、なんか初齢っぽくない雰囲気。

最近忙しいので、もしかしたら見逃していたかもしれない。

頭部の感じから、脱皮が近いと思われる。

ツマベニチョウ15(九州産) の個体よりも食いは良く、成長が早い気がする。








15.12.3


本日未明、脱皮していた。

風呂に入ってから撮ったけど、脱皮殻はすでに食っちゃったみたい。

あれ、まだ2齢か? ツマベニチョウ15(九州産) と比較すると大きく感じるけど…

幸い、新芽がいくつか出てきているので、もうしばらくはエサに困らない見込み。








15.12.4


模様が見えるので、やっぱり3齢のようだ。 大きさや雰囲気的に納得。

新芽がそこそこ出てきているけど、次から次へと移動してあちこち食っている。

一ヶ所を食い終わってからにしないと後々困るぞ〜!












15.12.6


あれ? 4齢に脱皮しているようだ。

もう1個体 ツマベニチョウ15(九州産) は、加齢時がはっきりわかったけど、

この子はいつの間にか脱皮しているパターンだ。








15.12.7


だいぶしっかりしてきた感がある。

もう1個体が葉っぱを食いまくってしまったので、果たして足りるかどうか…

新芽はバンバン出てきているけど、あちこち食うので葉の成長が止まっちゃったり。

もう一つギョボクを購入しなきゃかな…








15.12.8


万全を期すため、ギョボクをもう一つ購入しておいた。

今日は撮影後、残り少なくなったもう一本の大きな葉へ移動させた。

しかし、いいねいいね〜








15.12.10


本日未明、終齢に脱皮していた。

これでこの子もバリバリ食いだすだろう。







注文しておいたギョボクが届いたが、これまでの二つと違って超小さい…

まだ苗といった感じ…

葉は一応出ているんだけど、細いので葉に移ると倒れそうだ。





15.12.13


いよいよヤバいぞ〜!





大きい葉を付けた木は残り一枚半となった。

前の住人 (ツマベニチョウ15(九州産)) が食い過ぎちゃったからね…


最初に購入した木は丸裸にされた後、新芽が出ていた。

この子の若齢時にそれを与えていたので、枚数は多くないけどなんとか成長していて、

上の部分も葉が伸びてきた。


で、最後に購入した苗のような状態のもの… 下の画像を参照。

ちなみに、価格は3つとも似たようなもんでした(笑)

明日には大きい葉を食い尽くすだろうから、先に苗の方を与えておいて、

その間に新芽が少しでも成長することを祈ろう。








15.12.14


午後3時半… ピーンチ!





ラストの葉っぱもあとこれだけ。

だいぶ大きくなってきたので、現在ある葉で足りるかもしれないけど…

最悪の場合は、キャベツでも与えてみようか (代用がきくという噂)。



午後5時、一気に食いだした。

ねぇねぇ、知ってる〜?

それで大きい葉っぱは終わりなんだよ〜









彷徨ってるよ〜という連絡があったが、そのままにしておいてもらった。

午後7時半に一旦帰宅。

そうそう、そういうまだ食える葉がちょっと残ってるでしょ?

ちゃんと食べてからでないと、新しい木はあげないんだよ〜!





午後9時半に仕事を終えて帰宅。

だいぶ食ったみたいなので、そろそろあげようか。

枝が細くて弱いけど、おいしいから上手に食べてね。





若い葉なので、0時までに一枚半平らげたけど、蛹化まで食樹はなんとか持ちそうかな…





15.12.15


昨日は蛹化まで持ちそうだなんて書いたけど、とんでもはっぷんえがしらにじごじゅっぷん…

丸一日で、苗木の12枚を食い尽くした。

幼虫のサイズから、もう少し大きくなりそうなので、あと数日は食いまくるだろう。

となると、新芽が出てきている木では全く足りなさそうだ。


とりあえず、移動させたけど…

その際に怒りまくっていたので、さとう玉緒プンプンの顔をアップで撮っちゃうぞ!











ダッコちゃん風





15.12.16


本日夜、いよいよギョボクの葉が尽きました…





さぁ、どうする? 怒っててもしょうがないでしょ!

もうギョボクはネットでどこにも売っていないのだよ…

手に入らないのだよ…

茎などを食って空腹を凌いでくれ!


明日、農薬をあまり使っていない農家さんから、キャベツの葉をもらってくるかな。





実はね、ほんのちょっぴりだけ食べ残しがあるんだよ。

いつ気が付くかな?








