観察レポ =ウスタビガ=


21.11.11


昨年観察した ウスタビガ は、繭を作ったものの羽化できなかった。

もう一度リベンジしようかなと考えていたけど、数年先でもいいかなと悩んでいた。

本日0時を過ぎて、朝まで寝れないと見込んで東京西部の山へ急遽出動!

現地は4度と寒かったけど、1個体だけいてくれた。









脇腹から卵が…

産んだのがくっついてるのかと思ったが、怪我して飛び出てきちゃったようにも見える。

しかし、弱ってる感じもないので、他の♀がいるまで確保することに。

奥まで探しに行ったけど、他に♀はいなかったので現地で産卵させたい。

4度で動きが鈍かったけど、暖房を入れて車内を温めたら徐々に動きが活発になってきた。

これならいけそうなので、桜の枝を入れて捕獲場所まで15分ほどゆっくり走る。

走行中にバタバタしていたので、産んでるかなと枝をチェックすると、2つの卵が見えた。

車を停め、ケースから出してもう少し産んでと促していたら…







追加で2つ産んでくれた。

4つあれば充分なので、ここで♀は開放。 お疲れ様!

写真で見ると怪我じゃなくて、やっぱり産んだのがくっついてるだけかも。


散策レポ928 の後半(下の方)で、この夜の模様を掲載しております。





22.3.9


過去の観察では、孵化は3月下旬から4月初めだった。

20日頃から観察を強化していこうと考えている。

今冬はかなりの厳冬だったので、孵化は4月に入ってからかもしれない。

とりあえず、無事に出てきてくれれば。








22.3.24


本日、そろそろ孵化の準備をしようとプリンカップへ移動。

その際に、枝が長いのでバキっと折ったら、卵一つが吹っ飛んで行方不明に…

おそらく屋外に飛んでっちゃったと思われる。

3つあれば充分なのでいいんだけど…





22.4.3


屋外の日陰で保管し、毎日昼と夜にチェックしていたけど、本日3個体全て孵化しているのを確認。

まだコナラの芽吹きが甘く小さくて固い葉だけど、とりあえずこれで様子を見ていく。







なんか食わなそうなので、雨の中歩いてウメの葉をとってきた。

食いついているように見えるので、しばらくはこれでいってみる。








22.4.5


1個体はウメ、2個体はコナラに食いついたようだ。

糞もあり順調にいきそうかな。

ちょっと家を空けるので、新しいコナラとウメをやめてサクラにチェンジした。








22.4.11


だいぶふっくらとしてきたので、近いうちに脱皮しそうだ。

孵化してからも屋外で管理している。

室内管理だと、どうしても生育や羽化時期などが早まってしまうため。

夜が冷える時期の間は継続していきたい。










22.4.12


1個体だけ2齢に脱皮していた。

他のもジッとしているので、今晩か明日には加齢するだろう。








22.4.16


ほぼ同時に孵化したのに、13・14日に1個体ずつ遅れて2齢に。

もうしばらくは3個体まとめて管理しておく。








22.4.22


南国遠征に出て入り、本日未明に帰宅した。

今回は成長が早まらないよう、ずっと外で管理している。

2個体が3齢に、1個体は今日中に脱皮しそうだ(2枚目)。










22.4.26


脱皮直後。

これで4齢? 遅れてた2齢が3齢になったんか?

今回は今のところまとめて管理なのでわかりづらい…








22.4.29


おそらく、全ての個体が4齢と思われる。

食欲旺盛で、昨日多めにとってきた葉っぱがなくなっていた。

で、こんな状態に…

咬みついたりしていなければいいけど。

今日から個別管理に切り替えた。








22.5.1


前回は4齢と書いたけど、まだ3齢なのかな?