15.12.17


本日未明、冷蔵庫を確認すると、買ってきたばかりのキャベツがあるではないか…

念入りに洗浄して、ダメ元で木に付けておく。





キャベツも代用できるという記述は見ていた。

但し、途中で落ちるか、モンシロチョウくらいのサイズになるとか…

この子はだいぶ大きくなり、あとちょっと食べれば蛹化する。

たくさん食べることはないので、蛹化までの栄養分を補えれば。

食ってくれると助かるなぁ…




↑から約一時間後。





キャベツを超えて、先端の茎を食いだした。

もう食えそうな茎はほとんどない。

キャベツがしなってきたのも影響あるか?


ということで、食い終わったのを見計らって、プリンカップへ強制収容。

これで諦めて食ってくれたらいいんだけど…





朝見ると、なんか食った形跡はなさそう。

アブラナ科の何かも代用が利くらしいので、午後に適当にとってきた三種類の葉を入れてみた。



夕方確認すると、雑草の一つに食痕があった。





これは家の下から持ってきた葉なので、三枚追加しておいた。

これってアブラナ科なのか?



夜、仕事から帰ると、雑草は食っていないようだ。

キャベツは食ってるのかなと思っても、雑に千切ったので食痕がわからず…


で、しばらくしてふと見ると、しっかりキャベツを食べているのを確認。





食べてるところは水滴でほとんど見えないけど、一応証拠画像ということで…

蓋を開けると食べるのをやめちゃったけど、意外とバリバリ食っているようなので安心した。





この後また食べ始めた。

シャリシャリと良い音がけっこう大きく響いている。


キャベツを食ってくれたのでかなり助かった。

羽化サイズは少し小柄になるかもしれないけど、無事にいってくれればいい。





15.12.18


ツマベニチョウ15(九州産) は、終齢から9日目で蛹化態勢に入った。

成長が早いこの子は、一日早い今日には蛹化態勢に入るのでは?と思っていた。


一日を通して、ほとんどキャベツを食していない様子。

一応、蛹化スペースを作って見守ったけど、動き回るものの素振りは見せず。


しかし、日付が変わる頃に動きがあった。

普段は、少し触れるだけでも威嚇してしばらく動かない状態になっていたが、

多少触っても歩こうとしている。

これは蛹化スイッチが入ったとみていいだろう。







その後、蛹化ルームに移すと、上の部分で場所決め行動をしている。

明日起きる頃には、前蛹状態になっていると思われる。


一つ心配なのは、やはり栄養が足りないのか、単なる偶然だったのかはわからないけど、

まだ蛹化態勢に入る前の夕方に上からボトっと落下したこと。

現時点で場所が決まりつつあるようだけど、今見ている分には大丈夫そうな気がするが…





15.12.19


本日未明、場所がだいたい決まったようだ。

カメラがケースにぶつかったため、ちょっと怒っております。







朝にはこの状態。

夜になっても変わらずで、もう大丈夫そうかな。

明日には蛹化するだろう。








15.12.20


朝、まだ蛹化していなかった。





今日は忙しく、午後三時半に一旦帰宅すると、三時過ぎにポトっと音がして

見た時にはこの状態だったそうだ (↓カミさん撮影)。





ちょっと遅かったか…

蛹化には、残念ながら2個体とも立ち会えなかった。


私が帰ってきた時には、この状態でした。





夜、すっかり蛹らしくシュっとした。





ここ数日はドタバタ続きだったけど、とりあえず蛹化できてホッとした。

あとは、無事に羽化してくれることを祈ろう。


データとして、ツマベニチョウ15(九州産) は、産卵から蛹化まで43日。

この個体は、30日で蛹化したのでだいぶ早く感じた。

これは、単なる個体差なのか、沖縄と九州の地域差なのか?






15.12.22


夕陽を浴びて…

しばらくは変化がない日々が続く。

撮影後にクネクネと動いたので、ちゃんと生きていることは分かった。








15.12.30


蛹化から十日が経過。

まだ大きな変化はないが、中身が若干色付いてきてきたような気がする。

とりあえずは順調そうだ。








16.1.1


翅の部分が少し色付いてきた。

もうすぐだね。








16.1.5


まずは、1月3日…

綺麗に色付いてきた。







1月4日…

明日には出そうだ。







今朝(8時半)、まだ出ていなかった。

だいぶ透けてきているので、時間の問題だろう。





10時半、腹が伸びてきたのでそろそろか。





10時50分、その時が来た。

























体を出すまではゆっくりだったけど、一旦出ちゃうと一瞬だった。

日向でも撮影しておく。







二時間ほど経ち、だいぶ固まったようなので手に乗せる。



















今度は♂ならよかったんだけどね。



夜になって、ようやく部屋の中を飛び始めた。

飛翔は見れたもんじゃないので割愛…

しばらく自由に遊んでもらった。





いろいろあったけど、元気に羽化してくれてよかった。

ツマベニチョウは機会があればまたやってみたい。


関連記事の、 ツマベニチョウ15(九州産) も掲載しています



観察レポ トップへ