とりあえず順調にきている。

外で管理しているため、夜は肌寒い日もあるので成長は遅めかも。








22.5.4


今のところ少食で葉の減りがあまりなく、大きさもそんなでもない。

ま、順調ではあると思われる。








22.5.8


1個体が終齢になった。

トゲトゲはすっかりなくなった。

今までは少食だったけど、これからは食いだすだろう。








22.5.13


まだそんなに食欲は出ておらず、体もそれほど大きくなっていない。

以前の観察の時もそうだったけど、けっこうチビチビと食べる感じ。

トゲトゲのある姿もいいけど、終齢のこのスタイルも綺麗で好きだ。










22.5.16


終齢になってから、葉を取り換える際に「チチチ…」とか細い声を出す。

この声が可愛い〜








22.5.24


1個体が軟便をして歩き回ったので、枝ごとコナラを持ち帰った。








22.5.25


未明までは、休憩しながら土台作りをしていた。

本日午後には、見事に繭の形になっていた。








22.5.26


1個体が丸三日糞をせず、今日の午前に見たら少し縮んでいる感じだった。

3〜4日ほど全く食っていない感じだった。

軟便もしてなかったし、病気になっちゃったのかな…

夕方に見てみると、プリンカップ内で繭を作っていた。

よかった、元気だったか。

ここで繭作りをしてくれたらすごく楽になるので、もう1個体もこの作戦で行こうかな。








22.6.8


3個体全てが数日前までに繭を完成させている。

この二つは大きさが違うので、♂と♀だと予想できる。

一つは上の造りが甘いので中を覗けるけど、まだ蛹にはなっていなかった。








22.10.2


無事ならば、あと数週間から一ヶ月ほどで羽化する。

今年の夏は記録的な酷暑だったけど、元気に羽化してくれるかな?

ほとんど霧吹きなどで加湿しなかったけど、過去もそれで羽化したので大丈夫と思いたい。








22.10.6


本日午後、仕事からいったん帰宅して少ししたら、繭を置いている方からカサカサカサっと…

見てみると、羽化しようとしていた。







おっ、♂だね〜

と、喜んでいるのも束の間、一向に繭から出てこない。

逆向きで出てきちゃったの?

掴まるとこないじゃん…

とりあえず、自然に任せようと見ていたんだけど、さすがに5分以上このままでは…

繭の出口付近に霧吹きをしたけど状況は変わらず。

出口を指で軽くパカパカして、出やすくなるようにアシストしていたら

ようやく腹が繭から抜けた。

なんだかんだで発見から20分以上経っちゃったけど大丈夫かな?





抜け出してから40分、結局翅は伸びなさそうだ。





夜に帰宅した時も変わらずだった。

予定よりも数週早く羽化してくれたけど、残念な姿になってしまった。

音で気付いたけど、そのだいぶ前からこの状況だったのかもしれないね。

残り2つの繭も近く羽化するだろう。

少し霧吹きしておこうかな。





22.11.3


二週前くらいに、かなり頻繁にガサガサと繭を揺らしていた。

数日続いた後は静かになったが、昨日またガサっと。

2つのうちどちらかは生存している。

時期的にはそろそろだけど、この辺に生息しているウスタビガは11月下旬に出てくるので

焦らず無事な羽化を待ちたい。





22.11.28


前回(3日)の後、少しでも寒い玄関にて管理していた。

通るたびにチェックしていたけど変化なし。

本日、一つの繭からようやく出てきてくれた。





♂だね。

まだ出たばかりのようなので、部屋に持っていき観察した。















今回はちゃんと翅を伸ばしてくれた。

一時間ほどそのままにしておき、翅が乾いた段階で手乗り撮影した。













今晩元気なうちにリリースする。

東京西部の捕獲現場では、もう発生が終わってる可能性が高いので

ちょうど今が発生ピークの東京北部へ行く。


午後11時前、リリースに行く前にさっきの画像を確認したら、後翅の〇が少し前翅に

隠れていたので撮り直しておいた。







繭はあと一つ、羽化するかな?





22.12.23


毎日数回チェックしていたが、さすがにもう出ないのかなと思っていた。

18日の早朝までは変化がなかったと思うが、その後旅行に出かけて

22日の未明に帰宅すると…







羽化はしていたんだね…

最初の個体同様に、繭から出られなかったようだ。

繭が乾燥しきっちゃってるのが原因だったかもしれない。

3個体全て♂だった。

残念なこともあったけど、これでウスタビガ22は終了。



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